『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ALWAYS 三丁目の夕日」 “スカ”を作ってました。すんません。

2005年12月08日 | 映画
同じ特撮マンでありながら、“特技監督”という日本の映画界ではこだわっている呼称とその精神を引き継いだ樋口真嗣監督とは対照的に、デビュー以来“VFX”という呼称で通した山崎貴監督は、この映画の大ヒットでこの先何年か、ある程度の予算で、東宝で映画を作らせてもらえる権利を確保したでしょう。
ほぼ同世代、よきライバルとして切磋琢磨してほしいもんである。

原作マンガは、総発行部数1400万部国民的コミック(チラシより)と言われるわりに知名度が低いのは、熱のこもったファンが少ないからだと思います。
現にアニメ化されたときは、あっという間に終わりましたもん。
だから、タヌキの親子が宅間先生とこにケガを治してもらうワシの一番好きな話がないやんけ!とか、
なんで、あの人がこの役やんのよ!マンガのイメージ壊れるやん!と文句をつける人とか、
マンガの映画化につきものの、トラブルがなさそうなこともこの映画には幸福なことだったと思います。
ちなみに、原作者の西岸良平は同級生の細野春臣に漫画家になる夢をあきらめさせた張本人で、YMOのファンは大いに感謝しましょう。


邦画では「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」以来でしょうか、ちょっと嫌味ったらしい長回しから映画が始まり、
吉岡秀隆演ずる何日も髪を洗っていない文豪ヘアーの茶川さんが、後期「男はつらいよ」の常連メンバー神戸浩とのからみを見せ、
集団就職の子供たちが、こないだ見た「男はつらいよ 奮闘編」のリアルな集団就職の子供たちとは、えらい顔つきが違うな~。CGで顔いらってくれよと、あまりに評判のよい映画に対して悪態をつきながら見ていたのですが、いろいろ刺激されるものがありまして、どっぷりハマることができました。

駄菓子屋を営む茶川さんが、景品付きクジの“スカ”を自己生産するところは、昔我が家が商店を営んでいた時に、“ライダーカード”の当たり(ラッキーカード)をカワイイわが子(私のことです)のために、いったん開封して全部確認してからまた戻すという糊付けの夜なべをしてる母親の姿を思い浮かべました。
その子供が、今親になって、子供を育てることに対して壁にぶち当たって少々悩んでいる時に、この映画の「笑わない子だと思った」少年が描いた、カレーを食べる三人の絵を見て、子育ての原点に帰らせてくれたことは、大いに感じいるものでした。
「一緒におれることは幸せや」という単純なことは、時折再確認しないといけません。



★★★1/2