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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第93回選抜高校野球大会 総合展望

2021年03月03日 | 高校野球

選抜は2年ぶりの開催となりました。

昨年は出場校の選手にとっては悪夢のような大会の中止。
夏に甲子園で各校1試合ずつ試合することはできたものの、
本当の意味での悔しさを払しょくするには至らなかったでしょう。

今年もまだ、
コロナは収束が完全に見えたわけではなく、
例年通りの開催とはなりませんでした。
大観衆はなし、ブラバンの演奏はなしとのことで、
『甲子園の雰囲気』が完全に取り戻せたわけではありませんが、
それでも「聖地・大甲子園」で行われる大会に、選手たちの気持ちは高ぶっていることでしょう。
元気・気迫・粘りのようなものがグラウンドいっぱいに繰り広げられる大会を期待しています。

昨年1年間大会が行われなかったこともあり、
今年の大会はなんだか「久しぶりだなあ」という感慨を抱く大会になりそうです。

昨年の大会が行われなかったことに加え、
秋に全国各地区のレベルを図る一つの基準になっていた明治神宮大会も行われなかったため、
今年の大会で各校の戦力を測るのはかなり難しくなっています。

春の選抜の場合、
まだまだ各校ともにチーム作りの途中にあるチームが集う大会ということで、
波乱が起きやすく、
思いもよらないチームの大躍進という歴史が形作られてきました。

そしてそれこそが、
春の選抜を見る楽しさでもあるわけです。

選抜はまだ各校ともに実戦経験が少ないうえ、
打力も夏ほどに仕上がっていないこともあり、
一人の好投手が大会を席巻するというがかつて何度も起こった大会ですね。
夏よりもその要素は強いと思います。

そういう意味では、
「大会屈指」といわれる投手や、
実戦経験豊富なエースを擁する学校の動向にも、
春は注目が集まりますね。


しかし時代の流れで高校野球でも近年タイブレークが採用され、
また今年からは投手の投球制限が導入されました。

1週間500球以内というのは、
「たった一人の投手で勝ち上がる」
ということが難しくなったということと同義で、
「分厚い戦力を持つ、チームとしての総合力」
こそが頂点を極めるうえで非常に大切な要素だということが示されたということです。

端的に言うならば、
「パッと出のチームお断り、戦力の分厚い、本当に強いチームじゃなきゃ、勝ち上がれない大会だよ。 甲子園っていう大会はね!」
ってことでしょうね。

そういった意味では、
高校野球もこの令和の時代を迎え、
大きな転換点を迎えているといえるでしょう。

ワタシが思う高校野球の近未来予測としては、
「甲子園で行われる高校野球も、他の高校スポーツであるラグビー、バレー、バスケなどと同じように、今後は圧倒的な戦力を有する学校の寡占状態が続く大会になっていくのではないか?」
そんな気がしています。

高校野球も「学校スポーツ」としての色よりも「クラブスポーツ」としての色が出てくるのではないかな?

「競技をする上での環境を整えた学校に好選手がどんどん集ってきて、それがさらに好循環を生んで、強いところはより強くなるってことが、どんどん進んでいくんだろうなあ。」

そんな流れになるのではないでしょうか。


日本社会では、
少子化が叫ばれ、
野球人口はまさに激減。

ほとんどのスポーツがそうである同じように、
競技者が少なくなればなるほど、
才能のある選手は早いころからしっかりとした指導を受け、
その才能を伸ばすところだけに、
寡占化して選手が集まっていく・・・・・という流れ、
加速していくんじゃないでしょうかね。

そしてこれからの高校野球の流れとしては、
「指導者のプロ化」
も加速していくのではないかと予測します。

プロといってもプロ野球ではなく、
必ずしも「教員」という立場ではないプロ監督が増え、
野球の技術を教えるということにたけているだけでなく、
チームマネジメントのプロとして、
学校の中ではあるものの、
ある意味独立した集団(組織)としてチームを強くしていく。
そんな流れの指導者、チーム作りが増えるのではないでしょうかね。

サッカーのユースのチームのような流れですね。
一番近いのは、青森山田のサッカーかな。


ところでそういう「令和以降の高校野球」の中で、
高野連、主催新聞社は時代に沿って変わっていけるのでしょうか?

いつまでも「汗と涙の・・・・・」と言って、
お涙頂戴のストーリーにフォーカスしていく時代ではない、
特に甲子園という全国の頂点を決める大会では、
強いものが常に勝つのである。
甲子園というところは、技術の粋を見る大会なのである。

そんな風に変われるのかな?
(変われね~だろ~なあ)

ワタシは「野球というスポーツ自体が大好き」
「甲子園の高校野球という、トーナメントで雌雄を決する大会が好き」
なので大会のテイストが変わってもその興味を失うことは多分ありませんが、
もう甲子園に「昭和の時代のような」汗と涙の甲子園の風合い、
公立校のエースが八面六臂の活躍で、強豪私学をバンバンなぎ倒す・・・・
ことを期待するような時代でないことは確かだと思います。

Sクラスの戦力を誇る全国十数校(?)程度の野球強豪校により、
甲子園の優勝を毎年争う時代になりそうですね。
4強のメンツがほぼ毎年変わらない・・・・なんてことも起きるかもしれません。
(今も半分ぐらい、そうなっている感じはしますが)

ああ、21世紀型スポーツだなあ。。

だって、
誰もが子供時代に広場で野球を楽しんで、
夜はテレビをつけるとプロ野球中継、という時代を生きて、
子供たち誰もがプロ野球選手にあこがれる・・・
なんていう時代じゃないしなあ。
野球(競技)人口の裾野、ホントすごく狭いんだもん。。。

あとは好選手というパイの奪い合い・・・・・ですかね。

おっと、
話はだいぶ横にそれましたが、
今年の選抜の展望を。

今年はすでに組み合わせも決まっていますので、
それを踏まえたうえでの予想になります。

 

第93回選抜高校野球大会

【総合展望】


圧倒的な力を誇る大本命・大阪桐蔭が初戦で候補・智弁学園と激突。大会の命運を握る対決!

今年の大会を「ひとことで言って!」と言われれば、「大阪桐蔭一択の大会」これしか思い浮かばない。昨年の近畿大会では決勝で敗れたものの、大阪桐蔭にとって秋の大会はあくまでも選抜で戦うための切符を取るというのが主眼の大会。ここから冬を超え、春の実戦を超え、どんどんチームは熟成していくということが明らです。毎年そういうチーム作りをしてくるだけに、秋の大会で智弁学園に敗れたものの、この大会の初戦で同じ相手に、同じ轍を踏むとはとても思えないというのがワタシの今大会の予想。今年のチームも例年通り打線は強力で、秋の時点でも公式戦で5点以上得点を挙げられなかったのはその智弁戦のみ。そして大阪桐蔭の強みは、この強力打線がある程度相手投手に苦戦した時も、もろさを出さないこと。終盤に力を発揮したり、打線が束になって相手を崩していくことができる修正能力の高さこそが本当の大阪桐蔭の強さ、怖さ。だから簡単に負けないのであって、驚異の甲子園での勝率はそのあたりが源泉となっている。そこがかつてのPLと同様、「ほかの強豪校」との一番の違いで、履正社や東海大相模が(甲子園での戦い方で)まだ大阪桐蔭の域まで達しないのはそのあたりの差だと思っている。
それに加えて近年とみにすごくなっている投手力が、今年は例年に比べても突出している。松浦、関戸の150キロを超すMAXを誇る左右の両輪は、まるでオールジャパンかというほどの豪華さ。竹中、川井ら控え投手陣の充実度もすごく、打ち崩されることが想定できないほどの投手陣と言えるのではないか。しかし野球というのはひと試合単位で考えると、波乱が起こることも十分に想定できるスポーツ。大阪桐蔭の心配としては、何もかにもがうまくいかない試合展開の時、選手がどのような精神状態で試合を運べるかということに尽きるのではないかと思われる。
ひょっとしたら前回の春夏連覇路をしのぐほどの強さを誇る今年の大阪桐蔭。やっぱり今大会の「一択」以外の何物でもないのは明らかだ。
初戦でその大阪桐蔭と激突することになった智弁学園は昨秋の近畿チャンピオン。決勝では7-3と完勝しており、その再現を狙いたい。もし大阪桐蔭を破るようなことがあると、一気に二度目の頂点が現実のものになってきそうだ。この智弁は下級生からのレギュラーメンバーが多く、試合運びが安定しているのも強みとなっている。1年夏から4番を担った「岡本二世」前川は長打力が自慢。現在の4番・山下と組むデュオは今大会屈指の破壊力を持つ。投手力も西村・小畠の2枚看板を擁して、何とか大阪桐蔭の打線に対抗したいところだ。なんとしても打撃戦に持ち込みたいというのが小坂監督の目論見だろうが、さてどんな戦いになるか。最大の注目を浴びる試合であり、今大会の優勝を大きく占う一戦だということに間違いはない。
このブロックにはもう一つ、大きな注目を浴びる市和歌山が入った。なんといっても現時点ですでに「秋のドラ1間違いなし」とまでいわれる大エース、小園を擁している好チームだ。秋はあの智辯和歌山を3度にわたり破った剛腕は、MAX152キロを誇る。そして球の速さだけでなく制球力、スライダーの切れなどどれをとっても一級品。絶好調の小園が、大会に大波乱を起こしてくれるかもしれない。”今大会の3強”といっても過言ではない近畿の3強が同じブロックに入った今年の選抜。組み合わせの妙が大会の帰趨に大きな影響を与えていることは間違いない。市和歌山は初戦で県岐阜商と対戦。県岐阜商の監督といえば、あの鍛治舎監督。今年のチームはかなり力を持っており、特にエース左腕野々村は好投手。小園との投げ合いが楽しみだ。そして鍛治舎流の小園攻略法がどんなものなのかにも注目が集まる。そのほかでも連続出場で打線活発な明豊、秋に公式戦・練習試合を含め一度も負けていない広島新庄など曲者も集まり、大阪桐蔭も毎試合息の抜けないブロックに入ったといえよう。


中京大中京にはドラ1の系譜を継ぐ好投手が。負けにくい東海大菅生も面白い。

大阪桐蔭の入ったのはCブロック。勝ち上がればそのCブロックと準決勝で対戦するDブロックの本命は中京大中京だ。昨年エース高橋を擁して明治神宮大会を制し、選抜でも有力な優勝候補に上がるはずだったこの中京大中京。今年のチームも昨年に負けず劣らずの好チームだ。エースの畔柳は尊敬する高橋に引けを取らない好右腕。MAXは昨秋151キロを記録し、防御率は0.72と非の打ちどころのない成績を残した。打線も1試合平均7,8点は必ず奪える破壊力を持ち穴が少ない大型チームだが、エース畔柳が故障上がりだということが唯一の心配点か。勝ち上がりの「大本命」と言える。その牙城を崩したい第一候補には、近年好チームを毎年作り上げる東海大菅生を推す。比較的強豪との対戦を避けられた抽選で、上位進出の機運は高まる。今年のチームは球威はないものの打者にとってはとらえにくい投球をする左腕の本田を軸に、しっかり守ってロースコアのゲームをものにする野球を展開する。打線は足と小技を使ってじわじわと相手を攻略するのが得意で、東京のチームとしては珍しいチームカラーを持っている。いわゆる「負けにくさ」というものを前面に出した戦いは、聖地でも接戦をものに勝ち進んでいくことを感じさせてくれる。初戦で激突する常総学院敦賀気比は好試合。実力は互角の両校の対決が楽しみで、この勝者が中京大中京と当たる組み合わせだ。常総学院は木内監督の弔いとなるこの大会で、新任の島田監督がどのような采配を振るうか。2枚看板の投手陣は強力だ。一方の敦賀気比は、相変わらずの強力打線が持ち味。秋は劣勢の試合をことごとくひっくり返してきた反発力はみものだ。


Aブロックは実力伯仲の好チームが揃う。Bブロックはいきなりのタテジマ対決が実現。

Aブロックには実力派が揃った。開幕戦を戦う北海は「北の怪腕」木村を擁する。木村は秋の北海道をほぼ一人で投げ切り0.34という防御率。52イニングで72三振、10四球と圧倒的な記録を残した。近年北海道勢の選抜は、雪の影響を微塵も感じさせない戦いぶりを見せており、木村にかかる期待も大きい。対する神戸国際大付は、こちらも好投手のエース阪上を擁した好チーム。その阪上と捕手・西川のバッテリーは打っても3・4番と中軸を担い、チームの得点源だ。両校は近年選手権でも対戦、その時は神戸国際大付が逃げきり勝ちをしているが、今回は果たしてどうか。開幕第2戦も、甲子園常連校同士の興味深い対決となった。仙台育英は、須江監督の下新たなチーム作りに着手して数年。年々しまったいいチームを作り出してきていて、東北勢悲願の甲子園制覇まであと一歩といった印象だ。今年のチームも駒が揃う投手陣に破壊力のある打線と、戦力的には頂点に駆け上がってもおかしくない力を持つ。勝ち上がるには一つ何かきっかけが欲しいが、今大会初戦で明徳を破るとぐっと勢いがつきそうで、そういう意味からも非常に大切な初戦となる。その明徳義塾は、戦力的には例年通りスキなくまとまっている印象のチーム。エース代木は左腕の技巧派で、明徳のエースの系譜を継ぐ好投手だ。打線の破壊力はそこそこだが、守備の安定感は群を抜いており、「初戦に負けない」を信条とした馬淵采配に、今年は組み合わせが決まってから策を練る時間も十分にあることを考えると、仙台育英にとっては何とも嫌な相手だと思われる。このブロックの別ヤマには、強打で秋の関東大会で連覇を果たした健大高崎に、大型エース・達、強打者・瀬を擁する超大型チーム、天理が入っており、この両チームのノーガードでの打ち合いを見てみたい。
Bブロックは新興のチームが大挙して入るブロックになった。21世紀枠3校が入りフレッシュな顔合わせが多い。そんな中で注目される対戦は二つ、いずれも秋の地方大会での再戦となる。まずはタテジマ対決となるのは東海大相模東海大甲府。同じ東海大系列校同士で、しかも甲府の村中監督は元相模の監督という因縁もあり、聖地での戦いに注目だ。秋は圧倒的に評価の高かった相模に対し、甲府が粘りに粘って逆転サヨナラ勝ち。相模としてはリベンジを狙っているだろう。東海大相模は例年ほどの打線の破壊力はないが、甲子園も経験したエース石田のテンポ良い投球がチームの軸。上位に勝ちあがるためには石田がテンポよく投げられるように得意の速攻を決めたいところだ。2011年に前評判は決して高くなかったチームで全国制覇を果たした東海大相模。その再現を狙うには、大会の入りをよくすることと、必ず訪れる「厳しい試合」を何としても取っていくことが求められる。ライバルと意識する大阪桐蔭までたどり着くには、いくつものいばらの道を通り過ぎなければならない。もう一つの注目の対戦は、九州大会決勝カードの再現、大崎福岡大大濠だ。大崎は「過疎の島の公立校」が大躍進を遂げたと秋からずっと話題になってきた初出場校。秋の勢いを持続させるには、なかなか厳しい相手との初戦になってしまった。エース坂本は何しろ「試合を作る」ことができる好投手。どんな相手も必ず2,3点で抑えてくれるこのエースを、秋は打線が勢いに乗って援護点を奪い取り勝ちに結びつけた。相手となる福岡大大濠は強力な戦力を誇る好チームだが、夢の甲子園1勝に向けて、準備は万端だ。受けて立つ福岡大大濠は、エース毛利がしっかりと軸となる好チーム。大崎戦をはじめ九州大会では当たりの出なかった打線がどこまで成長しているか。
福岡大大濠としては、勢いに乗って8強以上、4強まで視野に入れていると思われるが、まずは大崎を破らないと大会は始まらない。大崎としても、福岡大大濠戦を乗り切れば初出場だが波に乗って上位まで駆け上がる力は十分だ


21世紀枠などのチームにも期待は大きい

今年の大会は、21世紀枠での出場となる4校にも期待が集まっている。具志川商八戸西は初戦で激突。これは21世紀枠の制度ができてからは2度目のことだ。具志川商も八戸西も、秋の地区大会ではそれぞれ1勝を挙げている好チーム。好試合が期待される。東播磨は大黒柱の鈴木が好投手。秋は、選抜出場校の神戸国際大付、市和歌山をいずれも2失点で抑えており、水準以上の好投手だ。足を使った攻撃がはまれば、1勝の夢に手が届く位置にいる。Aブロックの下関国際は2年生中心の若いチームで健大高崎の強力打線に対抗、宮崎商も大型チームの天理にひるまず戦いを挑めるか。Bブロックは三島南鳥取城北が激突。鳥取城北は連続出場。昨夏の甲子園では明徳義塾に対して9回までリードを奪うなど存在感を示した。Cブロックでは打線が看板の上田西、Dブロックでは好投手桜井と強打で初出場の聖カタリナが登場する。柴田は東北大会では各県の優勝校を撃破に次ぐ撃破で決勝へ進出。京都国際は京都各強豪校の厚い壁を乗り越えてついに聖地にたどり着いた。専大松戸は持丸監督好みのサブマリンエース・深沢が先輩のSB・高橋バリに球場に歓声をとどろかせることができるか。


さて、各ブロックの勝ち上がりの予想です。

Aブロック ◎仙台育英 ○明徳義塾 北海 神戸国際大付 健大高崎 天理  ▲ 下関国際 △ 宮崎商

Bブロック ◎東海大相模 ○福岡大大濠 ▲大崎 東海大甲府 鳥取城北 △三島南 具志川商 八戸西

Cブロック ◎大阪桐蔭 ○智弁学園 市和歌山 県岐阜商 ▲広島新庄 明豊 △東播磨 上田西

Dブロック ◎中京大中京 ○東海大菅生 常総学院 敦賀気比 ▲聖カタリナ △柴田 京都国際 専大松戸

優勝候補は本命が大阪桐蔭、対抗は中京大中京、智弁学園、仙台育英で、市和歌山、常総学院、東海大相模、県岐阜商、明徳義塾あたりがそれに続く候補校ということになりそうです。



今年は3月19日開幕の甲子園。
第93回大会です。

大阪、兵庫は緊急事態宣言も解除されました。
さあ球春到来です。
今年はどんな大会になるのでしょうか。


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