昨日は個人的なことで感傷的になって、よくわからない記事を書いてしまいましたが…
約十年間も続いた「アベノミクス」が、事実上終わった日でもありました。
これ、10年間もドーピングしていた、または向精神薬で状態を保っていた人が、ついに断薬するのと同じなので…
いつかはやって来ざるを得なかった事象だとはいえ、これから大分しんどいことになりますよ、日本経済。
まあこれほどまで長い間、いろいろ嘘をつきながら「薬漬け」経済政策をやってきた人たちが悪いんですけど。
もうすぐお正月ですが、来年は穏やかな良い年に…という庶民の願いが、かなわない要素があまりに多すぎます。
覚悟して、気を引き締めて迎えましょう、2023年。
現実逃避ばかりしていては生き残れないですが、避けようのない危機の事ばかり考えていると…
心を病んでしまって、やっぱり生きて行かれなくなるので、とりあえず良い話を。
昨日は、小倉唯さんのニューシングル『Love∞Vision』の発売日でもありました。
発売日1日前の「フラゲ日」のオリコンシングルチャートで6位に入ったこの曲。
デビューから10周年の節目で、レーベル移籍した後の「再デビュー作」であるということ…
初めて唯さんが作曲を手掛けている、という話題性もありますが…
アニメ・声優系のCDで、アニメ番組や映画などのオープニング、エンディングのテーマ曲になっていない…
いわゆるノンタイアップ作品が、これほど反響を呼ぶのは立派です。
表題曲『Love∞Vision』のMVは、短期間に50万回近く再生されました。
この件に関して、昨晩ニコ生とYouTubeで配信された生番組の中でご本人が…
「みなさんありがとうございます!」と言いながらも…
「いったい何が起きてるんだろう」
「何か組織的に、再生回数を伸ばす活動をしてくださってる(ファンの)方々がいるんですか?」
と言っていました。
いやいや作品が良いからですよ、と言ってあげたいです。
製作の裏話をじっくり聞いてみると…
今回、表題曲の作曲を手掛けただけでなく、CDに収録されている3曲のどれについても…
何らかの形で、深くクリエイションに関わっているんですね。
というか、1曲ずつの製作、3曲の曲調のバランスを考えた構成、ビジュアル面でのコンセプト作りを含めて…
実質的には唯さん本人が、また総合プロデュースをしていると言って良いシングルなんだな、とわかりました。
特に3番目の『Precious』に関しては、以前からずっと、このタイトルで曲を作ってみたいと思っていたそうです。
曲はコンペで決めたとのことですが、この曲を聴いた瞬間に、歌詞の構想が彼女の頭の中にどんどん拡がって…
すぐ「これにしよう!」と決めたそうです。
ほんとに、多方面において天才的にクリエイティブなんですね。
でも、昨日の午前0時にフル解禁になった、この曲のコレオグラフィービデオ(振り付け動画)を見ると…
やはり唯さんの才能が一番ずば抜けているのは、ダンス方面なんだろうなと思ったりします。
このレベルのダンスを踊りながら、ちゃんと歌える人、日本にはほとんどいませんよ。
K-POPのガールズグループ並みのダンス・クオリティーと言っていいですけれど…
はっきり言って、K-POPのガールズグループだって、ヘッドセットマイクはフェイクであって…
歌は口パクで、ダンスに集中しているという場合が多いですからね。
もしくは「被せ」といって、あらかじめ録った音源を流している上に、生歌を重ねる手法をとっています。
作詞もできる、作曲もできる、振り付けもできる、歌もダンスもライブで完璧にできる、しかも…
ソロでステージを成立させ、3時間超のライブで、途中ヘタれずにそれを続けられる。
それらの能力を全部兼ね備えているパフォーマーといったら…
現役の日本人では、三浦大知さんがいる程度ですから、女性版・三浦大知と言っていいかも。
もちろんコレオグラフィービデオなので、この動画の中では歌っていません。
本人も「これ、ライブで本当に踊りながら歌えるのかな、とドキドキしてしまう」と言っていました。
でも彼女は、テレビ番組でディレクターから依頼された数回を除いて「口パク」をしないで来た人ですから…
いつかこの曲を、本物のヘッドセットマイクを付けて、ステージで歌って踊ってみせるに違いないです。
唯さんのライブパフォーマンスは口パクだと言う人もいますが、口パクどころか「被せ」でさえない。
私が見た中でも歌詞を取り違えていたり、うまく歌えなくて途中でやめて、頭から歌い直したことがありました。
もっとも、このコレオグラフィービデオも、唯さんは満足な出来だと思っていないようです。
唯さんはなにしろ本業が声優で、しかも出演本数で、クールによってはベスト5に入るぐらいに忙しい売れっ子。
その上に音楽面のパフォーマーだけでなく、クリエイターやプロデューサーの仕事までやっている「超人」なので…
今回からメンバーを一新したダンサーズと共に、振り入れや合わせを熟練させる時間がなかったようで…
後から自分で見て「時間があれば、もっと完成度を上げられたのに」と思っているそうです。
そうはいっても、日本のグループアイドルのレベルを超えている、高度なダンスパフォーマンスは凄い。
欅坂46を脱退してソロになり、さらに日本の芸能シーンには収まり切れなくて…
もっとレベルの高い、韓国の事務所に移籍した…
平手友梨奈さんなら、少なくともこのダンスはこなすでしょう。
でも平手さんは性格的に「孤高の人」。
一方唯さんは、人を強く責めることをしない性格である上、怒っていてもそう見えない。
(弱気でおとなしいわけではないのですが、怒ったときも声を荒らげず相手を理詰めで論破しにかかるそうです)
ソロデビュー10周年の生配信番組で、スタッフの不始末がいくつも重なってひどい放送事故になってしまっても…
イラつかず、かつ慌てることなく、笑顔で「自分のせい」にして済まそうとしていました。
声や話し方が、なんとなくぽわぽわした感じなのも、得をしているのかもしれないです。
そして、とてもしっかりしているのに、どこか「不思議ちゃん」で、巧まずして笑いを取る一面もあるので…
多くの同業者から好かれて、いじられながらも慕われています。それでいて、女性なのに胆力があるから…
仕事現場でスタッフのモチベーションを上げたり、気持ちをまとめたり、何か起きたとき動揺を鎮めたりできる。
優れたパフォーマーである上に、チームリーダーの資質まで備えている人は、ちょっと他に見当たらない。
前に先輩である男性声優の入野自由さんが、共演者の目から唯さんを評して…
「上司になってもらって、そのもとで働きたい。そういう人」と口にしていた意味がなんとなく分かります。
特に唯さんがいちばん得意なダンスは、芸能の中では、楽器の演奏と並んで言葉の壁がないジャンルなので…
これから活躍の場を拡げて、海外進出するとしたら、まずダンスと振り付けがとっかかりになるでしょう。
彼女のスキルに、加えてあの人柄があれば、おそらく世界のどこへ行っても通用します。
成長と進化を止めない「小倉唯」が、これからどこまで能力を高めて行くのか、仕事を発展させて行くのか。
人類が滅亡しない限り、唯さんは世界のどこかで、ひとを楽しませ、元気づけ、癒す仕事をして行く…
そんな風になる予感がします。
では『Precious』のコレオグラフィービデオです。
迫力があるので、できれば下のURLから別ウインドウを開いた上、スマホなら横画面に拡大してご覧ください。