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第97回全国高校野球選手権大会  大会展望

2015年08月02日 | 高校野球

≪第97回全国高校野球選手権大会≫

【大会総展望】


大本命いない代わりに、有力校わんさかの大戦国大会!

春夏連覇狙う敦賀気比に東海大相模、仙台育英が3強を形成か?!


大波乱と言ってもいい、地方大会だった。
高校野球が100年を迎える特別な大会に、『どうしても甲子園の土を踏みたい』という思いが各地で炸裂。
”絶対”と言われた有力校も、その波にのまれてしまい、いつもの夏よりもさらに『波乱』が演出されていった。

”絶対王者”の大阪桐蔭がまさかの敗退を喫したのをはじめ、渡辺監督最後の夏にかけた横浜も甲子園切符はつかめず。
県内で絶対の強さを誇った八戸学院光星は三沢商の勢いに押され、【高校球界屈指】と言われた高橋を擁する県岐阜商も、その高橋の故障で無念の最期。そして【関東無敵】の浦和学院も、まさかの無名の県立校に敗れるという大波乱。。。。
とにかく枚挙にいとまがない【アップセット】が各地で起こり、熱い夏の戦いを印象付けてくれた。

そんな中、代表49校には最大限の敬意を払いたい。とにかく激戦の地方大会を勝ち抜いてきた精鋭たち。どのチームにもドラマがあり、実力も十分だ。甲子園でも、どこが勝ちあがってきても全く不思議ではない実力者ぞろいで、かつては毎年『地域差』があると言われつづけた甲子園大会は、まったく変容したといってもいいだろう。49代表校すべてが優勝候補という図式は、今年の大会はますます顕著になってきており、大混戦の大会を演出してくれそうだ。


しかしあえて有力校を探すとなると、難しいところ。ざっと挙げただけでも15校近くが『有力』と思われ、
組み合わせによって全く大会の流れは変わってしまうことが予想されている大会だ。
地方大会の戦いぶりや戦力を比較すると、とりあえず『最有力』には選抜優勝の敦賀気比、150キロを投じる左右の2本柱を擁する東海大相模、そして初めて真紅の大旗の白河の関越えを狙う仙台育英の3校が、充実の夏を迎えているようだ。

敦賀気比は、何と言っても選抜優勝で『ディフェンディング・チャンピオン』として臨む夏に気合十分。安定感抜群のエース平沼がガッチリとマウンドを守り、それを支える打線の破壊力は大会屈指の威力を持つ。守備もしっかりと守りきることが出来るチーム。接戦にも動じない高い意識を各選手が持っており、今のところ死角は見当たらない。しかしその戦力が、過去の夏優勝校と比較して絶対かというと、決してそうではない。センバツで見せたような、チャレンジャー精神で”攻める”という意識を持ち続けられるのかが夏も上位に進出するための大きなファクターになりそうだ。『実力校同士のガチンコ勝負』になった時勝ちきることが出来れば、春夏連覇も夢ではない位置にいることは確かだ。

一方戦力的には”候補筆頭”に上がった昨年を上回るとされるのが激戦神奈川を勝ち抜いた東海大相模。エース小笠原と、昨夏大きな話題になった吉田凌の投の2本柱は他校がうらやむ布陣。神奈川大会では『ローテーション』を組んで1試合ごとに”先発に任せきる”という戦術で臨んだが、先の対戦相手が見えない甲子園の戦いにおいて、門馬監督がこの2枚看板をどのように使っていくのかということに注目が集まる。両投手とも、どんな強打線相手でもまず3点以上与えるということはイメージできないため、ゲームを支配するという面からは、打線がいかに早めに得点を重ねていけるかということがカギ。その打線は2011年の選抜優勝時の打線に匹敵するほどの破壊力を秘める。そのポテンシャルはなかなか発揮することが出来なかったが、この夏を迎えて一気にギアをトップに持ってきたような成長ぶりを見せた。小技、足攻も冴える打線のため、相手にとってはかなり厄介だ。心配があるとすれば、精度の高い技巧派投手にはまった時どう打開するかに尽きる。今年のチームは、昨秋の平塚学園・高田、今春の浦和学院・江口、練習試合での大阪桐蔭・田中、今夏も平塚学園・高田に終盤まで抑え込まれた。この試合展開になった時に顔を出す『相模の負けパターン』を払しょくすることが出来れば、行く手を阻むものはないと見た。堂々の”2年連続の優勝候補筆頭”とみてもいいだろう。レギュラーメンバー全員を3年生で固めた今年の東海大相模。この大会にかけている。

仙台育英は昨秋の明治神宮大会を圧倒的なパワーで制し、センバツでは”候補筆頭”に推されたが、『倒さなければならない敵』敦賀気比の平沼に抑え込まれて一敗地にまみれた。その悔しさがあるから、センバツ以降やや調子を落としていたチームが夏に完全復活を遂げた。打線の破壊力は言うまでもない。佐藤、平沢、郡司と並ぶ打線は相手チームにとっては脅威。若干の心配は『絶対的エース』であったはずの佐藤世の調子であったが、決勝での好投により状態は上向いているとみていいであろう。逆に2番手であった百目木などの投手陣に完全にめどが立ったことはチームにとっては大きく、優勝を狙える戦力が整ったとみている。『東北勢初優勝をわが手に』の思いは強く、かつて2度にわたりつかみかけた大旗のみに照準を絞る。


対抗馬はまさに群雄割拠。一芸に秀でた好チームが上位を狙う。

一応3強が形成されているが、追ってくる各校との差はわずか。そんな中、東海最強の名をほしいままにする静岡が注目されている。エース村木はセンバツ時からさらに成長。涼しい顔で県大会を駆け抜けた。パワー満点の打線はどんな投手からも5点は上げられると豪語。ジンクスを吹き飛ばしてあっさり夏を獲ったこの静岡が、名門復活の全国制覇まで駆け上がれるか。九州では興南の評判がいい。”琉球トルネード”と言われるエース比屋根は、並み居る強豪を抑えて自信を深めた。打線も相変わらずキレがあってチャンスに畳み掛ける鋭い攻撃が得意。我喜屋監督をして『2010年の(春夏連覇の)チームに匹敵する』と言い切る戦力で、興南旋風の再来を狙う。

”高校野球100年”の節目の年に、東北勢は初めての大旗を・・・・との気合いが凄い。そしてそれを狙えるだけの好チームが揃っている。近年甲子園で旋風を巻き起こしている東北勢の中で、戦後最長となる9年連続の甲子園をつかみ取った聖光学院がなかなかのチームを作ってきた。昨夏は『期待されていない戦力』と言いながらしっかりとした守りの野球で8強に進出。斎藤監督はこの昨年の活躍でかなり自信を深めたようで、戦力的に上回る今年のチームで『昨年以上』を狙っている。森久保、今泉という昨年から投げ続ける投手陣がしっかりと相手を抑え、破壊力を秘める打線で突き放す野球は健在。ともすれば有力校に『力負け』『名前負け』して甲子園を去るケースが多かったチームが、一つの殻を破って臨む今大会。注目度は増している。そして地元にこだわるチーム作りを標榜しながら毎年ドラフトにかかる有力選手を輩出する好チーム、花巻東は、一昨年4強に進出。エース高橋は決勝では打たれたものの、安定したピッチングで試合を作る左腕。花巻東のチームとしての真骨頂は、この”絶対エース”が打たれた決勝での戦いに現れている。
何度も突き放されながらしぶとく追いつき、しのぎ合いになった延長戦では何度もピンチをしのぎ切って勝ちきった。こういった試合が出来ている限り、花巻東は”強い”。今大会、ひょっとしたら快進撃を見せてくれるかも・・・・・という期待は十分。大注目のチームだ。

関東では”機動破壊”の健大高崎が3季連続の出場。過去2季はいずれも8強に進出しており、今度こそはその壁を破って『群馬県3度目の全国制覇』にたどり着きたい。やや昨年に比べて印象が薄い機動力の発揮が、チーム浮沈のカギを握る。エース川井は技巧派で”夏を勝てる”タイプの投手だけに、面白い存在になってきそうだ。5年連続の夏に挑む作新学院は、打線の破壊力は過去4年に比べても上回っているように見える。あとは投手陣だが、1年の夏から甲子園を経験するエース朝山が完全復活するかがカギ。県大会決勝で『顔見世』したものの昨夏には遠く及ばない内容で、今一つ”候補”に推せないのはそのあたりがあるからだ。もちろん倉井を中心とした控え投手陣も成長してきているのは確かだが、優勝を狙うには浅井の完全復活がどうしても必要。昨年来甲子園で大躍進を遂げている北信越勢では、今年は敦賀気比と並んで、遊学館の評判がいい。今年のチームは、山本監督の自信作。エース小孫を擁し、ロースコアのゲームには絶対の自信を持っている。隣県のライバル・敦賀気比に先を越された全国制覇の夢。『夏の初制覇は譲れない』という思いは強い。

西日本勢では、秋の近畿大会を制している大型チーム、天理の動向が気になる。プロ注目の船曳の豪打は注目の的だが、投打にけが、不調の選手を抱えているため、コンディションの整備が今年のカギになりそうな気配だ。3年ぶりの夏に挑む智弁和歌山は、8連覇を成し遂げた時代に言われた、『智弁は県大会ではコンディションを落とし、甲子園にピークに持ってくる』というコンディション作りがはまれば面白い。しかし、近年は今一つ甲子園での戦績が上がらず、『オレンジの威光』はやや薄らいできているようにも感じるので、ベテラン高嶋監督が完全復活に向けてどう戦略を練っているか。左腕のエース斎藤はかなりの好投手だ。初出場ながら、広島新庄の戦いにも注目が集まる。激戦の広島で『一歩抜け出た存在』であることを示した2年生エース・堀に期待がかかる。

 

”ヒーロー誕生”の空気に応えることが出来るのか、早実・清宮。

今大会、地方大会での最大の注目株は早実・清宮だった。この”サラブレッド”に、マスコミが夏の大会の初戦から大注目。そしてその喧噪のなか、涼しい顔をして打率5割をたたき出した清宮の持つマインドの強さ、そしてその打撃のポテンシャルは、甲子園の夏でも発揮されることが期待されている。早実は正直に言うと、甲子園で勝ち進んでいけるほどのチーム力はないとみている。打線はかつての猛爆打線を彷彿とさせる破壊力を持つものの、投手陣が心許ないのは秋の時点から変わらない。もし勝ち進んでいけるとすれば、西東京大会決勝で好投を見せた1年生の服部が大化けしたときか。清宮と並んでその成長が期待される【1年生の星】が成長して早実の『投打の軸』となれば、ひょっとしたら。。。。。。

四国では鳴門が4年連続、そしておなじみの明徳義塾は6年連続の出場。甲子園でたびたび好勝負を展開してきた両校。今年は突出した戦力はないものの、甲子園での戦い方を選手全員が熟知しているその”経験値”は侮れない。元プロの楠城新監督を迎えて連覇を果たした九州国際大附は、昨年”候補”に上がる大型チームで出場しながら初戦敗退に終わったくやしさを払しょくしたい夏。主砲・山本は元ロッテ監督の山本功氏の息子。大阪で大阪桐蔭を破って甲子園最後の切符を手にした大阪偕星学園は、悲願の初出場で注目度が高い。2枚看板の投手陣に破壊力ある打撃陣は、『さすがは大阪代表』とうならせる戦力。初出場・初優勝という快挙も、大会の波に乗ればあながち夢ではない。

このところまたレベルの高さを見せつける北海道からは、古豪の北海が出場。今年のチームは投打にスキがない好チームで、8強以上に狙いを定めている。悲願と言えば、関東の2校が悲願を達成して甲子園に初見参。霞ヶ浦は、長身エースの綾部が力強い速球を投げ込む本格派。そして千葉の専大松戸も、剛腕エース原の投球が見もの。両校ともに控えに好左腕を配する同じような特徴を持ったチームで、夢の甲子園1勝に向けて、気合を注入している。東海大甲府は潜在能力は非常に高いチーム。関東屈指の破壊力打線に2年生エースの菊池。持っている力を出し切れば優勝すら視野に入るほどの戦力だが、今年は大舞台で勝ちきれていないところに不安がのぞく。試合運びが今一つなところを甲子園で払拭して、大進撃なるか。

名門の中京大中京は、100年の節目に強力打線で6年ぶりの全国制覇を狙う。エース上野は堂林なみの安定感を目指し甲子園に乗り込む。春からの強豪との練習試合でも、柵越えを連発した打線は長打力満点。”超絶の足”を見せるオコエを中心とした強力打線で波乱を狙うのは関東一。投手陣には弱点を抱えるが、健大高崎をもしのぐ『足攻』は話題になること必至。春の九州大会を制覇した龍谷は、粘り強い試合運びが身上。『なかなか負けない』その力、何かおこしそうな予感がプンプン。



”候補”には上がらなくとも、”見てみたい”チームばかり。素晴らしい大会になる。

候補には上がらなくとも、実力を持ったチームが数多いのも今大会の特徴だ。まず秋田商のエース成田翔。左腕から素晴らしい球を投げ、五試合で55三振を奪った。激戦・埼玉を勝ち抜いた花咲徳栄は、”春の・・・・”ではなく”夏の…・”花咲徳栄として人々の記憶に残る戦いがしたい。北大津、近江のライバルを連破して16年ぶりの比叡山は、まさに荒法師のような戦いぶり。京都二中の流れをくむ鳥羽の出場も楽しみだ。激戦・兵庫代表の滝川二のしぶとい戦いぶりも注目。春夏連続出場の今治西は、大野監督が復帰して、春のような崩れた戦いぶりはないはず。名門・下関商の胸のSマークは、高校野球ファンにとっては郷愁を呼び起こすもの。戦いが楽しみだ。九州には実力派が揃っている。九州学院は、大黒柱の伊勢中心のチームに一年生四番・村上が入り充実した戦力に。明豊はエース前田の安定感と得点力高い打線で一波乱を。鹿児島実も出場するからには上位を狙う。戦力的にも、有力校に匹敵する。

そのほか、北北海道の白樺学園は、毎回強力打線で強烈な印象を残すチームだが、今年のチームもその伝統を受け継ぐ。今年一番のサプライズでもあった、三沢商の八戸学院光星を破った試合。見事な戦いぶりを甲子園でも見せつける。鶴岡東は甲子園初勝利を狙う。最近の山形勢の躍進を引き継いで目標は二勝。中越は県内2強の厚い壁を破り12年ぶり。攻撃力中心のチームだ。2年ぶりの上田西は、聖地を知る学年が代表を射止めた。無印からの代表、岐阜城北は『打倒高橋』で鍛え上げた攻守が高いレベルを維持。うれしい初出場の津商は、今年ずっと実績を残し続けてきたプラチナ学年のチーム。大逆転での代表に、感激もひとしおだ。高岡商は名門対決を制しての夏。

まさかの初出場と言えば、岡山学芸館も。群雄割拠の厳しい大会を、勢いを加速して勝ち上がった。鳥取城北、石見智翠館はいずれも2年ぶりの出場で”聖地1勝”を狙う。寒川は、決勝では打線が爆発したが、本来はしのいで勝ち上がる堅守のチーム。『秋の創成館』から『夏の創成館』へ。うれしい初出場を決めた大田主将の好リード。宮崎日大は、榊原監督が『プロのメソッド』を導入して急速に力を上げた。




さあ、始まります。

今年は例年にも増して、実力の接近した面白い大会になりそうです。
実力通りにはいかない高校野球にあって、この甲子園はどのチームも素晴らしい特徴を持ったチームの争い。
全49代表に、優勝への大チャンスが転がっているわけです。
代表校の選手には、悔いを残さない戦いをやり、『大甲子園』を体全体にしみこませて、地元に戻ってほしいと思っています。
厳しい地方大会を勝ち抜いた選手たちを、地元の誇りとしてファンが熱烈に応援しています。
それこそが甲子園。
全48試合に、感動がちりばめられている、素晴らしい大会です。


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