『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「フラガール」 涙は心の汗だけではない、楽しいだけの笑顔もない

2006年10月24日 | 映画
いやぁ、これはもう我が子の運動会か発表会を見てる親の心境やね!
ついこないだ、初めて幼稚園児の運動会に参加して、こんな世界があったのか!親になってよかったよ!!と特権的に思ったところだったのに、映画で追体験できるなんて。
で、誰の目線で見てるの?

最近流行の「え~っ!!あの俳優さん、こんなことまでやって、スゴイ!スゴイ!!」系の映画。
9月に終了したTVドラマ「ダン☆ドリ」でチアダンスに挑戦してた徳永えりが、素晴らしい形のボタ山にて、蒼井優に「フラダンスやりたい!」と言ったところから映画は始まります。
そこへ、「我輩は主婦である」のやす子役で存在を知らしめた池津祥子、南海キャンディーズのしずちゃんが、「フラダンスやりたい!」の旗の元に集結するわけですが、ピンクレディーやキャンディーズでも肌の露出が多いと言われるよりさらに前の時代で、あんな衣装つけて、腰フリフリさせて、魅惑の笑顔を振りまいてって、炭鉱の親父ならずとも現在の私が親でもやめとけって言うわな。
真のフラダンスを見るまでは。

しかし、しずちゃんの存在感はすごい。
いつも身長178㎝の山里が隣で立ってるから、こんなに巨大な大女だとあらためて気づかされました。
関西の新聞広告や雑誌では、かなりしずちゃんをフューチャーしていた記事があったけど、これは正解。
みんな、デクでトロくさそうなしずちゃんが、特訓したところで人並みにフラ踊れるとは思わんもん。
それ以前に、よくある芸人枠で友情出演させてもらいました~的に映画出て、浮いてないかも心配。
松雪泰子に、現場で苛められてないか心配。
みんなと仲良くやっていけてるか心配。
おい!蒼井優の親目線じゃなかったのかよ!
この映画、アカデミー外国語映画賞の日本代表になったとのことで、K-1のチェ・ホンマン、サッカーのイングランド代表クラウチと、踊れる巨人が全世界的に出没してきてますが、仲間入りできるかな?

私は、まだまだ子供だから親目線でなんて見れないというあなた。
大丈夫です。
舞台の上で皆の注目を浴びる中、美しく踊る母は、台所で屁をひりながら割烹着をきてご飯の支度をしてる母では、ありません。
でも思わず自慢したくなります。
「アレ、僕のお母ちゃん!」
いいシーンです。

「先生!行かないで~!!」
先生と生徒との駅のプラットホームでのやりとりといえば、
「われら青春!」の第1話、ゲットアップ先生(中村雅俊)と太陽学園の生徒が線路を挟んでラグビーボールを投げあいながら言い合って、“心の汗”を流すシーンですが、
この映画では、ラグビーボールの変わりに、フラダンス。
しかもフラダンスは手話の意味をも持つというだけに、思わず上手いと唸りました。
プラットホームのあちらとこちらで手話というのは、トヨエツと常盤貴子のドラマ「愛していると言ってくれ」でもやってましたな。

それ以上にお気に入りのシーンは、やっぱラストでしょう。
「笑顔を振りまく仕事なんて認めない」とする、富司純子の子供ふたりの笑顔です。
蒼井優はもちろんのこと、炭坑夫の仕事になにを見出したのかわかりませんが、結局、自分は炭鉱夫でしか生きていけない、それなら笑顔で仕事をしようやと悟りきったトヨエツの笑顔は、早々と「植物係させてください」と言いそうな私にはできそうもありません。
中年のおっさんの笑顔。
子供が何歳になろうが子供は子供。
親は、いつも笑顔を絶やさない子供でであってほしいと思いながら、いつまでも世話を焼くんでしょうな~。

ひとつだけ小言を。
当初4人のフラガールズが、後に増員するんですが、見た目をよくするためにダンサーを入れたな?と思ってしまった。
この人たちがフラ踊っても、上手く踊れて当たり前やろと、先の4人とは温度差を感じたな~。
ストーリー的にも池津祥子にからんでくる濱田マリ似の女優以外はあんまり写らんかったもんで。
でもラストクレジット見てびっくり!
「愛を乞う人」で見かけて以来、とんとごぶさたしてた元お菓子系アイドル浅川稚広や、
深夜枠のドラマに出てた上野なつひや、
プレアイドルの池永亜美らがダンサーズとして出てたけど劇中まったくわからんかった。
パンフやスチル見ると確かに確認できるだけに、なんとか活かしてほしかったです。


★★★1/2