小倉唯さんの動画付きネットラジオ『ゆいしょ!』が更新されました。
というのは、日曜日から月曜日に日付が変わるころだったので、だいぶ旧聞に属するのですが。
その中のコーナーに「それってアオハル?」というのがあります。
アオハルというのは「青春」の若者言葉で、いかにも青春らしい、実体験エピソードを視聴者に投稿してもらうもの。
そのコーナーに、視聴者から寄せられたある投稿に対して…
唯さんが「そんなことってあるの?」と、不信感を表明するような発言をしてしまい…
投稿した視聴者さんに対して、あわてて…
「別に〇〇さんが悪いんじゃないんですよ、私が悪いんです」
「わたしが、悪いんです!」
と二度繰り返していました。
その後の別の投稿にも、感心した後で「えー、でもそれまで作り話だったら怖い…」
「私の人間不信に加速がかかっちゃう」と。
これ以前に唯さん、去年の秋か冬ぐらいに、何かのラジオで…
「最近疑い深くなったいうか、むしろ人間不信になっちゃって…」と発言してました。
何があったのでしょうか。
彼女の人柄を尊敬しつつも、少女時代からずっと見て来て、私にとってもはや娘のような感覚の唯さんが…
「人間不信に陥った」というのは、やっぱり気になるのですが、何があったのか知る由もありません。
まあ、声優業界、音楽業界は、著しく競争が激しく、かつ人間のエゴや欲望が渦巻く世界でもありますから…
ウソをついて人を利用しようとしたり、その場限りの約束や発言をして、後でしらばっくれる人間…
仲間や友達を平気で裏切ったり、自分の保身のためにマスコミに売り渡したりする人間などゴロゴロしていて。
それどころか、ちゃんと文書で交わされた契約でさえ、あとで反古にされることもありますから。
まじめな人、まともな神経の人は、傷ついたり人間不信に陥ったりすることが避けられないでしょう。
もしかすると去年の秋ごろから冬にかけて、唯さんの周りでそういうことが立て続けにあったのかもしれないです。
案外ハートが弱くてもろい部分と、しなやかで強靭なメンタルの部分とが、同居している彼女ですから。
まあ、ラジオへのメッセージなどで応援しつつ、見守るしかないですね。
ということなのですが、芸能界に限らず、ビジネスの世界にウソや欺瞞、陰謀と裏切りなどどこにでもあって。
それこそドラマ「半沢直樹」の世界です。あれは銀行、金融業界のドロドロした裏舞台の物語ですが。
それが「大人の世の中」だとはいうものの…
社会的な立場が上がったり、お金、権力を持ったりするほど、そうしたドロドロの世界に深入りするのは…
遥かな昔から、人の世の常。
それこそ、古代ギリシャ悲劇や、シェイクスピアの戯曲など、古典文学の世界で主たる題材にされているのは…
富や権力に近づいた、あるいはそれを手に入れてしまったが故に、人間の心の醜悪さに苛まれるという事実です。
現代でも、カネと権力の集まる場所では、人間の醜悪な部分が最もあからさまに露呈する、というのは変わりません。
その分かり易い例が、政界=永田町と、高級官僚の世界=霞が関です。
しかもこれは、庶民には分かりにくくされていますが、国民すべての実生活どころか…
場合によっては、生きるか死ぬかという運命に、直接関わるところです。
「人間とはそういうものだ」と達観した風に流して済まされる問題ではない、という部分があります。
このところずっと、国会を騒がせている、第二次安倍政権時代の「放送法」解釈変更問題。
報道の自由、国民の「知る権利」に関わる、重大な放送法の解釈変更ですから…
本来なら国会の議論を経て、変更するのが本筋のもの。
近年の歴代自民党政権は、それを「閣議決定」だけで事実上変えてしまうというケースが多く、大問題なのですが…
この放送法に関してはそれどころではなく、当時の首相補佐官だった磯崎陽輔氏が、総務省官僚に向かって…
ごちゃごちゃ口を挟んで来るな、という意味で…
「これは総理(安倍晋三氏)と俺の二人で進めることだ!」と言い放ってやってしまったということで。
これではもはや法治国家とはいえない。人治国家だ。ここは絶対王政下の国ですか?
という趣旨の質問が、立民の小西ひろゆき議員から出て、それがきっかけで大騒ぎになったというのが経緯です。
放送や報道に関する管轄官庁は総務省ですから、当時の総務大臣だった、自民党の高市早苗氏が…
この経緯に関与していたということで、詰められたわけです。
高市大臣「こんなもの(質問に使われた文書)は怪文書だ」と最初は答弁していて。
その後、現総務大臣が「これは真正な行政文書です」と明言。
そうしたら高市大臣は「自分が出て来る部分だけがねつ造されている」と。
国の運営の根幹、そこの経緯を保証する、日本でいちばん信用され「なければならない」はずのもの…
それが、国家の正式の行政文書、公文書なわけです。
過去、やはり安倍政権時に、当時の安倍総理の国会発言に合わせるため、既成の公文書が捻じ曲げ改ざんされ…
その作業を強要された公務員が自殺してしまった、という痛ましいことがありました。
今回また出て来た、放送法の解釈・運用変更の経緯を記録した行政文書が、ねつ造であるかどうかの問題。
総務省の官僚自身が、誰に忖度しているのか、誰が怖いのかわかりませんが…
行政文書がねつ造かどうか、国会で問われても、答えられない。
ねつ造ではないと「信じています」「願いたい」などと、むにゃむにゃしたいい加減な答弁しかできない。
日本で一番信用性の高くなければならない、ウソがあってはいけないものが…
「信じる」「願う」の話になっちゃっている。
「信じている」ものや「願っている」ものを材料に、審議、議論なんて成り立たないですよ。当たり前。
もう、国会も行政も、機能してないですね。
安倍・菅・岸田政権を経て、日本の国は、ここまで劣化して来てしまったんです。
はっきり言って、高市さんが大臣を辞めるとか議員辞職するとか、国民にとってはそんな重大なことじゃないです。
政局の問題でもない。
今回のことでまた露呈した、政府と行政機構が、グダグダのものになっちゃっているという事実。
ここが問題なんです。
小倉唯さんが人間不信になってしまっている、と言いますけど…
これじゃ国民は「国家不信」にならざるを得ないでしょう。繰り返しますが、そんなの当たり前のこと。
いちいち国家の作った、もしくは関わったものについて、信用が置けないような国では…
経済活動含め、全ての、社会をなり立たせている仕組みの根幹が崩壊しますよ。
この後、ご紹介する動画の中の後半部分で言及されている通り…
はっきり言って、日本銀行券=1万円のお札が信用できない、安心して使えない、というのと変わらないことですよ。
もう、日本の国はここまで劣化してしまったんですね。私たちが意識していないうちに。ふと気づいたら。
この国、もはや政権交代させただけでは、だめなのかもしれない。
官僚機構からして、劣化して腐ってしまっているんじゃないでしょうか。
政治家だの役人だの、どんなにダメでも平気。けーざいが大丈夫なら我が家の生活は大丈夫、と考えるのは…
もしくは、うちの商売さえ、うちの会社さえ安泰ならそれで十分だ、というのは…
もう政府だの行政だの要らない、と言ってるのと変わりませんよ。
無政府主義者、アナーキストが絶対悪いとは言いませんが、日本国民の多くは無政府主義者なんですか?
そんな役立たずで要らないような政府なら、もうG7サミット開催だの議長国だの、やめた方がいいですよ。
今の日本は、国家の体をなしてない、ということなんだから。
この恐ろしさ、情けなさ、明日への不安感をリアルに感じられない人は、完全に思考が停止しています。
考えるのも恐ろしいから考えないというのなら、もう近い将来は真っ暗、というのを認めるということ。
迫りくる危険……例えば津波とか、山火事とか、近づく竜巻とか、突っ込んでくるダンプカーとか…
そういうものから目をそらして、手元のスマホ画面を見つめてニコニコしているのと同じ。そのヤバさ。
都合の悪いことは見たくない、聞きたくない、考えたくない、知りたくないというのも…
そこまで行くと一種の心の病です。
ではこちらの動画。30分ぐらいありますけれど、お時間があるときにぜひご覧ください。
このブログ、いつも暗い話ばかりでイヤだ、という方もいらっしゃるでしょうから…
小倉唯さんのネットラジオ『ゆいしょ!』のリンクも貼っておきますね。
唯さんの声を聴くと癒される、なんて人はほとんどいないでしょうけれど、まあ、まだ平和な世界です。
お口直しをしたい方はどうぞ。