昨日のプロ野球。
パ・リーグの2試合を見ていて、
ふと思いました。
3番に座ってタイムリーを放った大谷。
そして6番に座って、
2本塁打を含む3安打、4打点の大活躍だった森。
2人はもうすっかり『チームの顔』としての地位を与えられて大活躍ですが、
考えてみれば20歳と19歳。
これって、
本当にすごいことですよね。
ずっと長いこと野球を見てきて、
最近は本当にブレークするのが早い『超』のつくプレーヤーが多いなあと感じます。
よく大ベテランのプロ野球OBやファンの中が、
『最近は個性的なプレーヤーが減って・・・・・』
と嘆いているのを耳にすることがあるのですが、
ワタシは全くそうは思いません。
若い人たちにはまだ理解できないと思うのですが、
やっぱり年を取ってくると、
ず~っと自分より年が下のプレーヤーばかりになって、
そのことで実際のプレーとは別にして、
各選手に対しての『あこがれ』とか『ワクワク感』とかがなくなっていくんですよね。
彼らをどうしてももろ手を挙げてリスペクト出来にくいという状況とか心情、
出てきてしまうものなんじゃないかと思っています。
そこで出てきてしまうのが、
『俺らの時はもっとすごいプレーヤーがいて・・・・・』
というもの。
しかし、
時代は変わろうとも【野球】という同じ土俵の上で戦うプレーヤー。
昔も今も、変わろうはずがありません。
ましてやプレーする環境や技術の習得方法、
トレーニングの方法や体のケアに至るまで、
ずっと時代に沿って進化してきているわけですから、
昔よりも凄いプレーヤーが出てきても何らおかしくないわけです。
【伝説】は、
語り継ぐからいいのであって、
現在との比較は、
全く意味を持たないものだと思います、ワタシは。
そういう観点から見てみると、
最近の『高校出の新人バッターの早くからのブレーク』は驚異的だと思いますね。
昭和49年から高校野球で金属バットが取り入れられ、
順次アマチュア野球の世界は金属バットの時代を迎えました。
そこから新世紀を迎えるまでの25年間ぐらい。
『アマチュアが金属バットを使っていることの弊害がプロに入ってから出てくる』
ということがさんざん言われて、
『だから、アマで凄い成績を残しても、プロじゃあ通用するかわからんよ。特に高校野球卒はね。』
なんて言われてきました。
特に高校卒の新人については、
高校野球とプロ野球のレベルの違いがあまりにも大きいため、
『4,5年ぐらいした(2軍)で鍛えて・・・・』
というのが主流。
その頃プロ野球の盟主の座を争っていた巨人でも西武でも、
『高校卒の野手が早くから活躍した』
というのはほとんど見かけませんでした。
投手はまた別もので、
2,3年ぐらいの選手がたくさん活躍して、
生きのいい投球を見せていましたがね。
西武で言えば、
本当に高校卒で活躍したのは清原ぐらい。
『50年にひとりの選手』
と言われていた彼は、
確かに1年目からバンバン活躍していました。
1年目で30本塁打なんて、
出来るこっちゃありません。
その後は、
イチローが3年目での200本安打の大ブレーク。
巨人・松井秀喜が初年度から長嶋監督に鍛えられ、
凄い成績を残しました。
いずれの選手も、
球史に名を残すと言おうか、
プロ野球史でも10本の指に入るぐらいの大打者です。
しかしそういったきわめてレアなケースを除くと、
『高卒の野手は育つのに時間がかかる』
のは、言ってみればお約束。
ドラフトで高卒の凄い野手を指名しても、
『まあ、3年後から5年後を楽しみにしているよ』
なんてコメントが、
ファンからも出てくるのが定番となっています。
『プロになじむのに1年、金属バットから木のバットに完全に移行できるまで3年』
ぐらいの感覚ですかね。
最近で言っても、
巨人で注目されている大田選手は既に7年目。
まだまだブレイクしませんものねえ。
日ハム・中田も8年目ですか。
あれほどの大器でも、
最初の5年間ぐらいは、悩み苦しみました。
彼らのような歩みが、
高卒野手のスタンダードな歩みかもしれませんね。
しかし。。。。
大谷は1年目から二刀流を宣言し、
昨年はクリーンアップに座って快打を連発。
苦も無くプロの投手の球を打ち返す姿に、
驚愕しました。
と思っていたら、
西武・森はさらにインパクトがありました。
ルーキーイヤーから試合に出始めて、
打つは打つは。
今年2年目は、
田辺監督は『捕手としての育成よりも、即戦力として彼の打撃を生かす』ことを決断したようで、
開幕からずっと6番DHに座り続けて、
昨日は2HRと素晴らしい活躍を見せました。
彼らに共通しているのは、
『臆することのない強いマインドと、確かな技術力を持っている』
ということに尽きるのではないでしょうか。
テニスの錦織、ゴルフの松山ら、
とにかくいま世界に向かってブレークしている『超絶』なスーパーアスリートたちと、
同じにおいを感じることができますね。
彼ら『ゆとり世代』と言われる年代は、
何かと世間からネガティブにとらえられることも多いですが、
とにかく『ものすごい才能』を持った人にとっては、
『実にすばらしい教育制度』だったのではないかと、
感じてしまうワタシです。
大谷や森の打席を見ていると、
毎打席『ドキドキ』『ワクワク』が止まらず、
本当に野球を見るのが楽しいと思ってしまいます。
『規格外』であり、
『今まで我々が見たこともない景色』を見せてくれる彼らを、
目を丸くしながら見つめています。
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