NFLはこの週末に、
シーズンの最終週が行われました。
今年から各チームが17試合で戦うシーズンとなったNFL。
この「従来より増えた1試合」がどんなドラマを生むかと思っていましたが、
まあすごいドラマがそこかしこに起こって、
目が離せない最終週となりました。
まずはNFCから。
こちらはすでに13勝を挙げていたパッカーズの第1シードが決定し、
土曜日に勝利したカウボーイズが第2か第3シードを確保して迎えた日曜日でした。
前週まで第2シードを確保していたラムズは最終週で”不倶戴天の敵”49ersと対戦しました。
昔から北と南のカリフォルニアの大都市のチームとあってライバル心旺盛な両チーム。
しかし80年代、90年代ラムズがセントルイスに移転する95年まではずっと49ersがラムズを蹂躙。
ワタシはずっとラムズのファンなのですが、
ホント「(ラムズがナイナーズに)勝ったのを見たことがない」という状況が長く続きました。
その後ラムズはセントルイスに移転してから、20年の時を経て再度LAに舞い戻ってきました。
ラムズは若き闘将・マクベイHCで劇的に強豪への道を歩み始めましたが、
それでもここ3年間はナイナーズに勝ち星なし。
全く持って「苦手にしているチーム」というのは変わりありませんでした。
今年はこの時まで、
ラムズが12勝4敗、ナイナーズは9勝7敗と成績では大きくリードしていたものの、
何だかわからないが「ナイナーズには勝てないのでは・・・・・・」といういや~なオーラがワタシの脳裏にはまとわりついていました。
ラムズの置かれた状況は、
勝てばプレーオフ第2シードを確保、
2試合のホームゲーム開催の権利を取るので、
ファイナル進出が大きく近づきます。
しかし負ければ西地区優勝を逃す可能性もあり、おまけに第3,4,5シードに陥落。
もし西地区優勝を逃し第5シードになると、
プレーオフ第1戦から敵地での戦いを余儀なくされます。
一方ナイナーズの置かれた状況は、
勝てばプレーオフ進出も、
負ければセインツ次第でプレーオフを絶たれるというもの。
そう、彼らこそが「絶対に負けられない戦い」だったわけです。
果たして試合はキックオフ。
ラムズは前半大きく17-0とリードするも、
そこから戦術を変えてきたナイナーズに翻弄され始め、
あっという間に同点に。
しかしQBスタッフォードからWRカップへのNFL最強のホットラインが機能してTDを奪い、
24-17と再度リードを奪います。
そして残り1分50秒。
ラムズはミッドフィールドで自軍のボールを保持。
*残り1分50秒の場面でパントした後の49ersの勝率は0.4%となり、2016年に『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』が統計を取り始めてから最も低い勝率を記録していました。
0.4%ですよ!!!
ほとんどラムズの勝ちは決まったも同然・・・・・とみても、
誰も文句は言わないでしょう。
ラムズの勝利確率は、統計上は99.6%なんですから。。。
しかしここで、
ラムズは全くデザインされていないランプレー3つで、
あっという間に3andアウト。
パントを蹴らされて、
ナイナーズにボールを渡してしまいます。
な~にやってんだよ。。。。
って感じで、今季のラムズのランプレーを象徴するようなことがここで起きて、
ナイナーズにチャンスを与えてしまったのは痛恨でしたね。
ワタシは全くこのドライブ、
納得がいっていませんが、まあいいでしょう。
残り時間は1分27秒。
ボールはナイナーズ陣12ヤードと深い位置。
しかもナイナーズは時計を止めるためのタイムアウトは1つも残っていませんでした。
この状況。
どんなに悲観的な人でも、
「こりゃあラムズの勝ちだ」と思うでしょう。
ワタシもそう思いました。
しか~し。。。。。
ここからナイナーズの反撃が始まりました。
というより、
ラムズの守備陣の混乱ぶり、
ここに極まれりという感じで、
まさに”ザル”。
マークが全くずらされ、
21ヤード、5ヤード、43ヤードのパスを次々に通され、
あっという間にレッドゾーンに。
その間わずか40秒!!!
「ありえね~~~~」
と思っていたらその後、
あっという間にTDパス投げられて、
気が付くと同点に追いつかれていましたとさ。。。。。
そしてオーバータイムではFG決められた後にインターセプト食らい、
悔しい悔しい大逆転負けが確定。
49ersは滑り込みでプレーオフに進出。
対するラムズは、
第2シードから第4シードに滑り落ち、
プレーオフを迎えることになりました。
≪ひとこと本音≫
こりゃあプレーオフ、勝ち上がれるわきゃね~わ。
≪ひとこと本音2≫
それにしても、LAで行われているって~のに、
なんでこんなに赤いコスチュームの人が目立つんだよ~~~。
青・黄は目立たんな~。
という事で失意のNFC,
順位とプレーオフの対戦カード確定です。
【NFC ワイルドカード・プレーオフ】
第1シード GBパッカーズ Bye
(以下シード順高い方がホーム)
第2シード ダラス・カウボーイズ 第7シード サンフランシスコ・49ers
第3シード タンパベイ・バッカニアーズ 第6シード フィラデルフィア・イーグルス
第4シード ロサンゼルス・ラムズ 第5シード アリゾナ・カージナルス
そして注目のAFC。
最後の最後まで競り合いが続いて、
まさに明日をも知れない戦いが終盤戦に続いていましたが、
最終週もこれ以上ないドラマが待っていました。
最終週のNFLのゲームもトリプルヘッダーで行われました。
まずは東部時間の1時から行われた試合で大波乱。
第15週まで9勝6敗でほぼプレーオフ進出を決め、
あわよくば地区優勝を・・・・と狙っていたコルツが、
16週レイダースに接戦で敗れて迎えたこの最終戦。
相手はNFL最低勝率、2勝14敗のジャガーズ。
戦前の予想では、
「どんなことがあってもコルツの勝ちは揺らがない」
とみられていたのに、
どうしたことかコルツの動きは固く、
失うものがないジャガーズ(実際は勝てばドラフト全体1位指名権を失うかもしれなかったのですが。。。負けた方がいいとジャガーズファンのだれもが思っていた試合です、実際は。)は伸び伸びとプレー。
終わってみればまさかまさかの11-26の大敗。
プレーオフ進出を争っているスティーラーズが勝ったため、
コルツはまさかの「(プレーオフ進出)アウト」となってしまったのでした。
生き残ったスティーラーズ。
殿堂入り確実のレジェンドQB・ロスリスバーガーは、
敗れてプレーオフ進出を逃せばこの試合が「引退試合」になる公算が強く、
その点でも注目されていました。
そのロスリスバーガー。
4点リードされた第4Q、
「このパスが通らなければ万事休す」という場面で、
「さすがはビッグベン(彼の愛称)」というような鋭いパスを何本も通しチームの窮地を救い、
スティーラーズは首の皮一枚で生き残りオーバータイムで勝利。
選手、ファンなどは狂喜乱舞して喜び合っていました。
しか~~~し。
この夜に行われたチャージャーズvsレイダースの試合次第では、
この喜びも徒労に終わる危険もありました。
チャージャーズとレイダースの試合が始まる前の状況は、
こんな感じでした。
ともにここまでの成績は9勝7敗。
ということで、
勝ったチームが7チーム進出するプレーオフの6番手で出場決定。
スティーラーズが7番手に滑り込むというものでした。
しかし。。。。。
万々が一この試合が引き分けに終わった場合、
6,7位にはチャージャーズとレイダースが滑り込み、
スティーラーズはアウト!!!
まあしかしながら、
NFLの試合でオーバータイムの上引き分けなんていうのはめったに起こらないこと。
年に1試合もあればいい方・・・・・・というほどのレアなことだけに、
ファンの視線は「チャージャーズか、レイダースか、どっちだ?!」
という事に向いていました。
そのチャージャーズとレイダース。
もともとチャージャーズはサンディエゴに長く本拠地を置くチームだったものが5年前に移転。
そして長くフランチャイズQBだったリバースがチームを去って2年。
昨年のルーキー、ハーバートにチームの命運を託し、
そのハーバートの成長もあって今季は勝ち星を積み重ねてきました。
レイダースはオークランド→LA→オークランドと移転を繰り返した挙句、
昨年から本拠地をあのラスベガスに移して始動。
今年は何とか5年ぶりにプレーオフが見えるところまで引き上げてきました。
その2チームの「最終決戦」。
2010年からAFC西地区はず~っとブロンコスとチーフスが覇権を争っていて、
この両チームはなんだか「わき役」の位置に置いておかれることが多かったもんねえ。
(まあ、そんな勝てない状況だからこそ移転ってことになっちゃったんだけどね。)
全米から注目を浴びるなんて、そうない機会だから、
両チームともに気合入りまくりでした。
*ちなみにラスベガスの本拠地スタジアムでは、今年のプロボウル、ドラフト、そして再来年はスーパーボウルが開催されますから、ベガスの人たちは大盛り上がりですけどね。)
試合内容はいまいちな気がしないでもありませんでしたが、
第4Qに入ってからがぜん盛り上がりを見せました。
ホームのレイダースが15点のリードを奪って楽々逃げ込みを図る態勢でしたが、
第4QにリードされたチャージャーズのQBハーバートが意地を見せました。
ハーバートは75ヤード、83ヤードというふたつのロングドライブをTDまでもっていき、
なんと残り0秒で同点に追いつきました。
このドライブの間、
何度4thダウンの攻撃があったでしょうか。(多分5,6回)
この追い詰められたところから、
ハーバートはすべてパスを通して、
ブレイディ並みの勝負強さを発揮して同点に追いつくという離れ業をやってのけました。
とても2年目のQBとは思えないほどのリーダーシップぶり。
彼の未来もまた、
明るくひらけていますね。
最後の同点TDパスもしびれました。
同点で試合はオーバータイムへ。
この時点でプレーオフのピクチャーは、
・チャージャーズが勝ち ⇒ プレーオフ進出はチャージャーズ、スティーラーズ
・レイダースが勝ち ⇒ プレーオフ進出はレイダース、スティーラーズ
・引き分け ⇒ プレーオフ進出はチャージャーズ、レイダース
となり、究極の混とん状態が演出されていました。
迎えたオーバータイム。
まず攻撃のレイダースはしっかりとFGを決めて3点。
次に攻撃はチャージャーズに移りました。
ここでもチャージャーズはFGを決めて同点。
ここで時間は残り4分30秒。
攻撃権はレイダース。
ボールを運んだレイダースは、
チャージャーズ陣39ヤード地点で残り時間38秒となりました。
FGを決めるには少し苦しい地点。
しかしレイダースは同点に終わってもプレーオフ進出が確定するため、
無理をして攻撃を続けるという気持ちは薄かったと考えられています。
だがここで信じられないことが。
チャージャーズからタイムアウトがコールされました。
「相手の攻撃のリズムを止めたかった」
とHCは言っていますが、
中継では「このコールはわかりませんねえ、理解できません」との解説者の声が。
案の定時間ができたレイダースは次の攻撃でしっかりとデザインされたラン攻撃で10ヤードを稼ぎ、
FGがしっかりと決まる地点までボールを運びました。
チャージャーズは悔やんでも後の祭り。
レイダースがここからしっかりとFGを決め、
最終的には35-32で勝利をおさめ、
この結果レイダースとスティーラーズがプレーオフに進出。
チャージャーズは残念ながら「アウト」となってしまいました。
いまだに議論を呼んでいるあのタイムアウトのコールとともに、
最後の最後まで分からない今季のシーズンは終幕を迎えました。
最後に決まったAFCの、
順位とプレーオフの対戦カードです。
【AFC ワイルドカード・プレーオフ】
第1シード テネシー・タイタンズ Bye
(以下シード順高い方がホーム)
第2シード カンサスシティ・チーフス 第7シード ピッツバーグ・スティーラーズ
第3シード バッファロー・ビルズ 第6シード ニューイングランド・ペイトリオッツ
第4シード シンシナティ・ベンガルズ 第5シード ラスベガス・レイダース
さあ、いよいよ今週末から、
スーパーボウル進出をかけた熱き戦いが始まります。
やはり第1シードが強いのではないかと思われますが、
今季はスーパーなチームは見当たらず混とんとしていますから、
どこが勝ち上がっても不思議ではないような気がします。
スーパーボウルはLAのSoFiスタジアム。
2月13日に行われます。
こんなに盛り上がったシーズン。
プレーオフは果たして、どうなるのでしょうか。
やっぱりNFLの面白さは破格。
やめられません。
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