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第93回全国高校野球選手権大会予選展望  ≪東海・北信越≫

2011年06月27日 | 高校野球

第93回全国高校野球選手権大会 予選展望3


【静岡】(参加118校)
大激戦予想される大会。最後に笑うのは?

◎ 常葉菊川
〇 静清 飛龍
△ 静岡商 静岡
▲ 常葉橘 浜松西 掛川西

大激戦の大会になりそうな予感がする、大本命なき戦いだ。カギは前半戦の取りこぼしをしないで、後半戦の有力校同士の戦いにいかに力を温存できるかということ。猛暑になりそうな7月の陣を、どのような形で乗り切っていけるのか。各校の指導陣の力量も試される大会と言える。参加118校のうち、チャンスがありそうなのは20校以上。思わぬ”衛星”が飛んでくる可能性も大いにある。そんな中で最も甲子園に近いと思われるのは、経験豊富な常葉菊川。エース岩本が投げられなかった春でもいい戦いをしているので、万全に戦力を整えればやはり1番手に上がる。打線は県内屈指の破壊力。差なく追うのが、選抜出場の静清。エース野村の負担を減らすことができれば、連続出場の目も十分。そして面白いのが、初出場を狙う飛龍。チーム作りは”常葉菊川型”と言える感じで、どこからでも長打が飛び出す打線は、県内屈指の破壊力。投手陣の踏ん張り次第では、初めての夏に手が届く。名門の静岡商、静岡は相変わらず夏に向けてのチームの仕上げに自信を持っている。両チームとも”故障上がり”のエースに頼らなければならないところに弱点を持つが、波に乗れば名門の力が生きてきそう。3年連続を狙う常葉橘、底上げのできている浜松西、掛川西なども有力候補に挙がる。


【愛知】(参加188校)
中京大中京の3連覇がなるのか。東邦、愛工大名電が追いかける尾張の夏。

◎ 中京大中京
〇 東邦 愛工大名電
△ 愛知啓成
▲ 享栄 愛知 豊田西

一昨年の全国制覇校、中京大中京。昨年の甲子園の後、名将・大藤監督が引退。高橋新監督を打ち立てて初めての夏となる。昨年の甲子園でも好投を見せたエース浅野は安定した投球を見せる好投手。打線も昨年、一昨年に比べてもさほど見劣りしないほど仕上がってきて、視界は良好と言えるだろう。追っていくのは、名門の両チームだとみる。先ずは東邦。春は中京大中京に打ち負けたが、例年夏にはさらに打線を仕上げてくる。長江・飯田の3・4番の破壊力は中京大中京の上を行く。ここも投手陣の踏ん張り次第で3年ぶりの夏が見えてくる。秋から春にかけて結果を残せなかった愛工大名電であるが、エースの浜田が県下No1の安定感を誇る。中京、東邦に比べて打線の破壊力が今一つと言われているが、伝統の足を絡めての攻撃がはまるようだと一気の浮上もありうる。春は決勝で壮絶な打ち合いの末中京大中京の軍門に下った愛知啓成だが、潜在能力は高く夏の逆転を狙っている。数はいるもののどの投手もしっかり抑えるには至っていない投手陣をどう仕上げるか。秋準優勝の享栄も、今年は久しぶりの甲子園が視界に入る位置につけている。捕手・神島の力量は県下NO1.投手陣をしっかり引っ張っていければ、というところか。伝統校の愛知、大府に豊田西の浮上もありうる”絶対本命なき”大会だ。


【岐阜】(参加67校)
大垣日大有利も、東海大会制覇の大垣商の力も侮れない。

◎ 大垣日大
〇 大垣商
△ 県岐阜商 土岐商
▲ 岐阜第一

エース葛西-捕手時本の黄金バッテリーを軸に全国制覇を狙う大垣日大が一番手。春の選抜では調整の失敗から葛西が東海大相模にめった打ちに合って散ったが、夏は同じ轍は踏まないという意欲がみなぎっている。問題は葛西を助ける2番手以降の投手陣か。沼田、柳川ら頭数はそろってきたが、まだまだ試合を任せるほどではない。ここに太い柱ができれば、甲子園行きは盤石になる。打線は全国で戦えることを念頭に鍛えてきた打線で、ベテラン阪口監督も自信を持つ。老将最後の野望に向かって大垣日大は絶対にここではつまずけない。その絶対王者を追うのは、春の東海大会でその大垣日大を破った大垣商。しかし左腕のエース・森川の鋭いスライダーは夏を戦ううえでは大きな武器となる。打線は爆発力には欠けるものの、得点力は高く、特に点の取り方、逃げ込み方を知っているのが強みのチームだ。直接対決で大垣日大を倒す気合いは満々だ。名門の県岐阜商は、一昨年の全国ベスト4.昨年は実績を残せなかったが、今年は覇権争いに加わりそう。軸になる選手はいないが、攻守の水準は相変わらず高い。昨年代表の土岐商は矢田、西尾の投の2枚看板で連覇を狙う。戦い方がはまった時は無類の強さを見せるチームだけに、上位陣にとっては息の抜けない相手だ。好選手が揃う岐阜第一、実績を残してきた岐阜工らが後続につけ、一発逆転を狙う。

 

【三重】(参加65校)
連続の夏狙える、いなべ総合。三重、菰野と過去3年間の覇者が今年も。

◎ いなべ総合
〇 菰野
△ 三重
▲ 海星 松坂 皇学館 

名将・尾崎監督に率いられ昨年”悲願の夏制覇”を果たしたいなべ総合を、連続の代表1番手に推す。甲子園を経験し実績を積んだエースの岡部は野球小僧の代名詞である【エースで4番】のポジションで甲子園を狙う。ピッチングはやや不安定さをぬぐえない面もあるが、バッティングはピカイチ。ガッチリと軸になって連続出場を狙っている。そうはさせじと牙を研ぐのが、3年前の初出場校である菰野。今年前半戦大ブレークした先輩の西(オリックス)以来の夏制覇を狙う。春は投げなかったエース・方田の出来がチームの命運を握っているが、今までのチームに比べて打線の破壊力も増し、今年は『狙っている』という監督の言葉にも十分にうなづけるものがある。昨年春、一昨年夏と連続出場をした三重は、穴のないチーム作りに成功している。反面爆発力には欠けるが、安定した戦いができるという面で取りこぼさず上位まで進出できる感じのするチームである。あとは並に乗ったチームとの対戦になった時、力で押し切られそうになるのを踏みとどまれる気持ちがあれば・・・・といったところ。春4強入りの皇学館は、とにかく打ち勝つチーム。豪快な本塁打攻勢は一見の価値があるが、乱戦に持ち込まないと上位チームには分が悪い。名門の海星の名前を聞かなくなって久しい。今年は復活を遂げ、甲子園におなじみのユニフォームが躍動するか。

 

【新潟】(参加92校)
圧倒的な力を誇る日本文理。連覇狙う新潟明訓がどう食い下がる?!

◎ 日本文理
〇 新潟明訓
△ 中越
▲ 北越 佐渡 十日町

長く県の高校野球を引っ張り、両校が競い合うことで県のレベルアップを図ってきた、日本文理と新潟明訓の両校。両校のライバル関係は、今年も続いている。一昨年日本文理が新潟県勢として初の全国準優勝に輝けば、昨年は新潟明訓がベスト8に進出。競い合う両校の戦力は間違いなく全国レベルだ。今年を見てみると、秋、春ともに県大会を日本文理が制し、春の選抜でも1勝を挙げた。現時点ではややリードということが言えるが、新潟明訓も昨年のメンバーを残しており、予断は許さない。日本文理は、波多野、田村の2本柱が競い合いながら実力をアップさせており、屈指の投手陣を作り出している。打線はクリーンアップの湯本、高橋、南場の破壊力が中心。いい感じに仕上がっており、優勝候補の座はまず譲ることはない。対する新潟明訓は、昨年同様ロースコアのゲームで力を発揮するチームカラーだ。今年は長身エースの竹石が中心。しっかりと投げることができれば、ライバルともいい試合ができることは間違いない。夏の選手権に限って言えばこの2強以外に追っていくチームは見当たらないが、春結果を残した北越、中越あたりは一発逆転を狙う。春準優勝して北信越大会に進出した北越は、ここで貴重な経験をしてチーム力の底上げに成功。2強に対抗する戦力が整ってきたと指導陣が胸を張る。事実投手陣の厚みは2強に引けを取らない。中越は、エース小林の覚醒にすべてをかける。もともと2強に対抗するための秘密兵器だったが、ようやく本格化の兆しが見えてきた。後はバックアップする打線の強化が必要。選抜21世紀枠の佐渡は、夏を狙うには迫力不足。しかし選抜で智弁和歌山に真っ向から勝負を挑んだ気持ちの強さは、夏対戦するチームにはいやなもいのだろう。一発が期待できるチームだ。

【長野】(参加94校)
逃し続ける聖地へのキップ。今年こその気持ちが強い佐久長聖。

◎ 佐久長聖
〇 松商学園 長野日大
△ 東京都市大塩尻 松本第一
▲ 丸子修学館 

秋・春の北信越大会4強の常連である佐久長聖。何度も甲子園をつかみかけながら、最後の一押しがなく逃し続けた歴史に、久しぶりに終止符が打たれるかもしれない。今年のチームは、例年心配の種だった投手陣に複数の好投手を擁して、サプライズを起こさせないチームに変身ができている。これだけ実績を残しているのに、甲子園は2002年の夏から遠ざかっている原因は、大事なところで踏ん張りきれない投手力の一点に集約されていると見える。この呪縛を解いて何とか9年ぶりの晴れ舞台へ。もともと打撃陣には例年好選手を配しているチーム。投手陣の踏ん張りに期待だ。しかしこの佐久長聖とて大本命ではない。追っていくチームには例年通りチャンスが転がっている。そのチャンスを虎視眈々と狙う1番手は、やはり名門の松商学園か。今年は春の時点ではチームが出来上がっていなかったが、夏はしっかり仕上げてくる。昨年の夏決勝でまさかの敗退を喫したくやしさをばねに、3年ぶりの夏を狙う。このところ急上昇を続ける長野日大も、中原監督がしっかりとしたチーム作りをしている印象だ。左腕2枚の投手陣がそこそこ抑えることができれば、やはり夏は覇権争いに加わってくることは間違いなさそうだ。そのほかでは旧武蔵工大第二時代からの悲願達成に燃えるのが東京都市大塩尻。初出場の続く”長野の熱い夏”に、今年も初出場校の名を刻むことができるか。

 

【富山】(参加49校)

名門復活への息吹。富山商が7年ぶりの夏へスパークする。

◎ 富山商
〇 高岡商
△ 富山国際大付属 富山第一
▲ 砺波工

富山商が長く夏の覇権争いをリードしてきた頃から、近年やや地殻変動が起きて名門・富山商は6年間夏の甲子園をつかんでいない。その間は2強のもう一角の高岡商を中心とするものの、新興勢力の台頭が著しく群雄割拠の県大会が繰り広げられてきた。福岡、桜井、南砺福野、そして去年の砺波工と新顔の進出が激しく、2強時代は終焉したかに思われた。しかし、今年は2強が復活。覇権争いは久々に2強中心のものとなりそうだ。澤田監督辞任の後に監督就任した前崎監督が2年目の夏を迎え、富山商としては結果の欲しい夏。秋、春と実績はないがチーム力としては完全に夏の筆頭候補に躍り出た。だが、”最大のライバル”の復活を指をくわえてみているほど、高岡商も甘くはない。春は県大会で準優勝と実績が出たことで、監督、選手ともに一皮むけた感じがある。ライバルとの対戦まで、一歩も引かずに勝ち進む”予定”だ。さて、昨年までにあらわれた強豪たちに、今年は富山国際大付属が加わりそうな気配だ。もうそろそろ全国の舞台を踏んでもいいチームだ。エース後藤の安定感は、夏を戦いためには頼もしい。富山第一、滑川、桜井といった県の強豪たちとともに、連覇を狙う砺波工も参戦。また熱い夏が繰り広げられそうな激戦地だ。

 

【石川】(参加50校)

全国屈指の激戦区。金沢・釜田に挑む総合力の遊学館、力の星稜。

◎ 遊学館
〇 金沢
△ 星稜
▲ 小松商

3強で決まりの情勢だ。しかしその3強を比較した場合、どこと言えないほどその戦力は接近している。そして、レベルは高い。昨秋の北信越大会で優勝しセンバツをもぎ取った金沢は、その選抜で150キロを投げ観客の度肝を抜いたエース釜田が軸。春を越して、釜田はかなりボールのキレ、スタミナともにグレードアップ。最後の夏に向けて準備は万端といえる。その釜田に土をつけ、その勢いそのままに春の北信越大会も制した遊学館は、昨年の夏の覇者。昨夏はエース土倉をはじめほとんど2年生という若い布陣ながら2回戦に進出。ポテンシャルを印象付けた。そのプラチナ世代が最上級生になったこの夏、いくらライバルに150キロエースがいるとはいえ、覇権を譲る気はさらさらないであろう。上位から下位までよく振れている打線は全国屈指の迫力を持ち、山本監督が見据えるのは、真紅の大旗しかない。この2強に鋭く割り込もうとしているのが、林新監督率いる星稜だ。ここのところ何年も金沢、遊学館の後塵を拝している印象が強い星稜に、ファンの歯ぎしりは止まらない状況。強い星稜の復活の切り札として迎えられた林監督は、かなりこのチームに自信を持っているようで、2強から3強へと進化する自信は十分と見える。3強の力が突出しているため、たぶん今年は他のチームに出番はやってこないのではとみるが、小松商のエース・今枝の投球には注目が集まる。186センチの長身から、球持ちがよく見極めづらい球を投げ込む本格派だ。3強にとっては、大会前半での対戦は避けたいところだ。

 

【福井】(参加30校)

今年も少数精鋭の中、福井工大福井の力が抜ける。追っていく敦賀気比と、監督交代後初の夏になる福井商に注目。

◎ 福井工大福井
〇 敦賀気比
△ 福井商
▲ 丹生

福井商の名将・北野監督がついにこの3月で勇退した。福井高校野球史に燦然と輝くこの監督の後釜には、32歳の米丸監督が就任。夏にはめっぽう強かった北野イズムを継承できるのか、そこが今夏の福井大会の焦点だ。昨年の甲子園メンバーが4人残るものの、どうしても2強に見劣りする戦力での戦いとなるが、北野前監督は戦力の劣勢をことごとく覆す戦いを見せてきた。今年の戦いぶりが、今後10年の福井県内の勢力図を決めるとみるが、どうであろうか。今年の本命は、何と言っても福井工大福井。大須賀監督に率いられいつもスケールの大きなチームを作る福井工大福井だが、夏の予選を勝ち抜けるのは至難の業。平成に入ってからもまだ3回しか出場はない。今年のチームは、細川・上田の中軸に一発が期待できる打線が売り物。層の薄い投手陣が泣き所だが、全国で勝てるチーム作りを目指す大須賀監督のおめがねにかなったチームだ。敦賀気比は2年ぶりの出場を狙う。伝統的に左腕の好投手が出てくるチームだが、今年のエース山本も左腕の好投手。上背はないが三振を取りに行ける投手で、泣き所は暑い夏での連投が心配な点か。打線はそこそこ打てる選手が揃うが、スケールで福井工大福井に、いやらしさで福井商にやや劣っており、このあたりの底上げが夏までの課題だろう。今年の福井大会では、もう一つ注目されることがある。丹生のエース・田中だ。プロのスカウトがよだれをたらさんばかりに群がるこの左腕、出場校が少なくさほど長丁場にはならない福井の夏だけに、ひょっとすると・・・・・の期待を抱かせてくれる。いずれにしても、甲子園で見てみたい投手であることは間違いない。


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