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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第93回全国高校野球選手権大会 予選展望≪関東≫

2011年06月24日 | 高校野球

第93回全国高校野球選手権大会 予選展望2


【茨城】(参加102校)
群雄割拠の戦国大会。名将最後の夏に気合満点の常総学院も、絶対ではない。

◎ 常総学院 水城
〇 霞ヶ浦 水戸葵陵
△ 土浦湖北 藤代
▲ 下妻二 鉾田一 つくば秀英 水戸桜ノ牧

名将・木内監督が2度目の『引退の夏』を迎える、春の県大会を制し関東でも4強進出、もともと選手の素材はピカイチ・・・・・・常総学院を本命にあげる要素はいくらでもある。しかし、”絶対の本命”と言えないのが今年のチーム。どうも軸になる選手がはっきりしない印象で、おとなしいチームというここ数年の常総のチームカラーそのままのチームだ。それでも滝沢、斉藤、秋山らいつでも投げられる複数の投手を擁しているのは有利。本命とは言い切れないが、現時点で1番手であることは間違いない。追っていく一番手は、やはり選抜出場の水城か。エースの佐藤のほかに左腕の浅野の安定感が増し、小野瀬・萩谷の中軸につなぐ打線が強力にバックアップする。選手の能力では霞ケ浦も劣っていない。初めての夏をつかみ取るためには、ここ一番での”何か”をつかむ必要があるが、その”何か”を探す夏になる。探し当てられるか。水戸葵陵は春準優勝。エースにのし上がった2年生の長嶋は、関東大会で日大三の強力打線を4点に抑え、自信を深めた。ロースコアのゲームが得意の土浦湖北、藤代もエース鵜沢での守り勝ちを狙う。新旧入り乱れて、20チームほどに優勝のチャンスがあるとみられる、近年まれに見る”大戦国大会”になりそうなにおいがする茨城大会である。



【栃木】(参加63校)
本命なき混戦の大会。主役を張るのは、名門か新鋭か。

◎ 文星芸大付
〇 作新学院
△ 佐野日大
▲ 大田原 国学院栃木

毎度言われることだが、21世紀に入ってから栃木の高校野球界に元気がまるでなくなった。かつては”野球王国”と言われ関東のトップを常に走り続けていたのだが、近年では隣県である茨城、群馬に大きく水を空けられ、現在関東大会で県勢は19連敗中。そんな停滞する空気を打破する大型チームの出現を待ったが、今年も残念ながらそんなチームは現れることがなかった。夏の予選は、例年と同じく混戦模様。そんな中、やはり夏に強さを見せる文星芸大付を候補の筆頭にあげる。切れ目のない打線とエース針生は県内ではNO1.。順当にいけば、今年こそ5年ぶりの夏制覇が見えてくる。待ったをかけたいのは、2年連続を狙う佐野日大。去年は無印から一気の栄冠だったが、今年は戦前の評判はいい。もともと打線のいいチーム。夏の長丁場を乗り切る投手陣の軸が欲しい。作新学院はチーム改造中。頼りになる中軸の篠原が故障で離脱した影響で春は結果を残せなかったが、潜在能力は県内随一。激しいレギュラー争いで底上げを図っている。さて、52年ぶりに春の栄冠を勝ち取った大田原はどうなのか。潜在能力はどうしても他の私学チームに劣るため、総力を挙げて勝ちに行くという総合力のチーム。展開がはまれば上位には届くと思うが、甲子園にたどり着くまでには至らないのではないかと思われる。


【群馬】(参加68校)
前橋商の時代は続くか。1年生エースが踏ん張り切れるか。

◎ 前橋商
〇 前橋育英
△ 桐生第一
▲ 樹徳 高崎商 前橋工

上位陣の顔ぶれは例年そのまま。しかしその中で安定感を見せる前橋商が、今年も覇権争いの中心にいるのは間違いない。去年はエース野口に核弾頭の後藤と投打の太い軸を擁したチームだが、今年も森沢という軸が健在。エース不在が叫ばれていたチームに、この春”スーパールーキー”岩崎が入学。そのままエースの座を奪い取る勢いだ。岩崎はすでにかなり出来上がった投手で、夏の苦しい予選の中でも十分に力を発揮できる要素がある好投手だ。しかし夏の連戦を彼一人で乗り切るのは至難の業。本来のエースであった柳岡など3年生の投手陣が岩崎を支える展開になれば、連続出場への視界はぐっと開ける。追う一番手はセンバツ出場の前橋育英。選抜初戦の九州国際大付属戦で4本塁打をくらったところから、池田・高橋の両先発陣の時計は止まったままだ。リベンジをかける夏にするために両投手の復調は急務だが、第3の男・山谷の急成長が思わぬ嬉しい誤算として出てきたのはチームにとっての好材料。湿り気が取れない打線の復調とともに、上昇気流を描いて行きたい。3番手以降は、いずれも夏の戦い方を知ったチームが並ぶ。桐生第一は、現時点ではやや遅れを取るが、夏に仕上げるのが上手い福田監督のもと、虎視眈々と4年ぶりの夏を狙う。樹徳、高崎商、前橋工もそれぞれ決め手を持ちチーム力アップを図っている最中。順当にいくのか、それとも……。面白い夏になりそうだ。


【埼玉】(参加160校)
花咲徳栄の出来がいい。浦和学院・春日部共栄の両巨頭に、上尾がどう絡んでくるか。

◎ 花咲徳栄
〇 浦和学院
△ 春日部共栄 上尾
▲ 聖望学園 本庄一 

今年の埼玉の”ホット・トピックス”は、名門・上尾の復活だ。鷲宮を指揮した名将・高野監督が就任、すべてをチェンジさせて名門が復活の軌道に乗ってきた。24年ぶりに出場した春の関東大会で1勝。とてつもない大きな経験を胸に、平成初の甲子園出場を目指す。しかしそうはさせじと名門がずらりと並ぶ埼玉大会。本命には春の優勝校、花咲徳栄を上げる。昨年の充実した戦力のチームでもなしえなかった甲子園出場に、今年も好チームで挑んでくる。チームの看板は何と言っても打線。どこからでも長打の飛び出す破壊力満点の打線は、レギュラーに左が7人。浦和学院のエース佐藤攻略に自信を持っている。その浦和学院だが、選抜以降音沙汰がない状態が続いている。佐藤に続く投手の育成に腐心した春だったが、思い描いたような結果を残すことはできなかった。結局夏も”佐藤頼み”になることは間違いない。たぐいまれなセンスを誇るそのエース佐藤。選抜では、全国レベルを肌で感じ、成長への糧としているようだ。もともと打線はどんな投手が相手でもそこそこ打てる、得点力の高いチーム。夏の県予選の戦い方には自信を持っている森監督が、どうライバルたちを蹴落とす秘策を立てているのか、注目される。春日部共栄のユニフォームを甲子園で見なくなってからはや5年。そろそろ甲子園への”帰還”を果たしたいところだ。チームの軸はエース竹崎。しかし支える2番手以降の投手が育っていないのが現状。打線が支え続けるチームでもないので、苦しい戦いが続きそうだ。そのほかでは、過去2年の優勝校である聖望、本庄一が有力校にとっては怖い存在。各チームに好投手もそろっており、序盤から気の抜けない展開になりそうだ。


【千葉】(参加172校)
関東最大の激戦区。春の関東覇者・習志野が有利も、追ってくる各校も多士済々。

◎ 習志野
〇 木更津総合
△ 千葉経大付属 専大松戸
▲ 流通経済大柏 市立柏 千葉明徳 東海大浦安

今年の選手権予選で、全国屈指の激戦区となりそうな予感がする千葉大会である。春は県大会、関東大会ともに絶好調の習志野が制し、そのパワーを見せつけた。エース泉沢は球速よりも総合力で勝負するタイプで、負けにくい投手。リリーフ陣もそろってきて、投手陣に心配がなくなった。打線も上位下位むらなく打てる好打線で、関東大会でも強豪との対戦となった4試合すべてで爆発。今のところ全くスキのない戦いぶりを見せており、全国制覇まで視野に入れ始めた。対抗は秋優勝の木更津総合。もともと大型チームとの評判の高いチームだったが、春はやや慢心があったのか早い段階で敗退。夏に向けていろいろ試したかったことを試せなかったのは痛かった。しかし出直しを誓う夏、エース角張、4番郡を投打の軸に定め、一気の覇権奪回を狙っている。千葉経大付属も大型チーム。140キロ越えを果たしているエース藍野が覚醒すれば、覇権争いに絡むのは必至。そして今大会の注目株は、専大松戸の上沢だ。187センチの長身から140キロ台中盤の速球をビシビシ投げ込む本格派。名将・持丸監督がほれ込む逸材だ。控えに安定感抜群の林田も控えており、投手陣の力では県内屈指。あとは持丸監督がどう”夏の勝ち方”を選手に浸透させるかだろう。震災で影響を受けた東海大浦安は、東海大の懸命のバックアップですぐに通常練習ができるところまでこぎつけている。お世話になった人たちへの感謝を持って、快進撃を誓っている。


【神奈川】(参加186校)
春夏連覇狙う東海大相模に死角なし。好投手持つ慶応・桐蔭が鋭く追う。

◎ 東海大相模
〇 慶応 桐蔭学園
△ 横浜 桐光学園
▲ 横浜商大 横浜隼人 向上

昨夏準優勝、今春優勝。東海大相模にとって、甲子園での夢はまだまだ続いている。選抜から帰った後、すぐに県大会で敗退。そして推薦出場した関東大会でも敗退。心配された東海大相模であるが、その後の九州遠征など、全国の強豪との対戦で徐々に目覚めてきた感がある。門馬監督にとっては、昨年と同じ道程をたどっているとの認識があるはずだ。そして昨年の”成功体験”があるだけに、落ち着いてチームの強化に取り組んでいる。チームは打線が看板。渡辺から、臼田、田中、佐藤とつながる打線の破壊力は全国屈指なのは疑いようのないところ。心配された投手陣がコンディションをあげていけば、やはり激戦神奈川と言えども≪大本命≫であることには間違いない。追っていく一番手は、春優勝の慶応か。エース三宮、主砲谷田という太い軸により、安定した戦い方ができるのが強み。春は桐蔭、横浜と強豪に勝って自信を深めた。桐蔭も今年のチームの充実度は高い。内海・藤岡の投の2枚看板はそう簡単に崩されない。やや他の有力校に比べると淡白な打線が、夏までのどう底上げされてくるか。【神奈川の盟主】横浜は選抜以降エース格に柳が台頭。かなり戦える戦力になりつつある。近藤を中心とした打線が点から線になれば、名門の本来の力が発揮されるだろう。今年は全く実績を残せていない桐光学園だが、夏に向けてようやく戦力が整いつつある。もともと潜在能力が高い選手が集まっているため、ある日突然”凄いチーム”に変身するかもしれない。その他では、昨年からのエース服部にかける横浜商大がなかなかいい戦力。横浜隼人、そして春準Vの向上までが、聖地へのキップをゲットする候補として挙がる。


【山梨】(参加40校)

少数精鋭で競う夏。超高校級・高橋は最後で甲子園の土を踏むことができるのか。

◎ 東海大甲府
〇 甲府工
△ 日本航空
▲ 山梨学院大付属

関東では最小の参加40校の夏。しかし上位校の戦力は充実しており、大会は序盤から熱く燃え上がること必至だ。今大会の焦点は、何と言っても【超高校級】の冠を抱く東海大甲府・高橋の活躍だろう。マッハのスピードを持つバットスイング、水準以上の守備力など、いくつも見どころがあるが、各校の『高橋対策』はどんなものだろうかという興味もある。ギリギリのところになれば、やはり【敬遠】という選択肢を取るところも多いのだろうか。その包囲網をどう打ち破るか、久々の【超高校級打者】の出現は、観る者の楽しみを倍加させる。東海大甲府はチームとしては投手力にやや難があり、総合力が高いチームとは言えないため、打ち勝つという戦略一本にかけた大会となる。スキを狙うのが、関東大会準Vの甲府工。新任の石合監督のもと、しぶとさが浸透しているチームだ。エース三浦と高野は、甲府工のエースにふさわしい安定感のある投球を見せるため、東海大甲府にとってはかなり手こずることが想定される。甲府工は打線のつながりが関東大会並みに行くようだと、一気に本命候補に躍り出てくる。この2強の『決戦』が濃厚な大会だが、他校も黙ってみているわけではない。覇権奪回を狙っているのは、日本航空と山梨学院大付属の両強豪。ともに21世紀の山梨の野球を引っ張ってきたという自負があるため、負けられない気合いで戦いに臨む。日本航空には左腕・藤本、山梨学院大付属にも左腕・広瀬という好投手が控えており、2強の牙城を崩そうと狙っている。その他では、甲府城西、甲府一、市川らに好投手があり、打線の2強vs投手力の後続陣という面白い構図の県大会になりそうだ。


【東東京】(参加150校)

帝京のドクターK・伊藤が最後の夏に向かう。しかし包囲網はいつも以上に厳しい。

◎ 帝京
〇 修徳 関東一
△ 二松学舎 国士舘
▲ 東海大高輪台 足立学園 足立新田

帝京の名将・前田監督が最終兵器として自信満々に伊藤をデビューさせたのが2年前の夏。1年生の伊藤はその期待に応えて甲子園で145キロ越えという恐ろしいまでのポテンシャルを見せつけた。それから2年。しかし今のところ、伊藤の高校野球のピークは、その2年前の夏までさかのぼらなければならないほど・・・という状態が続いている。前田監督の『伊藤で全国制覇』の夢は、夢のまま終わるのか。それとも、伊藤の巻き返しがあるのか。今年の東東京大会の焦点は、この一点に絞られる。今年も春から初夏にかけ、伊藤の”いい話”は全く聞こえてこないこの東京の激戦区。ちょっと調子を落とせば、群がる蟻のように倒しにかかってくる恐ろしいライバルたちが群雄割拠。その1番手には、去年決勝で大逆転サヨナラ負けを喫した修徳があがる。何しろ彼らのモチベーションは、『あの悔しいサヨナラ負け』だ。これを払しょくするためには、とにかく今年は甲子園に行かなければならないという決意みたいなものを、強く感じるチームだ。昨年の三ツ俣のような大黒柱こそ不在だが、全員が高いレベルでまとまる”全員野球”で、”野球偏差値”は恐ろしく高いチームだ。その修徳を倒した勢いで昨年全国ベスト8まで突っ走った関東一も、もちろん候補の一角。今年は打線の力は昨年に譲るものの総合力は高く、一発勝負の夏に向けて力を蓄えている。『東京7不思議』に数えられる二松学舎の予選決勝での敗退の歴史。その歴史に、今年こそは終止符が打たれるかもしれない。もともと新チーム結成当初から【東京NO1】の称号を与えられていた無冠の雄。何か、今年はやりそうなオーラをたたえているが、果たしてどうか。そのほかでは、何と言っても”下町のダルビッシュ”こと吉本投手を擁する足立学園が注目。甲子園に行けるようなチームではないが、吉本だけで球場を満員にできるほど楽しみなチームだ。バットがよく振れてきた印象の国士舘は、近年”帝京キラー”として名をはせる。今年は早速2回戦で関東一との激突になるが、この勝者が大会のカギを握るといってもいいだろう。
順調にいくと5回戦で帝京vs足立学園、伊藤vs吉本という、全国注目の対戦があり、序盤戦から目の離せない戦いになりそうだ。



【西東京】(参加119校)

全国屈指の実力誇る日大三が圧倒的に有利も、追っていく各校の力も水準以上。

◎ 日大三
〇 佼成学園 日大鶴ヶ丘
△ 国学院久我山 八王子 早実
▲ 日大二 創価 東亜学園

日大三の力は、他を圧倒する。畔上、横尾を中心とする打線の力は、選抜を経てさらにアップ。高校生の水準をはるかに超える強力打線という印象だ。守りはまだ本当に頼れる投手が吉永しかいないという弱点を持つものの、大会前半では他の投手も十分に通用する力をつけており、どこを見ても死角はない感じだ。しかし追っていく各校に力があるというのが、今年の西東京大会の大きな特徴となっている。春準優勝の佼成学園は、37年ぶりの夏を狙い戦力を充実させてきた。サイドのエース・溝口は対日大三ということに限るならば、もっとも”通用しそうな”投手。ただ、組み合わせで別のブロックに入ったので、日大三と対戦するのであれば決勝になってしまう。疲れた状態での対戦となるので、このあたりがどう出るか。昨年日大三を破った日大鶴ヶ丘と代表になった早実は、震災の影響で春公式戦を経験できなかったのが何とも痛い。鶴ヶ丘・岡、早実・内田など素晴らしいプレーヤーがいるが、チームの仕上がり状態が全く分からないまま夏を迎えなければならない。その点選抜に出場した国学院久我山は、たくさんの公式戦をこなしてチームがだんだんと熟成されてきた。下級生中心の粗さが残るチームだが、反面波に乗った時は力を他校よりも発揮しそう。エース川口に注目だ。日大二、創価、東亜学園といった甲子園経験のあるいつもの有力チームに、今年悲願の初出場をかける八王子も候補の一角。都立勢も強い西大会では、昭和、日野、片倉らの活躍も期待されている。いずれにしても『日大三vs他の118校』という構図は変わらず、日大三が蹴散らすか、それとも倒れるか・・・・・・その一点が焦点となってこよう。


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