『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「男はつらいよ お帰り寅さん」 いろいろメモっときたいことが

2020年01月19日 | 映画
正直、最初、「今、この時代に寅さんがいたら…」みたいな企画意図が発表され、「50周年やからって無理に作らんでも…」って思いました。「寅さんの名場面集みたいになってたりしたらやだね~」、「寅さんが神格化され、昭和のレジェンド的扱いになるんもな~」みたいな感じになるかもとイヤでした。

私が映画バカになり始めた、80年代「寅さん」は、マンネリ寅さんでした。今でこそ、80年代寅さんも、見るべき箇所が多く、でもそれは、長年続けてきた蓄積あってゆえのもので、当時の「ガンダム」「SW」「SFX」「ホラー」「アニメ」を喜んでたバカもの(私のことですよ)は、そもそも「寅さん」を評価の対象ともしてませんでした。なんで、第2回東京ファンタスティック映画祭で、渥美清さんが、お忍びで映画をご覧になられた時も、藤岡弘や、トビー・フーパーには群がっても、寅さんからは、いとも簡単にサインをいただけました。「渥美さんも、こんなん好きなんですか~」「いや~、映画、好きなんですよ」と、本当にふらりと見に来た感じでした。なんの映画を見に来てたか忘れてしまいましたが、「え~?こんな映画まで見はんの?」という記憶があります。

おっと、だいぶ話題がそれましたね。
さて、この映画、見る前から漏れ聞こえる評判は良く(徹子の部屋 山田洋次の回)、山田洋次VS横尾忠則も、年末の週刊文春「お帰り寅さん」の特集記事で、やたら「横尾さんの~」「横尾さんから~」と山田洋次が2~3回言ってることから、年初の週刊ポストよっこんのお怒りプンプン丸は、なんかハメられた感もありました。
また、それました。

さて、この映画、オープニングから桑田歌唱までで、すでにかなり気持ちが持っていかれました。「寅さん」は、それぞれの人に、それぞれの寅さんがいて、寅さんイズム(たこ社長イズムも)を継承している。さらに見続けていくと、それぞれの人に、それぞれのかけがえのない出会いと別れがあって、イヤ~な出来事も、転じて名場面に変わってしまうんやろな~と想像させてくれたり、「生きててよかったな~と思う時って、なんべんかあるじゃない」があって、満男が泉ちゃんに出会う奇跡も、私のこの先の人生においても、ひょっとしたら、なにかあるんじゃないと期待させて、しまいにしてくれました。そんな私は、満男と、ほぼ同い年です。

デジタル技術で、違和感のない寅さん以上に、昭和の女優たちが、こんなに美しく、大画面で見れたことも
奇跡です。これもマドンナとして、本当にいろんな女優を起用してくれた、洋次のおかげです。ここだけでも、寅さん記念館でマドンナのとこは熱心に鑑賞していた、「寅さんを1作たりとも見たことがない」母親(M-1かまいたちで言う勝ちの人)にも、見せたいなと思いました。そういえば、「Zガンダム」の映画化の際、昔のTV映像をそのまま使用するため、エイジングという謎の技術を使い、逆「めぐりあい宇宙」編みたいなことになって、見てられなかったことを思い出しました。アニメには、この技術より、「ファイナルファンタジー7 リメイク」みたいに、徹底的に作り直す方がいいんでは、「ガンダム THE ORIJIN」はよかったな~と思いつつ、また話が大それです。

最後にキャストについて一言。同じ役者で違う役(こういうの何て言うんでしょうか?)は、この長寿シリーズゆえの、お楽しみのひとつです。浅丘ルリ子は、リリー役を貫きましたが、3回マドンナとして登場した竹下景子は、違うマドンナとしての出演です。2代目おいちゃんを演じた松村達夫は、3代目おいちゃんを、下條正巳に譲ったあとも、違う役でちょこちょこ出てました。「家族はつらいよ」シリーズでも、小林稔侍がそういう同じ役者で違う役をやってましたが、今回ついに「男はつらいよ」に出演しました。で、そういうお楽しみを「男はつらいよ」で担当、11作も出た笹野高史が、忘れられず出てました。そして、ついに御前様役に大昇格です!長くやってきたら、いいことってあるんやな~~。

なお、この映画、広い層に「寅さん」体験をということで、小中学生が100円で見れるキャンペーンをしていて、中三の息子を誘ったのに、軽く嫌がられたことを付記しておきます。


★★★★




『Seventh Code セブンス・コード』 クロサワはロシアで撮る

2014年01月26日 | 映画

いや~、平日満員の映画館って何年ぶりやろ。
1週間限定上映でキャパ100人くらいにミニシアターとはいえ、60分の映画にほぼ満員って、すごいこととちゃう?

ここからネタバレ

三田紀房の漫画「インベスターZ」に、めっちゃ面白ない映画を見せてどいう行動をとるか試すというシーンがあって、時間の無駄と出てきた主人公は投資の才能があるという、ようするに損切りできるかどうか見極めるという話なんやけど、
私は、いまだかつて映画の途中で出たことがありません。
投資の才能はないということです。
この漫画では「映画は最初の5分で面白いかつまらないかわかる」と憎たらしい暴論を吐きよるわけですが、主人公にこの映画を見せたら、アイアム前田敦子っぷりに、たぶん数分で出てたと思う。
そして、そいつにこう言ってやりたい。
「あの後、最後の10分で前田敦子が○△×□で、え~、あれ見てないの~!?もったいね~。」と。
投資に例えたら、あのあとその株大暴騰したのをみすみす逃しましたね、あなた、と。

出て行った君の気持ちもわかるよ~。
ウラジオストクまで男に会いに来る女:前田敦子。
スーツケースをガラガラひっぱて、車道にまで出て追い掛け回す敦子。
ロシア語が喋れる敦子。
どこでも寝れる敦子。
暗証番号を知ってる敦子。
去年のクリスマスプレゼントに子どもにあげた立体迷路(が出てきた、わーい!わーい!)で遊ぶ敦子。
どの敦子で愛想つかしましたか?
最後まで見たらちゃんと、辻褄あってるでしょ。


落下もスクリーンプロセスもなかったけど、十分クロサワ感を楽しめました。
WOWOWの『J-MOVIE WARS』も思い出したぞ。
もちろん、沢弥かなのアレだ!


★★★


『永遠の0』 ナイトスクープ

2014年01月26日 | 映画
スルーでええかなと思ったけど、ブロガーのベスト10に入った作品は見とかなあかんと思ってる間に、井筒監督と百田尚樹の激しいバトルが勃発。
いらん先入観が、邪魔しそうでしたが、NHKの番組「ファミリー・ヒストリー」みたいに楽しめました。
この番組、俳優・タレントらが、自分の家族・先祖の歴史を調べてもらい、意外な事実を知るという番組(余談だが、浅野忠信の回はめちゃくちゃ面白い。個人的には武蔵と、具志堅用高の回が好き)。
こういうのって、「探偵ナイトスクープ」でもよくあったよね。
西田局長がめっちゃ泣くやつ。
そんで、「探偵ナイトスクープ」といえば、この映画の原作者:百田尚樹が、番組の構成作家を長年手がけてた番組。
そら、百田先生もこの映画化には太鼓判押すはずや!
そんで、井筒監督、あんたも顧問でよう出とったやん~。
だとしたら、あのバトルはプロレスか!?

娘が、小学校の歴史で太平洋戦争のとこ習てきて、「正月、じーじーんとこ行ったら、戦争の頃の話聞く~」と言うてました。
貴重な戦後の暮らしっぷりや、防空壕体験なんかも聞けました。
祖父が、長谷川一夫と同じ隊にいたということも!
写真ないか今度ゆっくり調べたいと思います。

あと、エースパイロットが、エポックメークな戦局を転戦していくとこが、ちょっと「ガンダム」。
あ~、この流れで行くと最後「ククルス・ドアンの島」になってもたらイヤやな~と思ったけど杞憂に終わってよかった。

山崎貴監督のSFX使い(あ、VFXでしたね。すいません。)は、なかなか。
和製キャメロンになりつつあります。
空母赤城を回り込むとこなんか、もう山崎節みたいな芸風になってます。
次の『寄生獣』でも思いっきり回り込みまくってほしい。
前に「ALWAYS 三丁目の夕日」のレビュー
>同じ特撮マンでありながら、“特技監督”という日本の映画界ではこだわっている呼称とその精神を引き継いだ樋口真嗣監督とは対照的に、デビュー以来“VFX”という呼称で通した山崎貴監督は、この映画の大ヒットでこの先何年か、ある程度の予算で、東宝で映画を作らせてもらえる権利を確保したでしょう。ほぼ同世代、よきライバルとして切磋琢磨してほしいもんである。
と、書いていたんやけど、いよいよ『寄生獣』VS『進撃の巨人』で実現しそうです。
わーい!


★★★

『王になった男』 大鐘賞と青龍賞と歴代観客動員1位

2013年02月28日 | 映画

ここ数年韓国ドラマにハマってます。
特に歴史ドラマに夢中です。
短くても20話、長いものになると200話くらいあったりするんですが、あ~見てて本当に良かったと思うエピソードや、ハンパないカタルシスを迎える瞬間が何回もあるんで、長くても、ま~たっく苦に感じないのです。
ところが、この映画、そのええとこばっかりを2時間で見せてくれよりました。
実はこの感じ、チュ・チャンミン監督の前作『拝啓、愛しています』の時にもあったんですよね~。
この監督本物やわ~。
これまで、手がけた4作は全て脚本も自分で書いてたけど、今回は『オールドボーイ』のファン・ジョユンに一任。
監督も脚本家も歴史モノは初やね。
「資料に記述がなければ、思いっきりフィクションで」っていうのが、韓国の歴史ドラマの面白いところで、見やすいところでもあるんですが、中でも『トンイ』『イ・サン』のイ・ビョンフン監督のそれは、自由すぎるというか・・・やりすぎの批判もがあるけど、私は大好きです。
ラストシーンが、ちょっと『チャングム』っぽいところは、うれしかったなぁ~。
イ・ビョンホンも意外な事に、歴史モノは初なんやね。
『風の絵師』で、めっちゃ悪役なのに「お前さん(原監督以外でコレ言う人初めて)」と言ったばっかりに、イマイチ憎めなかった大森南朋似のリュ・スンリョンと、
『トンイ』に比べてかなり薄いメイクと地味衣装(兄の件があるからやろね~)のハン・ヒョジュの歴史もんベテラン二人が、ええサポートしてくれたんやろ、全く問題なく、ちゃんと雰囲気になじんでました。
たぶん、こちらの方も初のはずの、二役演技のところは、『トガニ』校長役の時はめっちゃにくそかったのに、内官衣装を被れば温水洋一似のおっちゃんチャン・グァンがアドバイスしてるはず!!
そうそう、フランシス・マクドーマンドと似たアゴのラインのキム・ギドク映画常連パク・ジアも、毒殺未遂尚宮として出演してました。

衣装、美術、照明、食事・お菓子のフードコーディネート!
今まで見たどの歴史モノよりも見事やったです!
ほの暗ーく、鳥の鳴き声しか聞こえない寝所に、一人でおったら、父親、兄、弟(9才!)を暗殺したとされる王様は、そら、狂いそうになるわな。
ご飯にちょっとでも小石が入ってただけで味おかしくなんのに、銀の箸の色変わったら、あんなに美味そうな食事もばくばく食べれんわな。
王様の残したものが、女官の食事になるなんて初めて知りました。

この映画、大鐘賞15冠!
韓国には、日本アカデミー賞みたいな大鐘賞と、スポーツ紙主催でブルーリボン賞みたいな青龍賞があります。
でも、この独占受賞は、あんまり好ましく思われてないみたい。
そういうとこも日本アカデミー賞っぽいね。
で、ちょっと気になったんで受賞作品を並べてみました。


     大鐘賞     青龍賞
2000年 『ペパーミントキャンディ』 『JSA』 
2001年 『JSA』          『春の日は過ぎゆく』
2002年 『おばあちゃんの家』 『酔画仙』
2003年 『殺人の追憶』 『春夏秋冬そして春』
2004年 『春夏秋冬そして春』 『シルミド』
2005年 『マラソン』 『親切なクムジャさん』
2006年 『王の男』 『グエムル』
2007年 『家族の誕生』 『優雅な世界』
2008年 『チェイサー』 『私たち生涯最高の瞬間』
2009年 『神機箭(シンギジョン)』 『母なる照明』
2010年 『ポエトリー』 『義兄弟』
2011年 『高地戦』 『生き残るための三つの取引』
2012年 『王になった男』 『ピエタ』

2008年までは大鐘賞が6月発表なので、受賞作品にずれがあります。
なんや、大鐘賞のチョイス、そう悪くないやん。
ちなみに『王になった男』は青龍賞の方は美術賞のみでした。
意地悪しすぎとちゃう!
ついでに、かなりヒットしてるというので、年度別の観客動員1位も調べました。
1999年1位『シュリ』
2000年1位『JSA』
2001年1位『友へ チング』
2002年1位『家門の栄光』
2003年1位『シルミド』・・・『王になった男』を監督予定だったカン・ウソク監督作
2004年1位『ブラザーフッド』
2005年1位『トンマッコルへようこそ』・・・王様役予定だったチョン・ジェヨン出演
2006年1位『グエムル』
2007年1位『D-WARS』
2008年1位『グッド、バッド、ウィアード』・・・イ・ビョンホン出演
2009年1位『TSUNAMI-ツナミ-』・・・卜部将役キム・イングォン出演
2010年1位『アジョシ』・・・イ・テユン撮影
2011年1位『神弓-KAMIYUMI-』・・・ホ・ギュン都承旨役リュ・スンリョン出演

2012年は、もちろん『王になった男』~と言いたい所ですが、運が悪かった。
去年、『グエムル』を抜いて歴代観客動員1位を記録した映画が出たんです。
『泥棒たち』。
チョン・ジヒョン改めGianna Junの復帰作で韓国版『オーシャンンズ11』みたいな映画やそうです。
それでも、『王になった男』は歴代3位。
こんだけ、観客動員1位に縁のあった作品やったのに~。


★★★1/2

『ムーンライズ・キングダム』 小さな恋のメロディばっか

2013年02月27日 | 映画

『小さな恋のメロディ』が引き合いに出されてて、予告編見て、これいけそうと思ったんやけど、やっぱ、ウェス・アンダーソン監督、苦手やわ~。
なにが、いかんて主人公の小生意気なメガネ男の子。
見てくれも、性格も共感できかねましたので、その恋を応援しきれず。。。
女の子、カワイイんやけどね~。
二人とも、12歳って設定やのん。
ムスメとひとつ違いか・・・。
西洋のムスメさんはおませさんやね~。
あんま、書くことないんで、『小さな恋のメロディ』のこと思い出してたんやけど、いろいろい勘違いしてたことが判明。
『小さな恋のメロディ』って、ベネチアの橋行くやつやったっけ?
『小さな恋のメロディ』の主演の男の子って、大きなって『処刑教室』の監督してんやんな~。
題名『小さな恋のメロディー』やろ。


★★1/2

『ライフ・オブ・パイ』 3月14日はパイの日だってよ

2013年02月21日 | 映画


『トラと漂流した227日』という副題のおかげで、漂流アドベンチャーかと思ったけど、なにかスゲーものを見た感じ。
途中、『銀河鉄道999』で出てきそうな惑星じゃなかった食人植物の島みたいなとこに途中下車や、水の奥の曼荼羅世界を垣間見たりしたあげく、トラとのお別れシーンで、こっち振り向く?振り向かない?みたいな『あらいぐまラスカル』の最終回からもうひとひねり!沈没船ジョークみたいな、謎かけが語られます。
アン・リーあんた何者やねん!!
思えば、アン・リーほど多彩なジャンルの映画を作ってる監督は、なかなかおらん。
『恋人たちの食卓』までは家族モノの得意な監督と思いきや、
その後いきなり英国貴族モノの『いつか晴れた日に』。
『アイス・ストーム』で再び家族モノを手がけるも、題材は70年代アメリカの家族。
『楽園をください』で南北戦争も描き、
『グリーン・デスティニー』ではワイアヤーアクションも駆使した武侠映画の後に、CG駆使のアメコミ『ハルク』。
『ブロークバック・マウンテン』でゲイを題材にした後に、ハードコアポルノありの『ラスト・コーション』。
しかも、これら作品はレベルも高くて、『恋人たちの食卓』と『いつか晴れた日に』は、私の★★★★映画です。

で、このアン・リー、映画では、漂流前にわりと長いこと学園生活シーンを描きます。
中でも、自分の名前“パイ”にまつわる話~オヤジにつけられた“ピシン・モリトール”って名前が、フランスの有名なプールからってまさかのキラキラネーム。ピシンがオシッコって意味にとられてイジメの対象になるため自分からπと命名~は、“アン”って名前で同じ目にあってたのかと思うくらい丁寧に描いてます。
うちの小学校では二年生の参観に「自分の名前」についての授業がありますが、キラキラのさせすぎには、くれぐれもご注意を!
ちなみに、ムスメは、生まれた顔を見た瞬間ひらめいた名前(ヨメ談)で、意味は後付け。
ムスコは、『トンイ』で「中庸」からの引用がいい言葉だったので、いただきました。

それにしても、CGタイガーのできには驚くばかり。
やつれたトラを見て、「体罰!MPAAに訴えてやる!!」と思うほどでしたが、後で知ってびっくりです。
『ロード・オブ・ザ・リング』でWETAスタジオがニュージーランドにできたように、この映画で台湾の高雄市にデジタル・スタジオできるそうです。

『ガンジー』『スラムドッグ・ミリオネア』に続く、インド絡みでアカデミー作品賞、続くかな~。
おっと『インドへの道』は、ダメだったね。

★★★1/2

『東京家族』 涙王妻夫木

2013年02月06日 | 映画
「のう昌次、母さん死んだぞ」で妻夫木泣く予告、さんざん見た(主戦場のシネコンが松竹系のMOVIXやから、ほんまにようけ見たで~)けど、本編で泣けるかな~。
いや、泣けるでしょ。
山田洋次作品は、わかってても泣かせよるし、
出てるの、涙の王様、妻夫木クンやで~。
『涙そうそう』では、鼻つまんで我慢泣き、
『ブタがいた教室』では、子供と一緒に泣き、
『悪人』では、イン&ヤンな泣き、
『マイ・バック・ページ』では、山下敦広に絶賛された泣き、
泣いてるかどうか知らんけど『ノーボーイ、ノークライ』なんて映画もあるわ!

『東京物語』にインスパイアということで、ほんま細かいとこまでこだわっとった。
最初の日にふるまう料理が、「スキヤキでいいかしら、お刺身もつけましょうか」といったセリフまで同じにしたり、
美容院の名前「うらら(ウララ)美容院」の看板といった小道具、
紙飛行機で遊ぶ孫が、ラジコンヘリで遊ぶに変更と、
そのまんまもあれば、現代であるがゆえに微妙に変更と臨機応変にしてるんやけど、ココどないかしてほしかった。
もう最初でひっかかってしもた。
それは、老夫婦が東京で一人行動できない点。
しかもこの人、教鞭とってたのに。
まだ痴呆がでてるって感じでもないのに、こんなにお供しないといけないわけ?
映画って、ミョーなとこでひっかかってしまうとダメなんで、この後ちょっとしんどかったんですが、
『東京物語』には登場しないキャラ妻夫木のとこと、蒼井優のとこは、いつもの山田調で楽しんで見れました。
妻夫木のキャラ設定は『息子』の永瀬正敏にちょいと似てるよねー。
で、聾唖の和久井映見じゃなかった、蒼井優と知り合ったのが「3・11」以後に付け加えられたとこやけど、このエピソードで、あんた実はいいヤツでんなぁ~ってこんな感じのん、最近見たでー。
『純と愛』で、妻夫木以上にダメなもうホントにダメな、純の兄貴(もこみち)が、実は好青年であることがわかるシーン。
1月17日放送の回、この兄貴が突然合掌するシーンがあって、もこみちが「え、みんな、やんないの?」「お兄ちゃん、毎年やってんの?」ってシーン(セリフうろおぼえ)。
あなたから、今日はあの日から18年ですと教えられるとは思いませんでしたー。
しかしながら、もこみちはまたイヤなヤツに戻っています。
そいえば、3.11後の帰宅難民中に知り合ったカップルという設定のドラマ『最高の離婚』では、タイトル通り瑛太と尾野真千子が離婚しました。
この後、どうなるんか楽しみです。

脱線してまいました。
『東京家族』に戻りますが、風吹ジュンの居酒屋にいた先客、『寅さん』で「とらや」のラストバイト担当の二人が出てました。
そいううとことか、夏川結衣が、さくら:倍賞千恵子の立ち居振る舞いと声が似てるなぁーとか、
橋爪功が爪切る姿は、『息子』の三國連太郎の後姿と被りましたわーとか、
山田洋次には山田洋二らしい作品を求めてしまいます!
橋爪功のこの役ですが、当初、菅原文太がやる予定やったんですけど、えげつな~い広島弁聞きたかったなぁ~・・・。
ピン芸人:三浦マイルドの広島弁ネタとか、『まほろ駅前番外地』の吉村刑事とか、ちょっと広島弁ブーム?


★★★

『拝啓、愛しています』 「イ・サン」の英祖がAVを見てるでチョ~ナ~

2013年02月01日 | 映画
韓国の歴史ドラマ監督イ・ビョンフン作でおなじみのあの怖い爺さん!
『ホジュン』『商道(サンド)』『イ・サン』で、主人公を導くメンター、厳しく高い壁の役を努めてましたイ・スンジェが、まさかのチャーミングなハラボジを演じています。
いつも通り、頑固は頑固なんですが、目の奥はやさしさに満ち溢れています!
いつも怖かった、あの爺さんが、笑てます!
ヤキモチやきます。
カフェにも行きます。
黒手袋をパンパンします。
お誕生日の歌も歌います。
鼻水も出します。
AVも見ます。
あの英祖がですよ~。
この爺さんが、英語題「late blossom」の通り、人生最終版にして、恋をするわけですが、これだけにとどまらず、もう一組の老夫婦が出てきます。
こっちは、社会問題(認知症介護)担当なんですが、この二つがええ具合に絡み合って、愛すべき映画に仕上がりました。
大好き、この映画!!

原作は、韓国の人気ネット漫画家カン・プル。
日本でも発売された『純情物語』を読んだ感じでは、ドベタな韓流ドラマの漫画版といった感じやけど、じんわりハマるエピソードの積み上げがうまく、映像化に向いてると思いました。
映画にもなってるんやけど、どやろね。

この題名すごくいいです!!
原題は「クデルル サランハムニダ」。
直訳で「あなたを愛してます」やけど、映画で語られる通り、同じ「あなた」でも、「クデ」と「タンシン」があって、この爺さんが、その使い分けを語っています。
このこだわりの「あなた」を、もうひとつのキーアイテム手紙からの連想で「拝啓」に置き換えるなんて、この題名はファインプレーです!
ドラマ版もあって、そっちはそのまま「あなたを愛してます」になっとった。
お~!イ・スンジェが引き続き同じ役で出てるやん!!
キム・ヒョンジュンが出てるから、老人四人の話だけではなさそうやね~。
見たい!!!


★★★★

『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントム・ルージュ)』 奇跡の映画化

2013年01月27日 | 映画
登場週興収1位!
『HUNTER×HUNTER』、こんなに人気あったんか~。
漫画人気、高いんはわかるよ。
私も、今ジャンプで連載中のんで、唯一読み続けてるんやけど(キメラアント編が終わって、またおもろなってきた)、アニメ版も人気があったとはね~。
だって、放映時間なんか、関西は月曜日の深夜3時。
しかも、何回か遅れての放送で、この映画の上映初日日には「幻影旅団編」はまだ終わってない。
ついでに、キム・ジョンイルが死亡した日は、ニュースで番組が飛びました(後日放送キモ冷やす)。
一番くじも、買うには、かなり遠いとこいかなないです。
だから、私にとっては『鈴木先生』より奇跡の映画化って感じするんよね~(ちなみに、前回のテレビアニメ化時には、映画版は制作されず)。
で、子どもも好きなんで、ヨメ抜きで見てまいりました~。

テレビで何回も予告編見てたり、前売り特典がクラピカ中心なんで、おもくそクラピカメインの話やと思ってたけど、普通にゴンとキルアが活躍する話でした。
ムスメはクラピカファンのはずでしたが、鑑賞後はなぜか幻影旅団ファンになってました。
子どものお供で、見に行ってるんで、それほど思いいれもないからか、番外編、外伝的なわりに、97分ようまとまってると思います。
ゲスト声優の、藤木直人も、最近のタレント吹き替え悪説(まぁ犯人は多人数の人や、ゴリ押しの人たちなんやけど)がはびこる中、よくやってました。
そうそう声優といえば、主人公ゴンの潘めぐみは、ララァ・スンの声優潘恵子のムスメです。
テレビ版の1回目に共演(しかも親子の別れ的シーン)があって、ちょっとジーンとしました。


★★★

入場特典の描き下ろしコミックス、先着100万人(興収10億相当)やから、2週間後やったらもうないやろと、思てたけど、奇跡のゲット~。
この本、めっちゃええやん!
前売り特典のクリアファイルもええし、こども料金はめっちゃお得感がありました~。

『LOOPER/ルーパー』 町山さんの1位

2013年01月25日 | 映画
ネタバレありなので注意

お~、人はこうして薄毛になっていき、ついにはハゲるのか!
昨年夏、一年ぶりに会った友人の毛が薄くなってて、かわいそやなと思ったけど、最近、自分も髪洗った後、鏡に写る頭頂部がヒジョーに寂しく思えてきて、
ジョセフ・ゴードン=レヴィットも30年後の未来の自分を見た瞬間、フリーズ(別のヤツは自分しか知らないはずのママの子守唄を知ってフリーズ)してしまったのは、「え~、俺、こんなにハゲるん!?」と思ったからに違いない!
私も、つい去年までは、毛が薄くなるなんて、これっぽちも思てませんもん。
これじゃぁ、子供の頃髪の毛をなでてくれたというママの思い出を伏線に使えないやん!←いや、ちょっとええシーンで使てます。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット、どっちか言うたら、ブルース・ウィリスより『ミッドナイト・ラン』のデ・ニーロっぽかったけど、映画全体見て思たんは、なんか『アキラ』みた~い。
連鎖を断ち切る上で、あのラストなんですが、インド式計算をこなすシド坊ちゃまは、果たしてよい子に育つでしょうか?
『トワイライトゾーン/超次元の体験』第3話(ジョー・ダンテのやつ)では、超能力を持った子供に、まわりの大人たちはおびえ、ものすごい気をつかって暴君と化してましたが、
この映画では、「俺には見える、この先、一発で仕込んだ子どもが、さらなるサイコパワーを持つ弟か妹になって、おまえの暴走を止めるのを」ってことでいいですかね~。

「映画秘宝」に載ってた町山氏の2012年1位やったんで見に行ったんやけど(去年もそういう理由で『宇宙人ポール』行ったなぁ~)、理由が『ミッション:8ミニッツ』(2011年の3位)が好きだからだって。
なるほど~。
というわけで、私の星は『ミッション:8ミニッツ』と同じ
★★★

『映画 鈴木先生』 リターン・オブ・足子先生そして俺

2013年01月23日 | 映画
奇跡の映画化だそうで。
でも、なんとなく映画もあるなという予感はあったんよね。
視聴率が悪かったといっても、一応「スマスマ」の裏番組やし、テレ東はごまめ扱いやし、なにより「モテキ」映画版の大ヒットがあったからね。
そんで、TVの放送は全11巻中の7巻「鈴木裁判」の回までで、残り4巻分の「生徒会選挙」でテレビスペシャル、「文化祭演劇編」で映画って感じかな~と思っとったわ。
生徒の成長(生徒の一人齋藤隆成は、「砂の器」で放浪の旅に出る少年、「光とともに」の自閉症の子、「博士が愛した数式」の√、を演ってた天才子役!よその子は、知らん間にこんなにも大きなるよ!)もあって、早せんとあかんから、必ずあると!

そもそも「鈴木先生」漫画は大好きやっただけに、実写化には全く期待してへんかった。
鈴木先生が、とりあえずメガネとループタイだけで鈴木先生(放映時は、「セカンド・バージン」「家政婦のミタ」より先で、「どなたですか?」(by足子))って感じの人で、小川蘇美に至っては、まさかの長髪!
とりあえず見とくかって、ノリで見たんやけど、さすがに上記二点はなれるまでに何回か要したものの、その他の先生たちのキャスティングがすばらしすぎて、ハマる元となりました。
あの何回も読まないと理解しづらい字の多いセリフも、脚本家古沢良太マジックで簡潔に。
そのセリフを喋る生徒達(ジャニや大手プロのゴリ押しがなかったのもよかった)が、最終回に本当に成長してる姿は本当に美しいものを見せてもらい、「うん、公立中学校もわるないもんやな~」と思いましたもん。

そんな「映画 鈴木先生」、潔しなまでにTVの延長でした。
今までいろんな、TVドラマの映画版を見てきた(馬鹿馬鹿しくなって去年はそういうのを見ないと誓いをたてました)けど、OPの歌とタイトルバックがTVと全く同じって、たぶん初めてちゃうかな~?
そんで、左上に「lesson11」の文字が!
「11話かっ!」。
そう、これはよくあるTVシリーズの「THE MOVIE」、豪華キャストにしてみましたとか、タイアップであの人にテーマ曲歌ってもらいましたとか、予算多めに大事件にしてみました的なものではなく、TVの延長でありながら、劇場版である、言うなれば「イデオン 発動篇」みたいなもんで、そう気づくと期待値は、マックス!
そのマックスに応えるかのように、古沢脚本は、原作好きも納得のスゴすぎるものになってました。
演劇編(いや、まぁ、たぶんコレやってしまうと、きつかったやろうね。うすら寒いよ~な。)をばっさり切り、選挙編と立てこもり事件編で再構成+小川妄想。
演劇編で出てきた「後押しの必要な子」のエピソードは、切らずに、生徒会立候補で使用し、
それでいて、漫画では大ゴマの「猫足立ちからの前蹴り」は、TVでそれに近いことやったからやらないとか、その取捨選択が、まさにあなたが@神の娘です!
足子先生との軽い和解も、映画版ならではのもので、富田靖子(元アイコ&さびしんぼう)だからできた、漫画なら決してこうはならなかったやろな~というもので、足子先生も、生徒も、鈴木先生も、人が成長してる瞬間を見るのは、実にいいもんです!

★★★★

映画版で登場の、“愛”と書いて“いとし”こと風間俊介が、臼田あさ美演じる鈴木夫人と、現在似たような能力を持ってるのは、何かの縁ですね。私は、男なんで、女がこの能力を持ってもらうと、実に困りもんです。これくらいの息抜きほっておいといてほしいよね!でないと、事件がおきちゃうよ!!

『クレイマー、クレイマー』 子供が生まれたから

2010年02月18日 | 映画
今年一番楽しみな「午前十時の映画祭」のスタート作品(近所の映画館で)が、『クレイマー、クレイマー』だなんて、なにかの縁ですな。
50本の中でも『ライトスタッフ』、『大脱走』、『パピヨン』と並んで、“女房を質に入れてでも 見に行かなければいけない(by「キン肉マン」)”一作!
初めて見たのは、高校生か大学生の時分。
子供目線で見てたなぁ~。
「チャンプ」系の普通に泣けるいい映画やったなぁ~と言う感じ。
でも、ダスティン・ホフマンと同じような子供を持つ親になった今、この映画を見てどう感じるかって、自分自身とても興味深かってん。

結果は、ボロボロ~。
当時のパンフに「なぜ、こんなにも涙が流れるのだろう」(タイム誌79.12/3号)とある通り、とんでもなく泣き通しやった。
とにかく、子供の出てくるシーン全てがもれなく自分の子供とダブって見てしまう。
子供の寝顔を見つめるシーンは、瞼に自分の子の寝顔がこべりつく。
子供を抱きしめるシーンでは、子供の重みさが感覚的に甦る。
公園で遊具落下も、決して父親やから(パンフで淀長先生はそう指摘してらっしゃる)ではなく、目を離した時に限って…(四六時中見張ってる親でも元気のいい子供の親ならありうることだ)ということが、今ならわかる。
その後の病院探し回りRUNの、なんともいえん不安感。
そういう、“親”の気持ちが、ダイレクトに伝わってきよるんよ。
丁寧に描かれてるわ~。
それも、これもジャスティン・ヘンリー君の功績大やで。
当時8歳。
ムスメと同い年で、こども店長(加藤清史郎)と同い年。
その時の気分で、親の好きなものを嫌ったり、好きなものを好きになる(パパのこと好き度のある種のバロメーターでもある)とことか、
やっぱりジュースこぼすとことか、
パパやママ目がけて一目散に走るとことか、
アイスをねだる猫なで声、
会社の部屋に来た時の反応とか、
ほんま、ええ表情でせまってきよるわ~、この子。
アカデミー助演男優賞ノミネート!

それに単なる“泣かせ”だけの映画でもない。
山田洋次が「徹子の部屋」で言っていた言葉「家族を描けばなんでも、そこにちゃんと(政治・経済)出てくるんだ」のとうり、風俗・社会事情なんかもきっちり描かれとる。
さすがに風俗的な古さは感じるけど、訴えてる内容は現在でも通じるものやわ。
見た当時は、メリル・ストリープのヨメはん、もっと悪い女のイメージやったけど、そうでもなかったわ。

それにしても、エエ企画の映画祭がはじまったわ~。
1年間、楽しませてもらいます。


★★★★

『おとうと』 寅さんの皮を被ったハナ肇!

2010年02月12日 | 映画
香川照之が鶴瓶の演技を大絶賛してたそうや。
「(「ディアドクター」の撮影時)自分ら俳優が役作りのためにピリピリしている中、鶴瓶はロケ見学に来たおばちゃんらにサインしたり、世間話したりで「ハイ、本番!」。で、あの演技するんだもん。うらやましいよな~。」
ラジオで聞いた話なんで、うろ覚えやけどこんな感じ(正確には「キネ旬」の香川照之コラム“日本魅録”参照)。
で、この話を聞いた時に思い出したのが、名優緒形拳が語った「演じることは演じないことに通じていく」という境地。
鶴瓶は、いつも通り自然体、無意識でそういう域に達してるんやろな~。
その天才鶴瓶が、今回はデ・ニーロアプローチまでやってのけたそうな。
最強やん!
役柄は、「母べえ」からインスピレーションを得た寅さん風な役。
鉄板やん!

さて、映画の方は夢のシーンじゃないけど、山田洋次節全開で、ええ感じに始まった。
くるま屋(寅屋)じゃなく高野薬局で、ひとしきり世間話。
娘役:蒼井優の“てへっ!”ってベロだしも洋次演出なら許せちゃう!
結婚前夜最後の一家団欒も洋次流クライマックスがこんな早くに出てきていいのって感じ。
こんなに場が暖まった上で、寅さん風の鶴瓶が、出てきたら、どないなるやろと期待しまくりで、いよいよ登場!
あれ!?なんかちゃう。
この人、ほんまに来てほしくない迷惑な人設定やん。
この後、最後まで鶴瓶にあまり感情移入できずじまい。
どっちか言うと、蒼井優の恋の行方の方に興味がいったわ。
鶴瓶は、ここも寅さん風の「恋の指南」とか「愛のキューピット」的役割はなし。
どうも勝手にこの映画の鶴瓶を寅さんとシンクロさせようとしすぎました。
でも、しゃあないよね。
結婚式んとことか、店の前行ったり来たりとか、蛾次郎とか、ラスト団子屋バイトくんなど、「寅さん」を彷彿させるイメージや、設定、キャストが散りばめてあるんやもん。
鶴瓶は、寅さんと言うより、破壊的なハナ肇やったということに見終わってこうして書くまで気づかなんだ。
もう一度見直すと違った面が見えてくるかもしれんね~。
まぁ、見直しても吉永小百合の大根ぶりは気になるやろね。
それに比べて、加藤治子!
NHK朝ドラ「君の名は」を彷彿させる姑役やが、最後はええとこもらいましたな!
あとセレブ旦那のせこさを表わす歯の治療費エピソードは、マジすぎて笑えなかった。
低所得者としては、旦那の見解に一票やからな。
最後に、お好み焼きジャンボ総本店の大看板が目立っとたな。
東京にも進出しとったんやね~。
ここ、安くて美味いよ!

さあ、この後の山田洋次は、なにか?
吉永小百合三部作やったら、ヤやな~。
できれば鶴瓶三部作で。
でも「虹を掴む男」、「昭和初期シリーズ」みたいに二部作で終わるかもね。


★★★

(500)日のサマー 恥ずかしいけどガマンして見た

2010年01月15日 | 映画
ヨメはんに不満があったり、現状にイライラしてる時、あの娘と結婚してたら今頃は~とか、うじうじ考えてたことがようありました。
過去形です。
子供が生まれてからは、この子は、このヨメさんなしには存在しないんやからと、あんまり考えようになりました。
特に、子供がヨメはんに似てるとか言われた時には。
見てる間中、私のそう多くない恋愛経験であったイヤなこととか、思い出したくもないこととか、赤面しそうなこととか、もうチクチク責められ通しで見るのが辛いとこもあったけど、見ててよかったです。
全てを全肯定に至らしめる素晴らしいラストシーン!
珍しい趣味の一致っていうんは、恋の入り口としては最適やけど、そっからの発展が大事です。
将来の行く道を同じ方向見て歩めるか。
サマーは建築の本、ぽーいってほっとったもんな~。
いや、マジで、よかった、よかったよ。
でも、仕事やめて夢をあきらめないのも、新しい出会い(広場でペニスと叫ばせる羞恥ゲームの場に“秋”嬢もおったと推測)も、ある意味サマーのおかげさま~。
で、時折おもいだすんやろなぁ~。
メグ・ライアン似のタヌキ顔を。
そういえば、『恋人たちの予感』のその後的な話の『ストーリー・オブ・ラブ』ってあんまり面白くない映画があったんやけど、『()日のオータム』は、ありなんかなぁ~。
それより今度は徹底的に女性側から描いたやつを見たいなぁ~。
さだまさしの「検察側の証人」みたいに、両方の言い分を聞いてみたいね~。

あと小ネタがいっぱい散りばめられてましたね。
ザ・スミス、卒業、ハン・ソロって、おい!明らかにアラフォー前後の趣味でしょうが。
イチローの構えから走り出すという一連の仕種を一瞬見せたと思うんですが、真偽のほどは向井万起男先生の朝日新聞夕刊コラムにお任せしましょう。


★★★1/2

「おっぱいバレー」 綾瀬はるかは少年サンデーのヒロインみたいだっちゃ

2009年05月26日 | 映画
「渚のシンドバット」の音楽をバックにサイクリングシーン。
その自転車が、変則ギアのドロップハンドルとかチョッパータイプ(実は乗り心地悪し)と、当時の流行をビビッと捉えてるとこに、一気にその時代にもっていかれたなぁ~。
が、これはサイクリングなどというものではなく、都市伝説めいた“ヴァーチャル乳揉み”(カッコよく“エアーB”と呼んでやろう)を体感中やって、このエロいことしか頭にない性春真っ只中のアホ5人衆に大いに共感したわ~。
新任教師綾瀬の「道程」演説、マジソンバッグや、ちょっぴり懐かしい町並み、果ては「11PM」のOP“シャバダバラインダンス”までノスタルジー&エロの琴線をビンビン刺激してくれよりました。
67年生まれの羽住監督は、この映画の時代設定79年時には12歳で、この時代を再現する記憶は溢れるほどあるはず。
ほんで、基本はスポ根映画やけど、“友情”“努力”“勝利”を信条とする少年ジャンプ系でなく、
“ヤンキー”気質の少年マガジン系でもなく、
“ラブコメちょいエロ”の混じった少年サンデー系のスポ根になったんは、
8歳年上の脚本家、岡田惠和の手腕やろか。
「白鳥麗子でございます」「南くんの恋人」「めぞん一刻」などラブコメ漫画原作のTVドラマ化を多く手がけ、その代表作「ちゅらさん」は、今にして思えば、ラブコメエッセンスが詰まりに詰まりまくっていたんよね~。
この監督と脚本家の組み合わせは、「ナイスおっぱい!」やわ。

それに、選曲もスバラシイ。
単に当時の流行歌というだけでなく、歌詞の意味や、その歌の背景などもきっちり考慮されてる。
「微笑がえし」は、キャンディーズの解散を、「風を感じて」はカップヌードルをもれなく連想した(「ルージュの伝言」は『魔女の宅急便』を思い出すんでいかんわ)けど、圧巻は、永井龍雲の「道標ない旅」。
こんなところに最初の方の「道程」ネタを伏線として効かすなんて!
もんくがあるとしたら、せっかく九州を舞台にしてたんやから、九州弁で聞きたかったとこくらいやな。
あと、ミスター羽住監督作品、青木崇高が、「ちりとてちん」草々さん以降初登場で、堂々とした凱旋っぷりを見せてたよ~。


★★★1/2