ワールドカップ最終予選とは、
かくも厳しいものなのか。
98年にワールドカップ初出場を飾って以降、
サッカー日本代表はその力を飛躍的に伸ばして5大会連続出場を果たしています。
その間のワールドカップアジア予選。
02年の地元開催大会では予選を免除され、
06年、10年、14年大会の最終予選においては、
さほど苦労せずに勝ち上がっていったという感じすらある、
楽勝という印象が、
ワタシの中では色濃く残っています。
しかし本来、
予選とは本当に厳しいもの。
今のようにアジアから4枠、5枠が確保されていたわけではない90年代までの予選は、
本当に厳しいものだったという印象があります。
まだまだ実力的にアジアの中で優位でなかった90年代、
韓国という大きな壁のほかに、
サウジ、イランなどをはじめとする中東勢は、
日本にとって本当に強く感じていました。
わずか2枠しか確保されていなかった94年アメリカW杯最終予選。
あのドーハの悲劇の時も、
韓国をはじめとして、
中東勢のサウジ・イラン・イラクと本当に『叩かなければならなかった敵』は強豪ぞろいでした。
歓喜の初出場を決めた98年フランスW杯予選は、
94年とは違い3枠を確保していたからこそ、
あの『ジョホールバルの歓喜』が生まれたのです。
あの時の最終予選も、
韓国に国立で逆転負けを喫してからおかしくなり、
カザフスタン、ウズベキスタンのアウェー連戦で勝ちを奪えずに、
加茂監督が更迭されるというがけっぷちまで追い詰められたんですよね。
昨日の試合を見ながら、
あの98年フランスW杯最終予選を、
思い出していました。
『あ~今日引き分けで終わったら、あの時(98年)と同じだなあ。監督は更迭で、仕切りなおすしかないかな』
なんてテレビの前で思ったりしていましたね。
02年W杯で世界を相手に16強に進出したあたりから、
明らかにファンの代表に対する目線が上がって、
『ワールドカップに出るのは当たり前』
という空気が、
どのアジア予選でも感じられるようになっています。
それ自体はとりもなおさず日本代表の成長のあかしですから、
喜ばしいことです。
だけど、
00年代に感じた『日本がアジアの中では頭一つ抜け出しているな』という感じは、
最近数年は全くなくなりましたね。
ボーダレス化が進むサッカー界においては、
各国ともに選手が活躍の場を世界に求め、
多くはヨーロッパに旅立っています。
その選手たちに主導された各国の代表の底上げは、
アジアやアフリカで特に顕著で、
アジアの各国はもうかつて日本が完勝し続けた相手とは、
まったく違ってきています。
立ち位置こそ当時とは違いますが、
各国の実力が混とんとした状況は、
あの90年代のワールドカップアジア予選を思い起こさせますね。
それだけ、
各試合とも息の抜けない試合だと思います。
本田や香川がどんなにビッグクラブに所属していようとも、
それだけで相手がビビるという時代ではないですね、完全に。
昨日も素人目には、
本田の出来は『???』という感じでしたし、
明らかに清武は香川よりも優れていて、
日本代表にフィットしているように感じました。
ハリル監督には、
『名前では勝負できない』
ということを肝に銘じてもらって、
どんどんコンディションのいい、チーム戦術にフィットする選手を大胆に起用していってほしいと思います。
場合によっては、
チームの大半がJリーガーという試合があったって、
まったく構わないと思います。
勝つしかないんですから。
それにしても、
薄氷を踏む思いとはまさに昨日のことですね。
しかしそれだけに、
山口の劇的なゴールの瞬間は、
抑えていたものがすべて一気に爆発するという感じになりました。
『これこそがサッカーのだいご味だなあ』
なんていうことを、
改めて思い起こさせてくれるような、
日本代表の激勝でしたね。
勢いに乗って、
次の11日、オーストラリア戦も、
きっちり勝ちを取ってきてほしいと思います。
最初から《アウェーの戦い》と称しての引き分け狙いなんて、
だめですよ!!
長嶋監督ではないですが、
『勝つ、勝つ、勝~~~~~~つ!!!』
これ以外ありません。
全力で応援します。