昨年の甲子園を春夏連覇。
まさに高校野球の「絶対王者」として君臨する大阪桐蔭が、
大阪大会準々決勝、
金光大阪に対して延長14回、
タイブレークの死闘の末サヨナラで敗れました。
まさに死闘と言って良い、
ものすごい試合の末、
大阪桐蔭の連覇の夢が潰えました。
昨年の連覇のメンバーが残っていないとはいえ、
今年も質の高いメンバーを揃えた大阪桐蔭。
夏の強さということも考えれば、
やはり激戦の大阪でも優勝の有力な候補であったことは間違いありません。
この日は三年連続で激突する金光大阪が相手。
気合の入り方がハンパじゃありませんでしたから、
なんとなくその波に飲み込まれないようにしなければならないという緊張感が最初から漂う戦いとなりました。
やや押し気味に試合を進める大阪桐蔭は、
やはり見ている限り非常に質が高いチームで、
甲子園に出れば必ずや優勝候補の一角に推されるであろうチームだなという印象を持ちました。
この試合も1点リードで迎えた9回までは、
大阪桐蔭のゲームプラン通りの試合運びだった気がします。
そのまま1点差で逃げ切れば『やはり大阪桐蔭へ強い』となったことでしょう。
しかし3年越しの〝打倒大阪桐蔭〟への強い思いを持った金光大阪が最終回に執念で追いつき試合を振り出しに戻すと、
延長に突入した後は常にサヨナラの危険と背中合わせという厳しい戦いになってしまいました。
それでもエースの中田が踏ん張り延長はタイブレークへ。
迎えた13回は攻撃で点が入らず、
その裏の金光大阪はキッチリとバントを決めて一死二三塁のサヨナラのチャンス。
しかし中田と大阪桐蔭の鉄の守備陣はここでも踏ん張り点を与えませんでした。
さすがは大阪桐蔭。
そんな観客の声が聞こえてきた14回表の攻撃、
バントを失敗して一死一、二塁から、
西谷監督が取った作戦はエンドラン。
そして打者はここでこの作戦をキッチリ決めてライト前に勝ち越しのタイムリー。
見事な一打で勝ち越すと、
すかさずその後にスリーバントスクイズを決めて突き放すというまさに「王者の野球」を見せて2点のリードを奪いました。
昨年もなんども見せていた、
「試合が動かないのなら、自ら動いてこじ開けてみせる」
という西谷采配。
そしてすかさず放つスリーバントスクイズ。
見事としか言いようのない攻撃でしたね。
しかしそこで決まらなかったのが昨日の試合。
この試合にかける金光大阪の執念はすごく、
その裏の攻撃でその執念が炸裂しました。
無死一、二塁で始まるこの攻撃。
同点を狙ってのバントが常道の作戦ですが、
ここで金光大阪はまさに乾坤一擲のバスターを選択。
見事にバッターが期待に応えて打球はレフト前へ。
無死満塁となって、
試合の雰囲気を一気に変えることに成功しました。
大阪桐蔭としては、
バントをさせに行ってややスーッと入ってしまったのが痛かった。
そして次打者。
ここには9回に代走を送っていたために、
本来の四番ではない打者が入っていたのでここで代打を送ります。
しかしこの打席で何球か見ていると、
ちょっと打てそうな雰囲気が出ていませんでしたが、
大阪桐蔭のエース中田がここで痛恨の押し出し死球を出してしまいました。
なんとしてもこれが痛かった。
そしてそれを引きずってしまったか、
次打者にまさかの連続押し出しで同点。
そして最後は、
まさかまさかの満塁からのサヨナラスクイズ。
わずか1安打での3失点。
大阪桐蔭としてはあり得ないようなサヨナラ負けで、
連覇の夢が潰えてしまいました。
それにしてもレベルの高い戦いでした。
さすがは大阪桐蔭・・・
というところも何度も見せた戦いでしたが、
これが一発勝負の怖さというものでしょうね。
勝ち切った金光大阪、
往々にして「巨大な敵」を破った次の試合が、
トーナメントでは鬼門になってしまうこともありますから、
この日同様の気迫と集中力で、
悲願を掴み取ってほしいと思います。
甲子園で是非見たい好チームです。
さあ全国に目を移すと、
昨日も各地で、
「強豪敗れる!!」
のニュースが飛び交いました。
まずは秋の近畿王者、
そして選抜8強の龍谷大平安が、
準決勝で姿を消しました。
昨日は最初から最後まで、
何か平安らしからぬ試合っぷりで、
流れを掴み損ねてしまったようです。
大分でも、
大本命と見られていた選抜4強の明豊が敗れました。
選抜優勝の東邦のまさかの敗戦から始まり、
各地で全国トップクラスの力を持つと言われたチームの敗退が引きも切りません。
東邦、興南、大阪桐蔭、龍谷大平安、明豊、横浜、・・・。
甲子園でも優勝候補に必ず名を連ねるだろうという強力なチームの相次ぐ敗退は、
本当に夏の一発勝負の怖さを表していますね。
そういえばあの鍛治舎監督が率いる県岐阜商も敗れたらしいですね。
名門復活は来年以降にお預けとなりました。
ということで、
この週末であらかた決まる全国の代表校。
いよいよ激戦のフィナーレも、
近づいてきました。
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