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「開(ひら)く」「開(あ)ける」「開(あ)く」の違いについて
日本語の「開く」には、読み方と意味が異なる3つの使い方があり、それぞれニュアンスが異なります。
1. 「開く」(ひらく)
- 文法: 自動詞・他動詞
- 意味
- 自動詞: 閉じていたものが開いた状態になること。(自然に開く、または、ある力が加わって開く)
- 他動詞: 閉じていたものを開けること。(意識的に開ける)
- 例文
- 自動詞
- 「カーテンが開いた。」(風で自然に)
- 「花が開く季節になった。」
- 「目が開いたような気持ちになった。」
- 「封筒が開いた。」(中身を見ようとして)
- 「会議が開かれる。」
- 他動詞
- 「私がドアを開いた。」
- 「本を開いて読んでください。」
- 「彼は店を開いた。」
- 「封筒を開いて中身を確認した。」
- 「新しい道を開く。」
- 自動詞
2. 「開ける」(あける)
- 文法: 他動詞
- 意味: 閉じていたものを開けること。(何かを操作して開ける)
- 例文
- 「窓を開けてください。」
- 「瓶の蓋を開けるのが難しい。」
- 「彼は口を開けて大笑いした。」
- 「プレゼントの箱を開ける瞬間が楽しみだ。」
- 「傘を開けると雨が降ってきた。」
3. 「開く」(あく)
- 文法: 自動詞
- 意味: 閉じていたものが自然に開いた状態になること。(自然現象や、意図せず開いてしまう)
- 例文
- 「口が開いたまま寝ていた。」
- 「服に穴が開いている。」
- 「道が開けて、景色が広がった。」
- 「目が開いた。」(朝起きた時など)
- 「シャッターが開いた。」(お店の開店時など)
まとめ
動詞読み方文法意味主語の例ニュアンス
開く | ひらく | 自・他 | 閉じたものを開ける、開いた状態になる | ドア、本、花 | 意識的な動作、または、ある力が加わって開く。広い意味で使われる。 |
開ける | あける | 他動詞 | 閉じたものを開ける | 窓、瓶、口 | 何かを操作して開ける。 |
開く | あく | 自動詞 | 閉じたものが自然に開いた状態になる | 口、穴、道 | 自然現象、または、意図せず開いてしまう。 |
特に注意する使い方
- 「開く」(ひらく)と「開ける」(あける)の使い分け
- 「ドアを開く」(ひらく): ドアそのものを開ける動作
- 「ドアを開ける」(あける):ドアについている鍵やノブなどを操作して開ける
- 「開く」(あく)と「開く」(ひらく)の使い分け
- 「口が開く」(あく): 自然に口が開いた状態
- 「口を開く」(ひらく):意識的に口を開ける動作
問題(JLPT N4レベル)
次の文に当てはまる言葉として最も適切なものを、選択肢の中から選びましょう。
- 窓を( )と、気持ちの良い風が入ってきた。
- 開く(ひらく)
- 開ける(あける)
- 開く(あく)
- みなさん。手を( )ください。
- 開いて(ひらいて)
- 開けて(あけて)
- 開くて(あくて)
- 新しいお店が( )というニュースを聞いた。
- 開く(ひらく)
- 開ける(あける)
- 開く(あく)
- 彼女は、手紙を( )読んだ。
- 開いて(ひらいて)
- 開けて(あけて)
- 開くて(あくて)
- 暗い部屋のカーテンを( )明るくした。
- 開いて(ひらいて)
- 開けて(あけて)
- 開くて(あくて)
解答
- 2
- 1
- 1
- 1
- 2
「開く」「開ける」「開く」の使い分け、理解できたでしょうか?
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