(2020.2.1一部構成変更・スケールやコードの構成音説明追記)
去る2019年12月12日に開催された、翻訳家・ライターであり「クイーンは何を歌っているのか?」著者の朝日順子さんと、プロベーシストでQUEENのトリビュートバンドQUEENESSにも参加されているのまぐちひろしさんによるトークイベント「ベーシストとソングライターとしてのジョン・ディーコン」(追加公演2本目)に行って参りました。
ジョン・ディーコン氏のファンになって1年ちょいとファン歴は浅いものの、曲がりなりにも彼のプレイを研究してきた私にとっては大変有意義なイベントであり、数あるQUEEN関連イベントの中でも大本命と位置づけて鼻息荒く足を運んで参りました。
1ヶ月経過してしまいましたが当日のメモをば。
【注意事項】
※レポートではありません。メモです。
※時系列では書いておりません。
※わたくしApathy K.が個人的に疑問に思っていたことの見解などを中心にピックアップしている為、自力で研究した成果と共通するものはメモしていません。
※箇条書きかつ私の脳内変換もあるので、回答頂いたそのままではありません。なお解釈はのまぐちさんや筆者である私の見解であり、正解は誰にもわかりません。
【質疑応答で筆者質問にご回答いただけたもの】
◆ジョンのフレットレスプレイについて
Q.彼のピッチ取りは迷い無く正確である(フレットレスはピッチがそこまで正確に出ないのが普通である。その揺らぎがフレットレスの特徴とも思ったが)。
正確なピッチ取りをする為のコツなどあれば。
A.ジョンはフレットレスの前にウッドベースから入っているのではないだろうか?
ウッドベースの長いネックからエレクトリックに移行する場合は押弦が楽になるので。
(筆者註:エレクトリックベースの前にウッドベースをやっていた、というのではなく、エレクトリックフレットレスベースの前にレコーディングでウッドベースを手にしていたという意味だと思います)
→プレイ上のコツとしては練習して慣れるしかないと解釈。
◆エフェクターについて
Q.基本的にステージ上ではイコライザー(EQ)、リミッター、プリアンプの3種を使用と推測している。
のまぐちさんの推測はいかがであろうか?
A.グライコの低音部を思い切り上げている、コンプレッサーはきつめにかかっているよね!
※この後、シ○コーさんのディーコン本を買って新事実が出てこないかと読んだものの、今まで以上に突っ込んだ話が無かった…と無念そうにしておられた
※エフェクター効果説明(筆者)
★イコライザー(EQ)、グラフィックイコライザー(グライコ)
→特定の周波数帯域を強調したり減衰させたりするもの。グライコは帯域ごとにわかりやすくコントローラーが並んでいる。
★リミッター、コンプレッサー
→音量のばらつきを抑えるもの。(最初のアタック音が最大音量になる為、音質を変える効果を狙って使う場合もある)
ぶっちゃけ言うとこれをかけるとバランス取れて上手く聴こえるよ(個人的には薄ーくかけてます)
★プリアンプ
アンプに通す前に音を増幅させるもの。音量を大きくしたり、音質をはっきりくっきり・固くしたい時に使う。
(この回路がベース内部に入っているものもあり、この回路をアクティブサーキット(回路)と言う。それに対して入っていないものをパッシブサーキットと言う。ジョンのメイン機であるプレシジョンはパッシブ)
以上の機能はレンタルスタジオに常備されているベースアンプにはたいてい付いていると思うので、実際にお試しください。
おうち練習用の小さなアンプでも簡易的なものは付いている機種あり。
【以下トーク内、他の方からの質問などで印象的だったもの箇条書き】
◆Another One Bites The Dust(のまぐちさん)
レコーディング音源のピッチがEmとFmの間に聴こえる。Emで録音してピッチを上げたものと思われる。
初めて耳にした時に、(E弦の)1フレット(Fm)だと思ったが、どう考えても(E弦の)開放弦(Em)の音がして疑問であった。
当時はライブ映像も無かったのでわからなかった。
録音テープの回転を上げてピッチを高くした理由を推測すると、(1)テンポが気に入らなかった、(2)タイトな音質にしたかった、のどちらかだと思う。(筆者は後者の理由だと思っている)
◆ピックプレイについて(のまぐちさん)
1979年頃から使用。使用基準は恐らくジョンの気分による。
ジョンはギターも同じピックで弾いていたようだ。恐らくナイロン製。
自分の弾きやすいピックで弾くことが大事。のまぐちさんがQUEENESSで使うベースに両面テープで貼ってある青いピックは飾り。普段は柔らかめのものを使っている。
(筆者註:のまぐちさんのピックを拝見したところ、ダンロップの亀マークのレギュラー型、濃いピンク色のものを使用されていた。0.71mmか0.96mm厚かな。ジョンは恐らく1.0mm厚。私は三角形のおにぎり型の1.0mm厚がフィットするのでそちらを使用)
◆ディーキー・アンプについて(のまぐちさん)
カーステレオを改造して作った話を聞いたことがある。自宅練習用のミニアンプではなかったか?
小さいアンプなので再生可能な音域帯が限られており、低音が出ない。薄い音。
ブライアンのギターは主旋律を3本重ね、副旋律も3本ずつ重ねている。
いいアンプの音で入れると響きすぎる。ディーキー・アンプはたくさん音を重ねた時にちょうど良い効果が出る。
◆Killer QueenのG♭からGへ下がるベースのフレーズ(のまぐちさん)
Top Of The Pops等の映像ではG弦1本で弾いているが、実際に出ている音と異なる。
あのポジションではもっとスライド的な音になって、音階がはっきりしないはず。
G弦、D弦、A弦のハイポジションを使ってちゃんと弾いていると思われる。
(2020.2.1追記:Q+ALのニールもちゃんとハイポジションでちゃんと弾いておられました!)
◆スラッププレイについて(朝日さんより「前回開催時にお客さんからスラップで弾いている曲は何?」という質問があったとの前振りで、のまぐちさん回答)
Cool Cat、ライブ版のAnother One Bites The Dust、Dragon Attack等
(筆者註:Somebody To Loveのライブバージョンのアレはアタック的に使うものでスラップに含まれない模様。Don't Try Suicideのイントロ~Aメロに触れなかったのが引っ掛かる。あれスラップと違うのかなあ?あとはわかりにくいけどOne Visionのレコーディング版イントロもサムピングだと思う)
◆The Millionaire Waltz(のまぐちさん)
アンサンブルが緻密にアレンジされた曲。ピアノとベースは同時に録音ではないだろうか。
ピアノがバッキングになってベースが乗る。
◆フラットワウンド弦とラウンドワウンド弦(のまぐちさん)
コピー当初ラウンド弦で弾いており、どうしてもジョンのサウンドが出せず。
映像からフラット弦であることがわかり、併用することに。
ジョンがいつからラウンド弦を使い出したのかはわからない(筆者註:イギリスのベース専門誌によると1985年との記述がある)。
※弦の説明(筆者)
ベースの弦は芯になる針金の周りに、別の針金が巻かれて構成されている。
この巻かれている針金のタイプで主に3タイプに分かれる。
★ラウンドワウンド
→巻き線の断面が丸い。手触りはざらざら。音の立ち上がりが良く、はっきりした音が出る。サスティン(音の伸び)も良い。
現在一般的に使われているものはこれ。1986年マジックツアーのメインベースは恐らくこのタイプが張ってある。
写真は筆者所持のミディアムスケールのベース。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/31/b7a3f496add74dea166bffd982a5e248.jpg)
★フラットワウンド
→巻き線が平べったい。手触りはつるつる。もこもこした音が出る。サスティンが伸びない。弾きづらい(特に右手が大変)ので初心者さんにはお勧めしたくないけど、70年代ジョンには欠かせない弦。
写真は筆者所持の5弦フレットレス。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cd/a537df8900bbc814bde255d9ea918998.jpg)
★セミフラットワウンド(ハーフラウンド)
→ラウンドワウンドの表面を削ってつるつるにしたもの。ラウンド弦とフラット弦の中間の音。使っている人は少ないかも知れない。
(弦は持っているけどまだベースに張っていないので写真なし)
◆Who Nees You(朝日さん、のまぐちさん)
ラテン風のアレンジ構成でフレディの声に良く合っている。
◆Hot Space(朝日さん)
ブライアンのMojo誌のインタビューによると「ホットな隙間」のこと。
ミュンヘンのスタジオ近くにあったシュガーシャック(クラブ)でQUEENを流してもらったら合わない、フリーの曲が流れたら隙間があって良かったという。
→のまぐちさんによる無音のグルーヴの比較実例あり。
(1)レガート気味に弾く
(2)左手と右手のミュートを入れてスタッカート気味に弾く
(3)スタッカート気味の別バージョン
(4)間に装飾音を入れる
(5)リズムを変えて盛り上げていく(16分を入れたりする)
◆You're My Best Friend(のまぐちさん)
ベースのフレーズが攻撃的。
あそこまでハイポジションは普通は使わない。
ピアノがベースの音域を弾けるので、ベースで高音域にいってもおかしくはない。
◆Liarのソロ(のまぐちさん)
シンプルだけど印象的。
ソロに入る前のギターとのユニゾン部分はマイナースケールで構成。
音が上がっていく時はドリアンスケール(装飾音D#があるので構成音だけでは厳密に言うとドリアンスケールではないけれども、の前置きあり)、下がっていく時はマイナースケール。
G弦を使わずD弦1本で弾いていく理由としては、(1)見た感じがかっこいい、(2)低音重視の音質を選択している(筆者註:弦が細いと音も細くなる)と推測。
※スケールの説明(筆者)
★Eドリアンスケール
構成音→E、F#(G♭)、G、A、B、C#(D♭)、D
★Eマイナースケール(エオリアンスケール、ナチュラルマイナースケールとも。要するに普通の短調音階。単調なのに#付きで記述している理由は、その方がギターやベース弾きにとってわかりやすいから。やたら♭が多いフレディの曲は弾きづらいよ!←個人の感想です)
構成音→E、F#(G♭)、G、A、B、C、D
構成音を順番に並べていくだけでLiarのソロになるのでお試しを。
◆ベースのフレーズの基本(のまぐちさん)
ディミニッシュコードの構成音を弾くのが良く出てくる。
'39(Bメロの♪And the stroy tellres say~♪のレコーディング音源Edim・ライブバージョンE♭dim)、Radio Ga Ga(Bメロの♪A back drop for the girls and boys~♪のA♭dim)等
※コードの説明(筆者)
★Edim構成音(レコーディング音源)→E、G、B♭、B
★E♭dim構成音(ライブバージョン)→構成音→E♭、G♭、A、C
★A♭dim構成音→A♭、C、E♭、B♭
コード構成音を弾いていればどうにかなる節がある。ジョンが弾くライブバージョンを聴く限りだと、構成音を守りつつ弾いている音の高さが毎回どこか違っている感じ。
シ○コーのディーコン本に掲載のニール・マーレイ氏コメント「「Somebody To Love」の全テイクを聴くとベースだけで50通りある」というのはそういう事かと。
器用な方なら、いつ・どこのライブバージョンでと弾き分ける人もいるかと(筆者には無理)。
◆おすすめベースライン(他の参加者さんからの質問)
You're My Best Friend、The Millionaire Waltz、Under Pressure(のまぐちさん)
Spread Your Wings(朝日さん)※朝日さんはこの曲そのものが大好きだそうで、ライブバージョンを聴いて壇上で感激のあまり涙ぐんでおられたのが印象的。
◆QUEENの曲を弾く時に心がけていること(他の参加者さんからのまぐちさんへの質問)
とにかく楽しく弾くこと!!!!!(筆者心の叫び:今本当に楽しいよ!ありがとうジョン!)
◆小学校の体育の先生の話(朝日さん)
アメリカの小学校。1,2,3,4,1,2,3,4の号令が1,2,3,41,,2,3,4(2小節目の1が半拍前にシンコペーションしている)だった。
◆ハイポジションについて(のまぐちさん)
プレシジョンベースはハイポジションが弾きにくい。ネックとボディのジョイント部分が邪魔になる。
(筆者駐:ハイポジションが弾きやすいように形状に工夫してあるベースは勿論あります。自分の元々のメイン機は24フレットあり、最高音Gも弾きやすいです)
去る2019年12月12日に開催された、翻訳家・ライターであり「クイーンは何を歌っているのか?」著者の朝日順子さんと、プロベーシストでQUEENのトリビュートバンドQUEENESSにも参加されているのまぐちひろしさんによるトークイベント「ベーシストとソングライターとしてのジョン・ディーコン」(追加公演2本目)に行って参りました。
ジョン・ディーコン氏のファンになって1年ちょいとファン歴は浅いものの、曲がりなりにも彼のプレイを研究してきた私にとっては大変有意義なイベントであり、数あるQUEEN関連イベントの中でも大本命と位置づけて鼻息荒く足を運んで参りました。
1ヶ月経過してしまいましたが当日のメモをば。
【注意事項】
※レポートではありません。メモです。
※時系列では書いておりません。
※わたくしApathy K.が個人的に疑問に思っていたことの見解などを中心にピックアップしている為、自力で研究した成果と共通するものはメモしていません。
※箇条書きかつ私の脳内変換もあるので、回答頂いたそのままではありません。なお解釈はのまぐちさんや筆者である私の見解であり、正解は誰にもわかりません。
【質疑応答で筆者質問にご回答いただけたもの】
◆ジョンのフレットレスプレイについて
Q.彼のピッチ取りは迷い無く正確である(フレットレスはピッチがそこまで正確に出ないのが普通である。その揺らぎがフレットレスの特徴とも思ったが)。
正確なピッチ取りをする為のコツなどあれば。
A.ジョンはフレットレスの前にウッドベースから入っているのではないだろうか?
ウッドベースの長いネックからエレクトリックに移行する場合は押弦が楽になるので。
(筆者註:エレクトリックベースの前にウッドベースをやっていた、というのではなく、エレクトリックフレットレスベースの前にレコーディングでウッドベースを手にしていたという意味だと思います)
→プレイ上のコツとしては練習して慣れるしかないと解釈。
◆エフェクターについて
Q.基本的にステージ上ではイコライザー(EQ)、リミッター、プリアンプの3種を使用と推測している。
のまぐちさんの推測はいかがであろうか?
A.グライコの低音部を思い切り上げている、コンプレッサーはきつめにかかっているよね!
※この後、シ○コーさんのディーコン本を買って新事実が出てこないかと読んだものの、今まで以上に突っ込んだ話が無かった…と無念そうにしておられた
※エフェクター効果説明(筆者)
★イコライザー(EQ)、グラフィックイコライザー(グライコ)
→特定の周波数帯域を強調したり減衰させたりするもの。グライコは帯域ごとにわかりやすくコントローラーが並んでいる。
★リミッター、コンプレッサー
→音量のばらつきを抑えるもの。(最初のアタック音が最大音量になる為、音質を変える効果を狙って使う場合もある)
ぶっちゃけ言うとこれをかけるとバランス取れて上手く聴こえるよ(個人的には薄ーくかけてます)
★プリアンプ
アンプに通す前に音を増幅させるもの。音量を大きくしたり、音質をはっきりくっきり・固くしたい時に使う。
(この回路がベース内部に入っているものもあり、この回路をアクティブサーキット(回路)と言う。それに対して入っていないものをパッシブサーキットと言う。ジョンのメイン機であるプレシジョンはパッシブ)
以上の機能はレンタルスタジオに常備されているベースアンプにはたいてい付いていると思うので、実際にお試しください。
おうち練習用の小さなアンプでも簡易的なものは付いている機種あり。
【以下トーク内、他の方からの質問などで印象的だったもの箇条書き】
◆Another One Bites The Dust(のまぐちさん)
レコーディング音源のピッチがEmとFmの間に聴こえる。Emで録音してピッチを上げたものと思われる。
初めて耳にした時に、(E弦の)1フレット(Fm)だと思ったが、どう考えても(E弦の)開放弦(Em)の音がして疑問であった。
当時はライブ映像も無かったのでわからなかった。
録音テープの回転を上げてピッチを高くした理由を推測すると、(1)テンポが気に入らなかった、(2)タイトな音質にしたかった、のどちらかだと思う。(筆者は後者の理由だと思っている)
◆ピックプレイについて(のまぐちさん)
1979年頃から使用。使用基準は恐らくジョンの気分による。
ジョンはギターも同じピックで弾いていたようだ。恐らくナイロン製。
自分の弾きやすいピックで弾くことが大事。のまぐちさんがQUEENESSで使うベースに両面テープで貼ってある青いピックは飾り。普段は柔らかめのものを使っている。
(筆者註:のまぐちさんのピックを拝見したところ、ダンロップの亀マークのレギュラー型、濃いピンク色のものを使用されていた。0.71mmか0.96mm厚かな。ジョンは恐らく1.0mm厚。私は三角形のおにぎり型の1.0mm厚がフィットするのでそちらを使用)
◆ディーキー・アンプについて(のまぐちさん)
カーステレオを改造して作った話を聞いたことがある。自宅練習用のミニアンプではなかったか?
小さいアンプなので再生可能な音域帯が限られており、低音が出ない。薄い音。
ブライアンのギターは主旋律を3本重ね、副旋律も3本ずつ重ねている。
いいアンプの音で入れると響きすぎる。ディーキー・アンプはたくさん音を重ねた時にちょうど良い効果が出る。
◆Killer QueenのG♭からGへ下がるベースのフレーズ(のまぐちさん)
Top Of The Pops等の映像ではG弦1本で弾いているが、実際に出ている音と異なる。
あのポジションではもっとスライド的な音になって、音階がはっきりしないはず。
G弦、D弦、A弦のハイポジションを使ってちゃんと弾いていると思われる。
(2020.2.1追記:Q+ALのニールもちゃんとハイポジションでちゃんと弾いておられました!)
◆スラッププレイについて(朝日さんより「前回開催時にお客さんからスラップで弾いている曲は何?」という質問があったとの前振りで、のまぐちさん回答)
Cool Cat、ライブ版のAnother One Bites The Dust、Dragon Attack等
(筆者註:Somebody To Loveのライブバージョンのアレはアタック的に使うものでスラップに含まれない模様。Don't Try Suicideのイントロ~Aメロに触れなかったのが引っ掛かる。あれスラップと違うのかなあ?あとはわかりにくいけどOne Visionのレコーディング版イントロもサムピングだと思う)
◆The Millionaire Waltz(のまぐちさん)
アンサンブルが緻密にアレンジされた曲。ピアノとベースは同時に録音ではないだろうか。
ピアノがバッキングになってベースが乗る。
◆フラットワウンド弦とラウンドワウンド弦(のまぐちさん)
コピー当初ラウンド弦で弾いており、どうしてもジョンのサウンドが出せず。
映像からフラット弦であることがわかり、併用することに。
ジョンがいつからラウンド弦を使い出したのかはわからない(筆者註:イギリスのベース専門誌によると1985年との記述がある)。
※弦の説明(筆者)
ベースの弦は芯になる針金の周りに、別の針金が巻かれて構成されている。
この巻かれている針金のタイプで主に3タイプに分かれる。
★ラウンドワウンド
→巻き線の断面が丸い。手触りはざらざら。音の立ち上がりが良く、はっきりした音が出る。サスティン(音の伸び)も良い。
現在一般的に使われているものはこれ。1986年マジックツアーのメインベースは恐らくこのタイプが張ってある。
写真は筆者所持のミディアムスケールのベース。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/31/b7a3f496add74dea166bffd982a5e248.jpg)
★フラットワウンド
→巻き線が平べったい。手触りはつるつる。もこもこした音が出る。サスティンが伸びない。弾きづらい(特に右手が大変)ので初心者さんにはお勧めしたくないけど、70年代ジョンには欠かせない弦。
写真は筆者所持の5弦フレットレス。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cd/a537df8900bbc814bde255d9ea918998.jpg)
★セミフラットワウンド(ハーフラウンド)
→ラウンドワウンドの表面を削ってつるつるにしたもの。ラウンド弦とフラット弦の中間の音。使っている人は少ないかも知れない。
(弦は持っているけどまだベースに張っていないので写真なし)
◆Who Nees You(朝日さん、のまぐちさん)
ラテン風のアレンジ構成でフレディの声に良く合っている。
◆Hot Space(朝日さん)
ブライアンのMojo誌のインタビューによると「ホットな隙間」のこと。
ミュンヘンのスタジオ近くにあったシュガーシャック(クラブ)でQUEENを流してもらったら合わない、フリーの曲が流れたら隙間があって良かったという。
→のまぐちさんによる無音のグルーヴの比較実例あり。
(1)レガート気味に弾く
(2)左手と右手のミュートを入れてスタッカート気味に弾く
(3)スタッカート気味の別バージョン
(4)間に装飾音を入れる
(5)リズムを変えて盛り上げていく(16分を入れたりする)
◆You're My Best Friend(のまぐちさん)
ベースのフレーズが攻撃的。
あそこまでハイポジションは普通は使わない。
ピアノがベースの音域を弾けるので、ベースで高音域にいってもおかしくはない。
◆Liarのソロ(のまぐちさん)
シンプルだけど印象的。
ソロに入る前のギターとのユニゾン部分はマイナースケールで構成。
音が上がっていく時はドリアンスケール(装飾音D#があるので構成音だけでは厳密に言うとドリアンスケールではないけれども、の前置きあり)、下がっていく時はマイナースケール。
G弦を使わずD弦1本で弾いていく理由としては、(1)見た感じがかっこいい、(2)低音重視の音質を選択している(筆者註:弦が細いと音も細くなる)と推測。
※スケールの説明(筆者)
★Eドリアンスケール
構成音→E、F#(G♭)、G、A、B、C#(D♭)、D
★Eマイナースケール(エオリアンスケール、ナチュラルマイナースケールとも。要するに普通の短調音階。単調なのに#付きで記述している理由は、その方がギターやベース弾きにとってわかりやすいから。やたら♭が多いフレディの曲は弾きづらいよ!←個人の感想です)
構成音→E、F#(G♭)、G、A、B、C、D
構成音を順番に並べていくだけでLiarのソロになるのでお試しを。
◆ベースのフレーズの基本(のまぐちさん)
ディミニッシュコードの構成音を弾くのが良く出てくる。
'39(Bメロの♪And the stroy tellres say~♪のレコーディング音源Edim・ライブバージョンE♭dim)、Radio Ga Ga(Bメロの♪A back drop for the girls and boys~♪のA♭dim)等
※コードの説明(筆者)
★Edim構成音(レコーディング音源)→E、G、B♭、B
★E♭dim構成音(ライブバージョン)→構成音→E♭、G♭、A、C
★A♭dim構成音→A♭、C、E♭、B♭
コード構成音を弾いていればどうにかなる節がある。ジョンが弾くライブバージョンを聴く限りだと、構成音を守りつつ弾いている音の高さが毎回どこか違っている感じ。
シ○コーのディーコン本に掲載のニール・マーレイ氏コメント「「Somebody To Love」の全テイクを聴くとベースだけで50通りある」というのはそういう事かと。
器用な方なら、いつ・どこのライブバージョンでと弾き分ける人もいるかと(筆者には無理)。
◆おすすめベースライン(他の参加者さんからの質問)
You're My Best Friend、The Millionaire Waltz、Under Pressure(のまぐちさん)
Spread Your Wings(朝日さん)※朝日さんはこの曲そのものが大好きだそうで、ライブバージョンを聴いて壇上で感激のあまり涙ぐんでおられたのが印象的。
◆QUEENの曲を弾く時に心がけていること(他の参加者さんからのまぐちさんへの質問)
とにかく楽しく弾くこと!!!!!(筆者心の叫び:今本当に楽しいよ!ありがとうジョン!)
◆小学校の体育の先生の話(朝日さん)
アメリカの小学校。1,2,3,4,1,2,3,4の号令が1,2,3,41,,2,3,4(2小節目の1が半拍前にシンコペーションしている)だった。
◆ハイポジションについて(のまぐちさん)
プレシジョンベースはハイポジションが弾きにくい。ネックとボディのジョイント部分が邪魔になる。
(筆者駐:ハイポジションが弾きやすいように形状に工夫してあるベースは勿論あります。自分の元々のメイン機は24フレットあり、最高音Gも弾きやすいです)