第91回全国高校野球選手権大会
【準々決勝 第1試合】
花巻東(岩手) 7-6 明豊(大分) (延長10回)
それにしても、
花巻東というこの類稀なる好チーム。
すばらしいの一言に尽きる。
【強い】
というだけでなく、
【すばらしい】
ということで考えれば、
これほどのチームは久しぶり。
ピンチでの笑顔。
チャンスでの集中力。
折れない心。
全員参加の全員野球。
全力プレー&全力疾走。
そして、
監督の落ち着きぶり。
すべてが素晴らしい。
感動を通り越して、
震えがきました。
1回戦もそうだったのですが、
このチームの真骨頂は、
【絶対的エース】の菊池雄星が変調をきたしてから現れます。
監督が何度も、
『菊池だけのチームではないんですよ』
といっていたそのままの全員野球で、
大ピンチをチャンスに変えるチーム、
それが『花巻東』だと思います。
今日の試合も快調に飛ばしていた菊池が、
1塁での接触プレーの影響&背筋痛で故障。
5回でマウンドを降りました。
そこから明豊の強力打線が、
ジワジワとプレッシャーをかけてきます。
そしてついに耐え切れなくなったリリーフの猿川が、
8回につかまり逆転。
しかも2点差。
残る攻撃は9回の1イニングだけ。
この段階では、
心が折れないほうがおかしい状況。
『やはり菊池がいないとだめか』
と誰もが思ってから、
脅威の反撃で同点に追いつきます。
そのときのベンチのムード。
素晴らしいの一言です。
全員の目がまだ諦めていないことを物語り、
爛々と輝いています。
泣いている選手がいないのは当然ながら、
誰一人祈っている選手もおらず、
全員が≪バッターに≫エールを送っています。
これは、
すぐにやろうといったって出来ないもの。
いつもこんなムードを醸し出すチームなんでしょう。
そのムードが、
今度はジワジワと明豊を追い詰めていきます。
追いついた後の9回、
一打サヨナラの大ピンチで投手への伝令役は、
菊池雄星。
TV画面に映し出される内野陣の円陣は、
『攻めて守れ』
の言葉通り、
最高のムードで受けに回ってはいませんでした。
勝つべくして勝った!
まさにこんな感じの花巻東でした。
さあ、
ケガ人続出の中、
準決勝は待ってくれない。
ボロボロになりながらも、
まだ花巻東に期待してしまうワタシがいます。
この類稀なる好チームを、
一日でも長く見ていたい。
そう思っています。
がんばれ、花巻東!