大相撲初場所。
14日目、まさかの豊昇龍の休場で、
優勝争いは3人に絞られました。
この日のハイライトは、
霧島と琴ノ若の一番。
琴ノ若はさすがに緊張したか、
2度突っかけて待った。
3度目に立つと、
今度は霧島が立ち会いに迷ったか、
やや中途半端に立ち上がり、
琴ノ若のいなしに抗しきれず土俵を割り、
あっけなく勝負は決まりました。
これで霧島の優勝と横綱昇進はかなり難しくなり迎えた千秋楽。
結び前で琴ノ若は翔猿と対戦。
そして結びでは、照ノ富士と霧島が対戦となりました。
琴ノ若はやや対戦成績で苦手とする翔猿に対し、
自信満々な相撲を取り一蹴。
この瞬間に霧島の優勝は消えて、
迎えた結び。
過去一度も霧島に負けたことのない照ノ富士は、
立ち会いからの鬼のような厳しい相撲で霧島を担ぎ上げ、
土俵の外に吹っ飛ばす完勝。
そしてこの結果、
照ノ富士と琴ノ若の優勝決定戦となりました。
新旧の実力者同士の対決。
館内は大いに盛り上がりましたね。
しかしこの勝負、
やっぱり照ノ富士の役者が一枚も二枚も上。
立ち会いからしっかり相手を見て体勢を作り上げた照ノ富士。
ここから全く逆転の余地もないような寄りで、
琴ノ若を寄せ付けずに勝利。
まさに横綱の矜持を満天下に見せつけて、
見事9度目の優勝を飾りました。
それにしても、
照ノ富士は見事としか言いようがなかったですね。
だんだんと場所が深まるにつれて調子を上げていって、
残り5日間はまったく隙なく、
全盛期と見紛うような力強い相撲を見せてくれました。
まさに「あっぱれ!」ですね。
横綱とは、
こうあるべきということ、
下の力士に対して、
勢いをしっかり受け止めた上、
「まだ顔じゃないんだよ」
ということを見せつける相撲っぷり。
いゃ〜痺れました。
昨年来休場が多かったのは確かだけど、
彼はいい横綱だね。
連続優勝で横綱昇進を狙った霧島も、
来場所大関になり、
さらに上を狙おうという琴ノ若も、
ものの見事に跳ね返されました。
「上に行きたかったら、俺を倒して行け!」
という無言の圧力、
見事だったなぁ。
これぞ横綱ですよ。
そして、一切小賢しい真似しないもん。
やっぱり横綱はこうでなきゃ。
あとはケガと上手く付き合ってもらって、
少しでも長く、
この全ての力士に対する大きな壁として、
立ちはだかってもらいたいですね。
決定戦で敗れた琴ノ若は、
程なく大関に昇進を果たしますが、
ここからがスタートだと思います。
彼の持っているポテンシャルからすると、
大関はまだ、通過すべき中間地点だと思います。
もっともっと強くなって、
大相撲の大看板になっていって欲しい力士ですね。
スケールの大きさは、
他の力士にはないものです。
期待も大きいですね。
しかし優勝決定戦で敗れた後のあの悔しそうな素振りは彼の気の強さを表していて、
その気持ちがある限りやってくれるでしょう。
気の早い話ですが、
今年の終わりまでには綱を巻いているぐらい、
どんどん駆け上がっていって欲しいですね。
霧島は今場所、
何か硬くなっていたのか、
はたまた調子が悪かったのか、
最後まで持ち前のキレのある相撲が見られませんでした。
それでも千秋楽まで優勝争いに加わっていたというのは力のある証拠。
来場所からは仕切り直しになりますが、
また横綱に向かって進撃していって欲しいですね。
あと、ケガには十分に気をつけて欲しいです。
そして今場所センセーションを巻き起こしたのは新入幕の大の里。
彼の相撲は、ホントスケールが大きい。
終盤の上位との対戦ではまだ「ケツの青い」ところを見せていましたが、
何場所か経験するうちに、
どんどん相撲も練れてくると思いますね。
先場所、先々場所は熱海富士が注目されましたが、
スケールの大きさでは大の里の方が上とも思えます。
お互いいいライバルとして、
切磋琢磨していって欲しいですね。
今場所復帰の伯桜鵬や尊富士らも加えて。
それにしても、
大相撲も新旧交代の大波が来ていて、
今年あたりガラッと面々が変わっていきそうですね。
大型で馬力のある学生相撲出身力士が、
一大勢力を作っていきそうな気配もあります。
そんな大相撲ですが、
連日お客さんはよく入りました。
外国人観光客の姿も、
たくさん見受けられましたね。
次の春場所。
さあ、
どんな展開が待っているのでしょうか。