≪2015年春季高校野球神奈川県大会≫
【準々決勝】
県立相模原 8-4 横浜隼人
市立橘 12-5 平塚学園
昨日は”昭和の日”の祝日。
春季神奈川県大会は、
準々決勝の残り2試合が行われました。
会場は横浜スタジアムであったが、
第1試合の開始が午後2時半からというイレギュラーなもの。
第2試合は最初から『ナイター必至』という、
なんだかワクワクするような組まれ方でした。
先に行われた左側のブロックの準々決勝では、
東海大相模と桐光学園が準決勝へ。
この2チーム、
考えてみれば昨秋も4強に進出しており、
冬を超えても勢力図は変わらず・・・・・という感じの神奈川県の高校野球界。
昨日行われた残り2試合でも、
昨秋に4強進出を果たしていた「ケンソウ」こと県相模原と、
昨秋優勝の平塚学園が進出して来ており、
そういった意味では至極順当に県大会は推移していると見ることもできましたね。
しかしながら、
県相模原は実力をどんどん伸ばしているとはいえ、
まだまだ県上位の強豪には分が悪いだろうと見るのが、
大方の見方。
そしてこの日の対戦相手は横浜隼人。
『新・神奈川5強』の一角を占めるほどの好チームで、
ここ数年『8強は外さない』ぐらいの戦績を残して、
虎視眈々と2度目の聖地進出に狙いを定るチーム。
この大会でも、
16強では横浜を破った名門・桐蔭に6-3と完勝。
『力があるなあ』
という戦いぶりを見せていました。
戦前の予想では、
『県相の実力を測るには格好の相手』
というのが大半を占め、
そのニュアンスには『勢いはあるが、やはり上位の私学相手には分が悪い』
というものが込められていたように感じる報道のされ方。
しかし、
名将・佐相監督に鍛え上げられた県相模原の実力は”ホンモノ”でした。
先制するも序盤で逆転され、
『やはり』の展開になってからがすごかった。
じわじわと追い上げて中盤で逆転。
そしてリードを広げ、
終わってみれば8-4の完勝で横浜隼人を破ってみせたのでした。
勝ちっぷりはまさに、
『力で強豪を制した』
という完勝。
『どうだ』と言わんばかりの戦いぶりに見えました。
昨秋には『惑星のようなもの』とタカをくくっていた強豪の関係者にも、
十分に『警戒すべき相手』との印象を植え付けたでしょうね。
もう『惑星』ではなく、完全に夏は『強豪』として大会に登場することでしょう。
この県相模原。
県内屈指の進学校でもあり、
昨秋の戦いぶりから『選抜21世紀枠は確実』との評もありましたが、
『21世紀枠を本気で獲りに行かない』と言われる神奈川県高野連のよくわからない選考で県の推薦校に選ばれず、
涙をのみました。
(この神奈川高野連の行状、一時は話題沸騰となりました。)
落胆もあったかと思いますが、
捲土重来、一から夏の代表を目指すべく、
きちっとチームの実力を伸ばしてきましたね。
中学球界の名物監督であった佐相監督。
高校野球での初任の川崎北時代も、
『私学を圧倒する打撃を持ったチーム作り』で活躍を見せましたが、
甲子園には届かず異動で県相模原に移ってきました。
進学校である県相模原でいったいどんなチーム作りをするのか注目されていましたが、
見事としか言いようないチームを作り上げましたね。
夏は第1シードでの登場となります。
ということは、東海大相模や桐光学園とは、
4強までは対戦を避けられるということ。
甲子園を本気で狙うには、
面白い位置につけたと思います。
おっとその前に、
この春季大会ではもう一つ勝てば”夢の関東大会”が待っています。
その県相模原の対戦相手、
当然に昨秋の優勝校であり、
好投手・高田を擁する平塚学園と思って見ていましたが・・・・・。
波に乗っている市橘が、
途中で登場の高田を打ち崩して、
まさかの大金星を挙げました。
打線の鋭い振り、
並みじゃないです。
これで準決勝は、
県相模原 vs 市橘
という、
非常に興味深い【公立対決】となりました。
ここ数年、
非常に興味深い地殻変動に揺れている神奈川の高校野球界。
『横浜1強。それを有力5校ぐらいが追う』
という10数年来の図式が崩れて、
横浜も後続の集団に巻き込まれている感じです。
そして後続集団に、
その後ろからどんどん新しいランナーが追い付いて、
まさに『大人数の第1集団』を形成しているといっても過言ではないでしょう。
その大集団からは、
若干東海大相模が抜け出ている感じがしますが、
まだまだ後ろに致命的な差をつけているという感じではありません。
10数校の第1集団からは、
どこが飛び出してくるかわからないという状況だと思います。
もちろん横浜も、
この第1集団の中にはいるので、
虎視眈々とゴール間際でのスパートを狙っているというところでしょうか。
そういった意味では、
本当に面白い【戦国神奈川】だと感じています。
まあ、
『代表校が全国でどうなの?』
と言われると、
『う~ん』と考えてしまうところはありますが。。。。。。。
選手の分散化傾向と、
熱のある指導者の散らばり・点在により、
県大会は『予定調和』の世界からは完全に外れてきていると感じます。
春季大会の最中で何なんですが、
すでに夏の大会の方に思いをはせています。
『面白い夏になりそうだ!』
そんな、
高校野球好きがそこにも、あそこにもたくさんいる、
神奈川県からのレポートでした。
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