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大きい」と「大きな」の違いについて
日本語を勉強している皆さん、「大きい」と「大きな」の使い分け、難しいと感じたことはありませんか?
どちらも「サイズが大きい」ことを表しますが、使う場面が異なります。
今回は、この二つの言葉の違いについて、たくさんの例を交えながら、わかりやすく説明します。
1. 品詞の違い
- 大きい: 形容詞 (い形容詞)
- 大きな: 連体詞
形容詞は、文末で「〜いです」「〜かったです」のように活用できます。
連体詞は、名詞の前に必ず置かれ、名詞を修飾します。
2. 使い方の違い
大きい (形容詞)
名詞を修飾する
- 大きい 家 (いえ)
- 大きい りんご
- 大きい 声 (こえ)
- 大きい 会社 (かいしゃ)
- 大きい ভূমিকম্প (じしん)
文末で使う
- この家は大きいです。
- このりんごは大きいですね。
- 彼の声は大きい。
- この会社は大きいことで有名です。
- 今回の地震は大きかったです。
大きな (連体詞)
名詞の前に置いて、名詞を修飾する
- 大きな 家
- 大きな りんご
- 大きな 声
- 大きな 会社
- 大きな 地震
抽象的な概念や、規模が大きいことを表す場合によく使う
- 大きな 夢 (ゆめ)
- 大きな 期待 (きたい)
- 大きな 影響 (えいきょう)
- 大きな 変化 (へんか)
- 大きな 成功 (せいこう)
3. 具体的な例で比較
大きい家 (具体的な建物のサイズ) | 大きな家 (家という存在の規模) |
大きいりんご (具体的な果物のサイズ) | 大きな夢 (抽象的な目標) |
大きい声 (具体的な音量) | 大きな声援 (応援という行為の規模) |
大きい会社 (具体的な従業員数や売上高) | 大きな会社 (社会的な影響力) |
大きい地震 (具体的な揺れの規模) | 大きな地震 (災害としての規模) |
4. まとめ
- 大きい: 具体的な物のサイズや、物理的な大きさを表す場合によく使う
- 大きな: 抽象的な概念や、規模が大きいことを表す場合によく使う
5. 練習問題
次の文に当てはまる言葉は「大きい」と「大きな」のどちらでしょうか?
- この ( ) 木は、樹齢千年を超えると言われている。
- 彼は、( ) 夢に向かって、努力を続けている。
- この部屋は、( ) ので、パーティーをするのにぴったりだ。
- 彼女は、( ) 声で、観客を魅了した。
- 今回の台風は、( ) 被害をもたらした。
解答
- 大きな
- 大きな
- 大きい
- 大きな
- 大きな
ポイント
- 迷ったら、後ろに続く名詞が具体的な物なのか、抽象的な概念なのかを考えてみましょう。
- 色々な例文に触れることで、感覚的に使い分けられるようになります。
い形容詞「大きい」と連体詞「大きな」の違いはわかりました。
では、他の、似ている、い形容詞と連体詞の例を見てみましょう。
「大きい」と「大きな」のように、似ているい形容詞と連体詞は他にもあります。
いくつか例を挙げて、それぞれの使い分けを説明します。
1. 小さい (い形容詞) / 小さな (連体詞)
小さい: 具体的な物のサイズが小さいことを表す
- 小さい 家
- 小さい 犬
- 小さい 声
- 小さい 字
小さな: 規模や程度が小さいことを表す
- 小さな 幸せ
- 小さな 希望
- 小さな 努力
- 小さな 変化
2. 新しい (い形容詞) / 新たな (連体詞)
新しい: 物事が新しく、時間的に最近であることを表す
- 新しい 服
- 新しい 車
- 新しい 情報
- 新しい 友達
- 新たな: 今までになかった新しい状態や、気持ちを新たにする様子を表す
- 新たな 挑戦
- 新たな 目標
- 新たな 発見
- 新たな スタート
3. 古い (い形容詞) / 古びた (連体詞)
古い: 物事が古く、時間的に昔のものであることを表す
- 古い 家
- 古い 服
- 古い 写真
- 古い 本
古びた: 古くなって、価値が下がったような印象を表す
- 古びた 家具
- 古びた 建物
- 古びた 道具
- 古びた 雰囲気
4. 正しい (い形容詞) / 正当な (連体詞)
正しい: 間違いがなく、道理にかなっていることを表す
- 正しい 答え
- 正しい 方法
- 正しい 判断
- 正しい 行動
正当な: 道理にかなっていて、非難される理由がないことを表す
- 正当な 理由
- 正当な 権利
- 正当な 評価
- 正当な 主張
い形容詞 (例)連体詞 (例)
小さい (家) | 小さな (幸せ) |
新しい (服) | 新たな (挑戦) |
古い (家) | 古びた (家具) |
正しい (答え) | 正当な (理由) |
ポイント
- い形容詞は、具体的な物の状態や性質を表すことが多い
- 連体詞は、抽象的な概念や、規模、程度などを表すことが多い
これらの例を参考に、それぞれの言葉の使い方をマスターしてくださいね。
もし、他に気になる言葉があれば、お気軽にご質問ください。
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