あれから55年・・アンヌのひとりごと

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檀・・ダ~~ンじゃないよ

2007年12月30日 16時30分13秒 | 地谷子のひとりごと
私は掃除がホントに苦手である。
年の瀬を迎え今年は早々に暇を見つけちゃ大掃除を一寸一寸始めた。
老婆が一生懸命やっている傍で目をつむるわけにはいかない。
ウ~~ンなかなか進まない、到達点のない悲しいマラソン状態だ。
昨日はおざなりな床磨きがあらかた終わり、ハイ!今日はこれまで~!
と、昼下がりから読み始めた一冊の単行本、
大掃除で見つけた机の隙間に埋もれてた本『檀』沢木耕太郎著だ。

”こんな時期に本なんか読んでないで掃除を続けたら~”
傍らで口には一切出さない母だが、
雑巾洗うバチャバチャ音が際立って荒々しくそう聴こえる。
椅子を回転させ母に背中を向け内心つぶやいた
”焦ってもしょうがない、まっゆっくり行きやしょうや”
それでも茶飯事的な仕事はこなしつつ夜中の2時まで一気に読破した。

無頼派作家・檀一雄の遺作『火宅の人』
愛人(女優)と妻や家族の狭間で檀の壮絶な生き様が書かれてるらしい、
(らしいって私は本編は読んでないので)

この「檀」は「火宅の人」に対して妻ヨソ子の視点からの解説本っていうか、
沢木耕太郎が一年半かかって未亡人に取材してヨソ子の葛藤を
フィクションとノンFを解き明かしつつ妻の気持ちを書き上げた。
恥をかかされ嫉妬し散々傷ついたヨソ子の世間に対しての勝利本って感じだ。
私はこんな素敵な作家・檀一雄の妻なの~って、
ああぁぁぁ羨ましい、なんて大きな豪快かつ正直で誠実な男なのだろう。
家庭の事はお手伝いにやらせて奥さんは僕の近くに居ればいい、
掃除も炊事もしないで傍に居ればイイなんてぇ・・う羨ましい~。
因に女優の檀ふみさんのお父様なのです。
檀 (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社

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