『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」 inグラインド・ハウス

2007年09月26日 | 映画
時代劇+西部劇やから、岡本喜八の『EAST MEETS WEST』みたいなんかな~と思ったら、いきなりジャニーズの大きな口の人が英語喋るんで、新春かくし芸大会みたいなノリに。
でもタランティーノが出てると、ちゃんとタランティーノ映画みたいになってるから不思議や。
センスが同じなんやろね~。
タラと三池監督が仲良しなんがようわかるわ。
『ホステル』のお返し友情出演にしては、メチャクチャ出過ぎやと思うけど、うまいことのせたんやろな~。

マカロニ・ウエスタンは、私の中では微妙にはずれた位置付け(ブルース・リーも)にあるんで、も一つ面白がれんがったわ。
『スター・ウォーズ』ライクな「目で見るな、感じよ(『燃えよドラゴン』)」とジェダイっぽい“武士(モノノフ)”を説く真剣白刃取りシーンは、予告で見たときの方が面白かったな~。
ノリが変わっとったわ。
佐藤浩市が意外とよかったな~。
『新選組!』の時の芹沢鴨っぽいのに、思いっきりヘタレ!
でも、一番よかったんは、ネイティブ・ジャパニーズ?を演じた塩見三省。
めっちゃ似合ってましたな。
真面目そうなお宝管理人やけど、マカロニやからこのおっさんが総取りするんちゃうと思たわ。
桃井かおりは、もうちょっとキレのいい動きを見せてほしかったです。
森光子みたいに、でんぐり返ししただけでスゲーという年やないやろ。
ハリウッドスター石橋貴明は、三池の世界観では浮いとったな~。

キャスティングも豪華やし、カメラマン、セット、衣装、音響、エンディングの歌など裏方も一流どころを取り揃えての意欲作やのに、あんまりヒットしてないみたいやね~。
まぁ、わからんでもないけど・・・。


★★1/2

「題名のない子守唄」 くせ毛

2007年09月20日 | 映画
「母性を宿した すべての女性に捧げる 慈愛のミステリー」ってことで、
自称、母性本能も有したパパのつもりの私は楽しみにしてましたが、甘かったです。

《ネタバレ》《ネタバレ》

雰囲気といい、ストーリーといい、オチといい、浦沢直樹の漫画「MONSTER」の1エピソードみたい。
原題とは違うこの邦題も「MONSTER」にでてくる「なまえのない怪物」に似てるしね!
簡単に言うてしまうと、大映ドラマとか東海テレビ制作の昼ドラマみたいやけど、格調高い作品に仕上げてるのは、社会派的な面をサスペンスフルに融合させてるからやろな~。
所々『ブラック・ブック』を彷彿とさせたけど、オープニングの見事なTバックが「この回想は、第二次大戦中やないで~」と、現在のヨーロッパで今もなお暗躍してる“闇の職安”みたいな組織が怖い。
怖いといえば、女の子を縛り上げては突き倒す謎の特訓シーン。
あれは、誘拐に巻き込まれることを事前に知ってた家政婦が、子供に自分で逃げ出す術を教えてる、まぁそんなことやろなと思っとって、ほ~ら当たりと思ったら、ただのイジメ対策&子供のイタズラかくれんぼやったんが、がっくりというか、オイ!
ベッドの上ならまだしも、受け身の取れない状態で洋間に何回もこかすって、虐待やんか!
サスペンスフルにしたいんはええけど、大げさすぎやせんか?
合鍵作りの待ち時間でおろおろとそのオチが「お客さ~ん、やっぱりありました」とか、
パクった鍵をどうやって返すかと思ったら、ケチャップブビューッとか、
どうやって生還したんかわからん“黒カビ”の復活と、こけた先にたまたまあった突起物に刺さって即死とか。
ゴミ山の探し物と、「君のことが好きなんだよ~」と虚しい一人身管理人のおっさんの描写はよかったな~。

ね、ほら、男目線で見ちゃってるよ~。
子供が乳児の時、“おっぱい”をあげることができない“男”であることに涙したことがあったんやけど、
流れ出る母乳を吸ってもらえないことに涙する母親のシーンを生理的に直感できんものがあったとこに、母性本能は男に宿らんな~と思た。
母性を持とうとするより、父親だけにしかできん子育てというものこそ模索せなあかんな~と思いましたわ~。


★★1/2




「天然コケッコー」 チュー2

2007年09月16日 | 映画
ダルビッシュみたいな顔立ち(『生徒諸君!』の金髪姿を先に見てたから)の中2なら、まさにヤリたい盛りで、チューなんかしてまうと、そのままで済むわけはないやろ!
しかも親父の浮気による両親の離婚で、都落ちしてきたこいつに、田舎生活が即順応できるとも思えんわ!
と、いつも通りなら、少女漫画に登場する典型的な転校美少年っぷりにツッコむとこです。
「おしっこ臭い手で給食触らないでよと言われた転校生が、自殺現場に花を添えるのを見た!私だけが!!」のシーンは、
「駅の階段でぶつかったせいで遅刻してしまったアイツは私のクラスの転校生で、ある雨降りの日に捨てられた子犬にミルクをあげてるのを偶然見かけた」みたいな少女漫画のシ-ンやんかと。
でも、この映画に関してこんなツッコみはヤボやね~。
島根県出身のお笑い芸人鎌鼬(かまいたち)の山内健司(中国人顔の方)が、「島根県はツッコミという文化がない!」と言ってたからとちゃいます。
そもそも、舞台が島根県であることを強調してるわけではないしね~。
要するに雰囲気がええからです。
それでいて、嘘っぽくないからです。
ところどころセリフが聞き取れない所があったり、先のダルビッシュ似(大沢っス)が野球部でもないのにさりげなく坊主になってたり。
なんか自分の中学時代(金八の腐ったミカン世代)の記憶も、この映画を見たことで、美しく書き換えられた感じがしますわ。

美少女が奏でる方言の心地よさや、「いってかえりま~す」の挨拶とか、田舎少女のファッション苦闘編など興味深いエピソードがあったりですが、子持ちとして目が光るところは、さっちゃんのおしっこエピソード。
「もうエエ加減にしてよ!あんただけに、かもとったら私のことがなんもできんやんかー」と突き放したとたん、子供がえらいことに・・・。
こん時の自分を責める感ったらないです。
お見舞いにきた時に、全力で足にキュッと抱きつくとこは、母親冥利につきるでしょうな~。
って、そよちゃん、あんたまだ母親ちゃうやんか!


★★★

「デス・プルーフ inグラインドハウス」 やきにくのたむら

2007年09月07日 | 映画
会話の妙味が魅力のタランティーノですが、今回の娘っ子たちのトークに琴線は触れまへんでしたわ。
やっぱり得意のオタ会話でないと・・・。
学生時代、女の子と会話するより篭って映画ばっかり見てたんだから、一人で脚本書かんと、女性陣からリアルでオモロイ娘っ子トークとはなんぞやということに耳を傾けたらよかったのに~。
デコっぱちに磨きがかかって、いつのまにか、たむらけんじに似てたオーナー:タランティーノ(たぶんふんどし着用)が会話に参戦してももひとつ。
これが延々続くとちょっとな~と思ってたら、前半終わりのカークラッシュと、後半開始直後の白黒がカラーに変わった瞬間、娘っ子がチア姿やって完全に目が醒めました。
でも、また退屈な会話・・・。
脚フェチでもないし・・・。
今度は、ゾーイという女が奇行を始めてから、目が醒めました!
この女ほんまにやってるやん!!
ゾーイって名前、かつての盟友ロジャー・エイヴァリーの『キリング・ゾーイ』からのいただきでなく、本名やとわかって、このゾーイ・ベル女史は、ミシェル・キング(ミシェル・ヨー)、シンシア・ラスロックに続く逸材っぷりに、アメリカのガッキー(新垣結衣)ことメアリー・エリザベス・ウィンステッドたんが、放置されっぱなしなことも忘れて、すっかりホレました!

ちょっと評価が低めやけど、「プラネット・テラー」との関連で、『硫黄島からの手紙』→『父親たちの星条旗』ん時みたいに上がるかも。
レトロな携帯メールの設定が変すぎて、スチーム・パンクみたいになってるんやないかと思ってますが・・・。


★★1/2

「怪談」 ドゥーン!・オブ・ザ・デッド

2007年09月05日 | 映画
ロジャー・コーマンは、「5分に一回、裸と暴力を描け」と言うてましたが、
「5分に一回、裸とホラー」が見れそうやったのになぁ~・・・。、

「なんでそんなに綺麗な顔に生まれたの」と微妙な顔(コレ言うと道明寺が怒る)の井上真央に言われるタバコ売りのモテBOY新吉(尾上菊之助)。
目が合うだけで、町行く女をジュンとさせよる。
こんな男に、5人の女がメス丸出しで絡んでくるんですが、誰一人裸を見せてくれません!
全くのキャスティングミスとしか言いようがないわ!
脱ぐ必要が全くなくなった黒木瞳はしゃあないけど、黒木瞳路線に行きたい女優を探せば、なんぼでもおったんとちゃう?
井上真央は、とりあえず今後売れそうなんで、松竹映画出たから、年末発売の松竹カレンダーに出てくださいってことでしょうか?
一応、旬の麻生久美子は、よっぽどでないともう脱いでくれません!
一番、脱ぎそうな役に木村多江って・・・。
瀬戸朝香は、唇とホクロがエロかったわ・・・。
広田レオナまで出しておきながら巨乳を披露させないって、中田ヒデ(中田秀夫)は、アレなんでしょうか?
にっかつ出身なのになぁ~。

駕籠の中の手のシーンは、唯一劇場内でざわめきが起こったとこでした。
村上ショージが、出てきたとこは、唯一劇場内で苦笑いが起こったとこでした。
ギャグなしやったけど、股旅っぽい顔でありながら、ゲスな感じがよう出てて、江戸時代のチンピラ役がよう似合っとったなぁ~。
ラストの「デビルマン」ライクなショットだけマルやけど、浜崎あゆみの歌でバツ!!
こんなタイアップいらんねん!


★★

「レミーのおいしいレストラン」 がんばれレミー、負けるなレミー

2007年09月02日 | 映画
いくら正論でも、親父の言ったことなんか誰が聞くか!
特に、強権的な親父のことなんか。
オレには、師と仰ぐ人がいる。
ほうら、困った時はいつでも相談にのってくれる。
だって、心の中にいるんだもん!
そう、これは「第二次反抗期」のドラマでもあった!
ピクサー、スゲー!!
フランスを舞台にしてスゲー!!!(byマイケル・ムーア)

映像的に今回スゲーかったのは、パリの夜景。
ほんまにあんなに綺麗なんでしょうか?
ちょっと行ってみたくなりましたが、「フランス料理、世界一」と、この映画では言うてるんでちょっと信用できません。
って、ホンマのフランス料理なんか食ったことないわ~。

天才的な舌を持つ料理人であるがネズミのレミーと、
天才料理人の血を受け継いでるけど凡才のリングイニの関係は、
「みどりのマキバオー」の競走馬マキバオーとネズミのチュウ兵衛の関係を彷彿とさせますが、
パンチ力はあるが足のない男と、腕のない足技の達人が肩車で合体して戦う『阿修羅 ミラクルカンフー』の関係の方が近いように思いました。
でも五分五分の関係じゃなくて、レミー8:リングイニ2くらいで、親もとから飛び出して、親や家族のありがたみがわかったレミーに比べて、
スピディーな給仕ができる才能しか見られなかったリングイニは、ほんまに経営の才能があるんか謎のままです。
百戦錬磨の食品業界がオンナや金をエサにして、また冷食作らされるんじゃないでしょうね~。
そこを含めて、尺を合わせたかのようなラストあたりは、ちょっとせっかちやったな~。
悪者の処遇とか。
ネズミのレストランというのも、それまでの無節操な大食漢ぶりからしたら、『ジャングル大帝』のヘルシー草食レストラン並に違和感ありありでした。
“批評家”に対する姿勢が、いっつもイイ批評をもらってるピクサーと、近年批評家にいじめられてると逆恨みしてる『レディ・イン・ザ・ウォーター』のシャマランとの違いがおもろかったです。


★★★1/2