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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

涙なき終焉、佐々木朗希。 横浜はまさかの大逆転で散る。

2019年07月26日 | 高校野球

昨日の高校野球地方大会。

注目された岩手県大会の決勝。
佐々木朗希が先発マウンドに上がることがなかった大船渡は、
初回から花巻東の攻撃を抑えることができず大敗。
久しぶりの甲子園出場は、
残念ながらなりませんでした。

監督が、チームが判断した戦い方に異論があろう訳はありませんが、
ひとつだけ言いたいなぁと思うのは、
佐々木クンは投げない時に野手として出場することはないのかな?
ということ。

あれだけ素晴らしいバッティングをしていてチームの得点源の四番なので、
投球ということと同時に、
攻撃でもその空いた穴がとても大きかったのではないかなぁとふと思いました。

まあでも、
それも含めてベンチの判断があった訳で、
そうなんだと思うしかないですね。

お疲れ様、大船渡の選手たち。
佐々木クンは、
これからが野球人としては本番を迎えるところですから、
頑張ってほしいと思います。

そして花巻東は、
今年こそ大目標である日本一に近づけるよう、
期待が大きいですね。


一方大波乱があったのは神奈川大会。
この日の準々決勝第1試合は、
春の関東大会優勝の東海大相模が貫禄の完勝。
準決勝進出を決めました。

そして迎えた第2試合。
横浜に挑んだのは「神奈川の名将」佐相監督率いる県相模原。人呼んで〝ケンソウ〟。

県立の進学校ながら、
佐相監督仕込みの強打は神奈川県内でもいつも話題をさらいます。

しかしそこは強豪が鈴なりにひしめき合う神奈川県大会。
いいところまでは行っても、
必ずどこかで分厚い壁に行く手を阻まれ続ける歴史を刻んでいます。

特に宮崎投手を擁してシード校として臨んだ四年前の夏は、
自信満々の戦力を有して「いよいよ初の甲子園か!」と意気込んでいましたが、
ノーシードの横浜に力の差を見せつけられての完敗を喫しました。

地元相模原球場に、
ケンソウが横浜を破ることを期待して満員に膨れ上がるほど駆けつけた観衆は、
逆に横浜を破るということがどんなに大変なことなのかということを、
骨の髄までわからされて帰途についたものです。

そんなこんなで迎えた今年の大会。
横浜は盤石の優勝候補。
一方のケンソウは全くのノーマークの存在という、
ある意味「戦う前からある程度結果が見えている」なんて囁かれるような戦いでしたが、
試合は全く予想外の展開を見せました。

盤石な三本柱の投手陣を持つ横浜がまず内海の一発で先制。
その後も安定感抜群の戦い方で7回表を終わって5-0のリード。
「ああ、エース及川は準決勝の東海大相模戦に向けて温存だな」
と思っているとそこからケンソウが大反撃を開始。
マウンドの松本から連打で得点を返すと、
そこで横浜は及川を投入。
しかしすでに点火済みのケンソウ打線、
止まることなく執念の同点打が飛び出してなんと追いつきました。

8回表横浜が
及川の長打から勝ち越して、
「やっぱり強い」と思わせたのもつかの間、
その裏ケンソウは再度打線が点火して及川を追い込み3点を挙げ、
この試合初めてリードを奪いました。

しかし神奈川大会ではここからが強い横浜。
最終回、
ケンソウは勝利を意識して硬くなったか無死1.2塁のピンチを背負いました。

夏の神奈川大会で、
これまで何度も「終盤の粘り」で試合をひっくり返してきた歴史を持つ横浜の真価がまたも発揮されるかと思いきや。。。

続く3人は、
続けて飛距離のないフライを打ち上げ、
まさかまさかの、
ケンソウの大アップセットが現実のものとなりました。

とにかくこの試合は、
ケンソウの見事な逆転勝ちというほかないです。

佐相マジックというべきか、
やはり打線の強化は見事で、
夏に花を咲かせてくれましたね。

しかし次に待ち受けるのは、
全国屈指の強豪である東海大相模。

次から次に、
まったくもう。。。。。

そんな嘆きも聞こえてきそうな「相模原対決」ですが、
注目度はMAXまで上がっていきそうですね。


一方の横浜。

正直にいうと渡辺-小倉コンビで無双状態だった90年代終盤~に比べて、
選手の質は上がりこそすれ決して下がってはいないと思います。

今年だって、
ドラ1候補と言われる及川に、
2年生の木下、松本の剛腕。
打線でも内海に渡会と、
超高校級のメンツが揃っています。

しかし。。。。

明らかに「あの時代」に比べて、
野球の質が変わってきているように思います。

どこが変わったのか?

はっきりとはわかりませんが、
「細かい野球をきっちりできる」小倉イズムと、
「背中から湧きたつような勝負への執念」という渡辺イズム。

このあたりが今とはだいぶ違うのでは。。。
そんな感じがしないでもありません。

この日の最終回の攻撃。
2点を追いかけて無死1・2塁。

神奈川で高校野球を見続けているファンのほとんどは、
「ああ、これは横浜が逆転するパターンだな」
と思ったのではないでしょうか。

ここ一番の粘りと集中力。
そしてそれを集約して最後の最後に出せる技術力。
それを今まで何度、
見せつけられてきたことでしょうか。

低く早いゴロ、あるいはライナーで、
しぶとくしぶとく得点を重ねていく、
相手はこの状況で横浜からアウト一つとるのが、
どれほど大変に思ってきたことか。。。。。

そんなイメージが、
ワタシの中にも沁みついています。


しかし今の横浜のチームカラー。
昨今の”野球”というものの考え方の変化もあるでしょうが、
この状況で「満振り」で3つフライを上げてしまったということに、
なんだか横浜野球の変化を感じ取ってしまったシーンでした。

もちろんこの場面、
フライと長打は本当に紙一重だったと思いますし、
「あと数センチずれていたら」
とはワタシも思います。

しかし「惜しかった」とも思わないんですよね。

そこで見事なつなぎの攻撃を見せるのが、
「強かった時代の横浜野球」
って感じがしないでもないです。

そこらへんが、
同じぐらいの素質を持った選手たちでチームが構成されていながら、
大きく戦績が違ってしまっている大阪桐蔭との最近の差なんではないか、と思います。
甲子園の戦いで追いつめられた時の大阪桐蔭の「粘っこさ」「勝利に対する執念」みたいなものはすごくて、
それゆえあれだけ勝てるのだと思いますね。

80年代のPLもそうでしたし、
90年代からの横浜も、
確かにそういうチームでした。

そのあたりを失ってしまったことが、
横浜が最近今一つ甲子園でその存在感を発揮できていないことと、
リンクしているのかなあ・・・・・と思いますね。

そしてこの負けが、
今後の神奈川県の大会での各校の戦い方に、
変化をもたらす端緒になるかもしれません。

全国では思うように勝てなかったものの、
神奈川県内の大会、特に夏の選手権神奈川大会では、
圧倒的な強さを見せつけてきた近年の平田・横浜。

各校は横浜に対して、
戦わずして「引いていた」ような感じでしたが、
マインド的に対等な戦いができるようになれば、
大きな変化を巻き起こすかもしれません。
今後の神奈川県大会には、
注目ですね。


そして東東京大会では、
都立小山台が決勝に進出。

小山台の野球部がどういうチームなのかは、
選抜に21世紀枠で出場した時さんざん披露されましたから、
覚えているファンも多いと思います。

都内屈指の進学校にして、
考える野球で台頭してきた小山台。

今年の夏は第1シードで登場、
予想通りと言おうか予想を覆してと言おうか、
とにかく春からのいい流れそのままに、
ここまで勝ち上がってきました。

昨年に続いて2年連続の決勝進出は、
公立の普通校としては本当に快挙中の快挙。
まさに今の「都立の星」は、
この小山台を置いて他にはありません。

決勝は「東東京の王者」に君臨し続けている関東一。

この関東一も、
今年の3年生は過去2年、
ライバルの二松学舎に敗れて甲子園の土を踏んでいません。

3年ぶりにして彼らにとって初めての甲子園に向けて、
気合は十分です。

何か面白い決勝戦になりそうです。

連日高校野球の話題ばかりが席巻するこのブログ。
やっぱり高校野球の熱戦が続くと、
平静ではいられません。


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