アンを探して Looking for Anne

「赤毛のアン」の島、プリンスエドワード島でオールロケ!第5回AFFF(シンガポール)で最優秀監督賞、グランプリを受賞!

『アンを探して』日加混合!メイン・スタッフ紹介

2009年10月13日 | 映画製作日記
日本・カナダ共同製作映画『アンを探して』は、
日本人の少女・杏里が祖母が憧れていた島プリンスエドワードにいく、一人旅を描いたもの。

なのでもちろんプリンスエドワードオールロケの撮影でした。

そして、この撮影の醍醐味が、カナダ・日本の混合クルー。

今回は映画の現場・映像と音の部分(撮影・美術・衣装・音)、クリエイティブな部分で、映画の世界観を表現するのに欠かせないキーパーソンの皆さんを紹介します。

本作にはカナダの中でも独自の文化を誇るケベック州も出資していただいているため、カナダ人スタッフの90パーセントがケベック・クルーでした。そしてスタッフの八割を占めるカナダ人クルーに合わせカナダの労働組合の厳しいルールに従うことは必死。タイムリミットに追われた撮影は、時にかなりのストレスとなりましたが、それでも、このクルーで良かった!!と現場や、作品を振り返る度にしみじみ思います。

そして、なによりスタッフのほとんどが脚本に惚れ込んで参加してくれたのも嬉しい事実。日本からはもちろんのこと、ケベックから離れた島で拘束され、しかも最低賃金という悪条件をのんでくれ、撮影に挑んでくれました。


カントク 宮平貴子
おほほ、わたくしです。なので解説は省きます。執筆者プロフィールをご覧下さい


撮影監督 福本淳 (フクモトジュン) - goo 映画

二日間徹夜続きのカラダを押してカナダまでひとっとび。英語・日本語ともに堪能かつ並々ならぬ大和魂の持ち主。ビデオエンジニアの佐藤さんと絶妙のコンビネーションでこだわりあふれる絵を撮って頂きました。監督と撮影監督は野球でいうならピッチャーとキャッチャーというところです。その通り、初監督の私が目が点になっている時も、冷静に現場を支えていただき、本当に助かりました。


美術マルタン・ジェンダロン(写真 左)

『アビエイター』や、ブラピの『ジェシー・ジェームズの暗殺』なども手がけるベテラン美術監督のマルタン。終始一貫して紳士的に、忍耐強く、笑顔でどんな細かいことにも、私の意見に耳を傾けてくれました。少ない準備期間・低予算の中、助手キャロリーンとのコンビで、素敵なB&Bや、ロケ現場を創り上げてくれた二人、笑顔と冗談を絶やさずプロってこのことだなぁ、とつくづく感心。



照明 市川徳充 (イチカワトクジュウ) - goo 映画

映画は光と影、といったのは誰だっけ...(すみません)。照明はドラマを創り出すホントに重要なファクターで、それだけに多くの専門知識と芸術性が問われる部分でもあります。分きざみで変わるP.E.I.の島天気もなんのその、美しい光と影で映画を彩っていただきました。「これ、ここ、シブルプレ(市川さん)」「ハイ!(ケベックスタッフ)」とケベッククルーとも打ち解ける国際派。夜は、「市川食堂」の看板を上げ、日加クルーの宴会をサポート(?)。市川食堂でいただいたロブスター入り炊き込みご飯は忘れられません。




衣装 スザンヌ・フィッシャー(右)

「女性的なものは大切にしたい、でもファッション紙をみてるだけのような衣装は好まないです」という私の思いを真摯に受け取り、一人一人のキャラクターにあった衣装を、日本の衣装さんと供に選んでくれたスザンナ。現場に顔を出すと、ハロウ~マイディア!!といつも両手を上げて満面の笑みでハグしてくれた。撮影途中で参加した相棒ギー(写真左)とのコンビも最高で、心のオアシスのひとつだった。


ヘア アーティストタマラ

多分クルーいち、背が小さいタマラもカナダのヘアスタイルの賞を撮ったベテラン陣。「もう、人殺しや暴力ばかりの映画にはうんざりしてたの、そんな時こんなに美しい脚本を読んで、絶対参加したいと思ったの。」と興奮気味に話してくれた。朝四時起きが続く毎日の中、休日に野花でコサージュつくったり、キャンドルをたいたり、なんだか”人生を楽しむ術を知っている『赤毛のアン』”そのもの、って感じだった。撮影中、「ヘアカットしたかったらいつでもいってね!」と言われてたのだけど、当時・500円ハゲが出来てて、それがバレてはまずいと遠慮してしまったのが、心残り(苦笑)。


メイクアップアーティスト オドレイ
タマラとは反対に長身のオドレイも脚本を気に入って参加を決めた一人。「HD?フィルム?カメラによってファンデーション、パウダーが違ってくるの」「私の愛用コスメは日焼け止めも全部、ナチュラルな素材で作られているから敏感肌の人でも大丈夫!」というオドレイは、一つ質問があったら10答えてくれる、頼れるお姉さん的存在だった。

現場ではまず俳優さんは毎日、初めに、ヘア・メイク・コスチュームと顔を合わせるから、人選は大事だよ、とクロード師匠からキツく言われていた私。それだけに面接も慎重だったが、スザンナ・タマラ・オドレイは文句無しに、私の俳優達を支えてくれた影の、最高のサポーターだったと思う。朝4時起きが続いたり、急なリクエストがあったりと宮平組は大変だったかもしれないけど、一緒に仕事が出来て良かった。


録音 渡辺真司 (ワタナベシンジ) - goo 映画(写真 右)

さて映画の二大要素といえば、映像と音です。プリンスエドワード島の強風にも、マイクをどこに付けようか迷うほど薄着な出演者(誰かはお楽しみ)にも、やっぱり急な私のリクエストや無理難題にいつもクールに対応してくれた渡辺さんと、イケメンブーマーの仲里君の録音組。




記録 キャロリーン

撮影前日に現場に到着という事態に撮影初日はやや切れ気味だった彼女(苦笑。どうなることかと思ったが、打ち解けるとともに、どんどん笑顔が見え始めた。なんと子供の頃のあだ名が「アン・シャーリー」だったそう。だからこの作品に関われて嬉しいと話してた。


小道具 ヴィダール

小道具ビダールは、初めてみたときから密かに「ロボコップだ...」と思っていた。両手にハエたたきを構え瞬時にハエを落とす能力は、ロボコップさながらの勇姿でした。なんて冗談はともかく、美術班の一部である小道具は、とても重要です。センスはもちろん、道具一つにも知識が要求されるだけでなく撮影は順撮りではないのが常なので記録と同じくカットごとの「つながり」を考えないといけないので、現場では責任重要、大忙しです。また、本作で重要な役割りを担う大学ノートの素材は日本の美術が収集。大活躍しました。


助監督 ブレア

映画の撮影スケジュールを荷なってくれたり、主役の背景にうつるエキストラを集めたりしてくれた助監督も紹介します。ブレアはもっさりとした巨体の楽しいヤツ!飛行機、クレーン、ボートシーン...を含めた144シーンある脚本を26日で撮る!という鬼のような条件を、文句一ついわず、達成させてくれました。(「Takako、シーンを削らなきゃ不可能だよ~!」とは終始いわれたけれど)見かけによらず(失礼!)、忍耐強く、お茶目な人柄。


エグゼクティブ・プロデューサー クロード・ガニオン

最後になりますが、私の師匠でもあり本作品のスーパーバイザーでもあり、さらに犬を手配したり、がちょうトレーナーであり美術交渉人であり、本作品ではその名の通り「何でも屋」で一生懸命走り回ったクロード・ガニオン氏。その懐の深さにはおどろくばかり。「宮平貴子らしさ」を理解して下さり、叱咤激励をいただいた。現場に僕がいてはプレッシャーになるからと、比較的顔を出さないようにしておられましたが、心の支えであったことは間違いありません。

あ~他にも、制作事務所のメンバー、それぞれの助手さんなど、紹介したいのですが、今日はここでいったん筆をおきます。

また、先日ラジオ放送された地球ラジオの中の、『日本チャチャチャ』というコーナーに先日出演したのですが日加共同製作の苦労話・楽しい話しが聞けます→詳しくはこちら!!(15分目ぐらいから始まるそうです。)

最後に東京国際女性映画祭ご招待の件も15日まで、と締め切りが迫ってきました。お見逃しなく!

By Takako Miyahira
Photos By Noriko Fujimoto


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
待っていました (ナオ)
2009-10-14 01:10:50
私は岩手県盛岡市在住。
こちらでは上映予定ありませんか?
せめて仙台とか・・・
昨年から楽しみに待っておりました!!
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>ナオさま (Takako Miyahira)
2009-10-19 08:31:55
もしかしたら、来年になるかもしれないですが、ぜひ上映したいですね。プロデューサーに伝えます!

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