アクアコンパス3 続編

アクアコンパス3が容量一杯になったので、こちらで続きを開始します。

働くとは、何か 1.

2024-12-24 11:09:24 | 社会

これから「人が働く」ことについて、様々側面から考察したいと思います。

 

切っ掛けは1冊の本でした。

それは2024年刊の、元国鉄職員が書いた村山良三著「JR冥界ドキュメント」でした。

そこには国鉄の民営・分社化の過程で起きた、凄惨な虐めが書かれていた。

読んでいて国鉄当局への憤りを感じ、元組合員労働者の悲哀を知った。

しかし、そこには改革の必然性と身勝手な組合活動には触れられていなかった。

 

 

一方、私は定年退職から15年以上が経つが、従業員200名ほどの経営姿勢が真逆の二つの金属加工メーカーに技術者として働いた。

それとは別に、国定公園と地方自治体の教育課、実業高校の一部門に関わった。

私は二つの民間会社と三つの公的機関を通じて「働く現場」をつぶさに見て来た。

 

また日本の高度経済成長と、その頂点からまさに衰退せんとする今を体験している。

それで居ても立っても居られず、北欧、中国、カナダ、米国を見て来た。

そこには日本と掛け離れた人生観と社会観があり、私は日本の孤立化と停滞感を強く意識するようになった。

さらにワールドクルーズに参加したことで、その想いはより強くなった。

 

様々な問題が日本と世界を覆っているように思えるが、一つの切り口は「人が働く」ことを見直すことだと思う。

これから「働くこと」「国民の大半を占める労働者」「労働者の立場」について、

労働に纏わる事を日本と世界の社会・経済・歴史、また私の経験を通じて見て行きます。

 

私は、多くの先進国における労働者の現状の立場に違和感を覚えています。

確かに地球規模の経済発展を受けて、私達の生活水準は向上し、暮らし向きは良くなっている。

しかし、多くの国で右翼化・独裁化が進行し、トランプ現象を生み出したように社会の分断化が進んでいる。

これらの背景の一つに、労働問題があるように思える。

 

おそらく、この状況を放置しておくと、経済と社会はいずれ取返しのつかない状況に陥るだろう。

今は、おぼろげにしか見えないが、糸口が見つかるような気もする。

なぜなら、今の状況はかつて社会と経済の潮流が反転し始めたからです。

その反転は、それほど古くはなく半世紀ほど前に起こったからだ。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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ワールドクルーズ 2 ワールドクルーズを選んだ理由

2024-12-22 09:59:49 | 旅行


 今回は、ワールドクルーズを選んだ理由を紹介します。
先ず、2023年のコスタクルーズを選んだ理由について書きます。
次いで、クルーズのメリット、デメリット、注意点を述べます。
皆さんが素晴らしい世界一周クルーズを利用する参考になれば幸いです。

 私はワールドクルーズの前、1度だけ、カナリア諸島を巡るクルーズに参加しました。
これは関空発着のパックツアーで、ジェノバ発着の12日間クルーズでした。
地中海から大西洋まで行き、終日航海は4日だけでした。
観光地は素晴らしく、体は楽で良かったのですが、船内ではあまり楽しめなかった。
また陸での宿泊が無いため、朝夕のホテル周辺の散策が出来ないのも物足りなかった。

 しかし、私が70代半ばになって世界を回り切れるか不安になり、思い切って世界一周に挑みました。
けっして贅沢な旅を望んだわけではありません。

 仮に、関空発着の最も安いパックツアーで世界各地を巡るとして一人分見積ります。
南米8日間 80万円、南部アフリカ5日間 40万円、カリブ海クルーズ10日間 80万円、
東地中海クルーズ11日間 70万円。
これで合計270万円、さらに追加費用が合計で約50万円として総額320万円になります。

 


「コスタのワールドクルーズ、4つの茶色の円は個別の旅行を示す」

 この額は私がワールドクルーズで一切合切支払った額とほぼ同じです。
私の時より円安が進んでいるので、10%ほど上記見積額は高くなっている。
私のワールドクルーズなら35ヵ国、計128日間、68日間の寄港地観光を楽しめましたが、上記組合せ旅行なら約12ヵ国、往復フライトを除いた合計観光日数は25日間ぐらいでしょう。
明らかに、ワールドクルーズのコストパフォーマンスは格段に優れています。

 


「MSCのワールドクルーズ」

 それでは他のワールドクルーズと比較してみましょう。
結論は、ほぼ最安値で寄港日が最も多かく、寄港地に満足できたのはコスタだけでした。


MSCのワールドクルーズはバルセロナ発着の120日間で、クルーズ代金はコスタよりすこし安く、ワールドクルーズでは最安値かもしれません(同じ窓無し内側キャビンで)。
このコースは世界一周にふさわしいのですが、寄港日数53日間とすこし少なく、ギリシャ、シチリア、エルサレムに寄港しないのが私にとってマイナスでした。
海外発着のワールドクルーズの多くは、MSCと似たコースになり、コスタとMSCが最安圏にあると思います。
現在のコスタは、MSCと似たワールドクルーズのコースを取っています。

 


「ピースボートのワールドクルーズ」

 日本発着のピースボートは、すべて日本語対応、年3種類のワールドクルーズがあり、利用のハードルが低いでしょう。
例えば、2025年12月の南太平洋・南米・アフリカコースを取り上げます。
107日間のクルーズなのですが、寄港地24ヶ所、寄港日26日間と観光出来る日数が上述のクルーズに比べ半数以下になっています。
総支出金額はわかりませんが、私の選択支にはならなかった。

 結局、寄港地とコストから、海外発着のコスタ・ワールドクルーズを選んだ。


ワールドクルーズのメリットを挙げます。
1.豪華な食事付き。
 三食(レストランで自由に注文、ビュッフェスタイルも可)、加えてデザートや果物も食べ放題。場所と時間帯等の制約有り。
2.ワールドクルーズには、レストランとビュッフェでのアルコール飲み放題が付きます。
場所と酒類に制限有。
3.船上で毎夜の無料ショーと様々なイベントが数多く行われる。
主に日中はクイズ、クラフト、エクササイズ、ゲーム等でほぼ時間が埋まり、夜はダンスや演奏があります。
4.同じキャビンで過ごすので、荷物のパッキングや移動は一切不要、洗濯やシャワー等で戸惑うことも無い。
5.世界中、各大陸、各国の自然と街並みを網羅的に楽しめ、自由に設定出来る。
 不便なマダガスカルのノシべ島やアルゼンチンのウシュアイアなどにも行くことが出来る。代表的な各地の珊瑚礁や各大陸の民俗舞踊を比較して楽しむ事が出来る。また現地での買物やレストランでの食事もわくわく感がある。寄港地のエックスカーションは自由に選べるので、ツアーバスに乗るのもよし、自由に港町を散策するのもよし。


デメリットも挙げます。先ずは一般的な事
1.クルーズでは、支出額で待遇が決まり、肩身が狭くなることがあります。
 私は安くするために内側窓無しキャビンでしたので優雅な船旅とは行きませんが、特に困ることは有りませんでした。バルコニーを選んでも料理は同じです。多くの方は、1日中の飲み放題パッケージを購入しており、様々なバーやラウンジで、同国の仲間等と歓談しています。
2.ほとんどの寄港地のエックスカーションは港から日帰りで行ける所に制限される。
 マチュピッチュ等、内陸部に行きたい場合は、現地のホテル泊りが必要で、次の寄港地で乗船するようになり、かなり高額になり、選択肢も少ない。
3.ビザ取得や入国手続き、準備がかなり煩雑。
 私の場合、コロナがまだ終息していなかった事と、訪問国に発展途上国が多かったので、言語の問題だけで無く、大使館も分かり難かった。また10数か国以上で、事前の必要な予防注射と入国手続きの仕方がなかなか分からなかった。結果的に出発の2ヵ月前くらいから、コロナが終息し始め、楽になった。
4.医療に少し不安がある。
 私は、途中でコロナに罹り、5日間キャビン内の隔離になった。この時、やはり英語が流暢に出来ないので焦ったが、なんとか伝えることが出来て問題はなかった。妻が元気なので助かった。医者と薬は一応容易されているが、歯科や外科は対応出来ないだろう。持病対策と医療付き旅行保険加入は絶対必要です。

私達のように、添乗員なしの二人だけで、海外発着クルーズ乗船を選んだ場合のデメリット

1.片言の英会話は必要です。
 私ら夫婦は、片言の英語が出来るだけだった。いざ乗船してみると、5千人近くの乗客と乗員に日本人はいなかった。数人の東南アジア出身の乗員が片言の日本語を話せたので少し気が楽になったが、結局、船内、税関、観光地での説明や対応は自分の英会話力が頼りで、船内の書類にはGoogle翻訳が必須です。

2.日本人がいないので孤立し易い。
 私の場合、理由が分からないのですが、イタリア人のあるグループから嫌がらせを受けた。実害はなかった。この船はイタリア人が圧倒的に多く、後は他のヨーロッパ人になる。北欧やドイツ、米国から来た人は裕福な人が多くマナーは良いが、イタリア人にはマナーの悪い人がたまにいる。各国の国民性の違いがあり、特にツアー等で戸惑うこともあるが、それも旅の楽しみになった。


ワールドクルーズで、予想外の素晴らしい経験をすることになりました。

 それは各国の人と友達になれた事でした。船上で長く暮らしていると、船内イベントやツアーで顔なじみになり、また日本人に好感を持っている人もいるので、片言の英語で多くの人と話すようになった。特に妻が、海外の人と積極的に交流したので、私もつられた次第です。コスタのワールドクルーズに参加する人は、イタリア人以外、東アジア人も含めて、英語を喋る人が多い。クルーズを終えてもまだ交友が続き、今年も2組のクルーズ仲間と日本で会った。また私は今年の米国旅行で、クルーズ仲間の家を訪問した。積極的に関われば、世界が広がりました。

 

 

 

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京都を歩く 1 修学院離宮

2024-12-21 13:14:30 | 旅行

これから京都の歴史を訪ねて歩いたスポットを幾つか紹介します。

 

今回は京都の修学院離宮を紹介します。

2024年12月14日、午後、小雨の中、拝観させて頂きました。

人数が制限され、時間毎の予約が必要ですが、無料で80分間の案内が付いていました。

紅葉は最盛期を過ぎていましたが、十分楽しめました。

この離宮は江戸時代、最初に宮廷文化を復活させた後水尾天皇が築いたものです。

これは代表的な宮廷庭園ですが、他とは趣が異なるようです。

 

「修学院離宮は中心部から比叡山の登山口に至る途中にある、上が北」

この修学院離宮は、有名な宮廷庭園である桂離宮、仙洞御所、京都御所と違い、辺鄙な山裾の高台に造られた。

しかも当時から畑に囲まれた離宮だったはずです。

最も有名な桂離宮は、後水尾天皇の1代前の天皇の弟が築き、古くは藤原道長の別邸があった桂川沿いにある。

後水尾天皇もここに訪れていた。

 

「修学院離宮の衛星写真、上が東」

下に広がる住宅街の上限に離宮の入り口があり、さらに上側の森林までが離宮の範囲です。

離宮内には三つの離宮(御茶屋)があり、下中央、少し上の右側、さらに左上に別れている。

 

「修学院離宮の正式な案内図」

現在、上離宮の建物の幾つかは修復中でした。

案内の順路は赤の破線の通りです。

 

以下の写真は、ほぼ順路通りに並んでいます。

先ずは下離宮から

「寿月観」 ここは上皇が日帰り来られるところでした。

案内では、建物の中に入ってみることが出来ませんが、外から襖絵や欄間等が見られるようになっています。

すべて説明があります。

参加者が多いので、人が写らないように撮影するのは難しい。

参加者に、フランス人女性と白人夫婦がおられました。

 

 

これから下離宮を出て、中離宮に向かいます。

「下離宮を出た所、東側を望む」

晴れていれば、左側に比叡山が見えるはずです。

 

「上離宮に行く松並木の道」

 

ここからは中離宮になります。

「中門、新しく葺かれた屋根が美しい」

「この中離宮は、後水尾天皇の皇女の一人が、後に造られたものです」

「客殿の中を覗く」

 

ここからは上離宮です。

 

「隣雲亭前の広場から眺める」

晴れていれば鞍馬の方が見えます。

実に雄大な借景です。

 

「隣雲亭のすぐ右(東)にある雄滝」

滝は思ったより大きく、自然が生かされている。

 

「隣雲亭が左上に見える。前のせせらぎの左上流に雄滝がある」

後水尾上皇は、隣雲亭の縁側に座り、この滝の音を聞きながら、歌を色紙に書いたことだろう。

彼は生涯百以上の和歌を残し、さらに後水尾院御集で、1420余首の歌に注解を付し、歌壇を牽引した。

彼の歌風は、藤原道長の子供に始まる伝統(二条家流)を直伝で受け継いだものでした。

さらに立花や茶道、能に造詣が深く、江戸文化の隆盛に貢献した。

 

「浴龍池に浮かぶ島」

「浴龍池の奥の高台に隣雲亭が見える」

この池の傍にはいくつかの名所があるのですが、2ヵ所が修復中でした。

浴龍池は非常に浅い。

 

「西浜から大刈込越しに京都の中心部を見下ろす。」

畑の向こうに、御所や下賀茂神社の森が見える。

辺鄙な地にある離宮だと思っていたが、上皇が暮らす御所、さらに徳川家の二条城が見下ろせるにのには驚いた。

 

「隣雲亭を見上げる」

亭の下の斜面には、様々な木々が植えられ、刈り込まれている。

普通なら刈込用の低木を植えないだろう(地盤が軟弱なせいもあるらしい)。

私の知る限り、普通、日本庭園は四季を愛で、日本の名所や自然を凝縮した形で、再現している場合が多いと思う。

しかしこの上離宮は異なる。

上皇は、のびのびした風景、畑も含めて遠くに街並み山々が見晴らせる、この地を選んだのだろう。

かつて天皇家や公家の誰も、この地に別邸等を造らなかったこの地に。

 

後水尾上皇は、天皇の地位が衰退し続ける中にあって特異で目立つ存在でした。

徳川幕府が天下を治め始めると、天皇家と公家への締め付けが強くなった。

天皇家の所領は、鎌倉時代から徐々に減り始め、戦国時代末期になり幾らか任命権等の権限が復活していたが、

徳川家康から秀忠にかけて、天皇の所領は数万石まで減らされ、さらに天皇は政治に一切口出し出来ず、文芸に専念せよと命じられる始末でした。

遂には、徳川は外戚を狙って秀忠の娘を天皇の中宮に迎えるように圧力を掛ける。

後水尾天皇は、これまで、様々な徳川家の圧力に対して、数少ない抵抗手段である譲位を幾度もほのめかして来た。

結局は、娶ることになり、間に生まれた内親王(娘)が7歳になると、本当に譲位してしまった。

その後、長く院政を行い、多くの子供も造り、長生きした。

 

終わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ワールドクルーズ 1 大自然と絶景を味わう

2024-12-19 07:23:20 | 旅行

これから世界一周の船旅を連載で紹介します。

これは妻と私が2023年1月から5月まで、コスタ・デリチョーザに乗船した記録です。

ワールドクルーズには、たくさんの素晴らしい体験がありますが、

今回は、主にクルーズ船上から楽しめる絶景と寄港地で見ることができる大自然を40枚の写真で紹介します。

クルーズは128日間かけて大洋を航海し、35ヵ国を訪れ、68日間寄港していましたので、撮影した膨大な写真やビデオが残りました。

今回は、初回なのでそれらの中からエッセンスを味わって頂ければ幸いです。

今後、追々、様々な情報をお伝えします。

 

「2023年コスタ・デリチョーザのワールドクルーズの航路、国名では無く寄港地名が書かれています」

出発はイタリアのトリエステで、終着はベニス、時計方向、赤の矢印に沿って船は進みました。

赤線は赤道を示していますが、実はこのクルーズ航路には非常に優れた特徴があります。

多くのワールドクルーズは赤道に平行に、地球を東西に一周する航路が多い。

しかし、この航路は広大な太平洋を横断しない分、終日航海日が少なく、二つの大陸沿いに細かく寄港しながら、

北半球と南半球を巡ります。

また大自然(ジャングル、珊瑚礁、氷河)が残る地域と多くの発展途上国を訪問する点でも、私には魅力でした。

だがクルーズ客の中には、オーストラリア、南太平洋やアジア東部に行かないことに不満を持つ人もいました。

 

以下の写真は訪問順に並んでいます。

象徴的な光景を選んでいますので、訪問地の多くは割愛しています。

 

「クロアチアのドブロヴニク、夕陽が高い城壁を照らしている。下船して」 

出航の翌日に、最初に訪れた。

通常の空路とバスで巡るツアーでは城内の滞在時間は2時間ぐらいがだが、

このクルーズの場合は6時間あったので、十分堪能できた。

 

「イタリアのシチリア島のCatania、港の遠方、朝焼けに映えるエトナ山。船上から」

今回のクルーズで寄港したヨーロッパの都市を挙げておきます。

多くは古代から中世の面影を残しています。

Italy :Trieste, Dubrovnik, Catania, Naples, Savona, Civitavecchia(Rome) , Bari

France :  Marseilles(AIX EN PROVENCE)

Greece :  Katakolon(Olympia)

Cyprus :  Limassol

Portugal :   Azores(Ponta Delgada, Praia da Victoria), Lisbon

Montenegro : Kotor

英国海外領土 : Gibraltar

 

途中寄港した、キプロスとイスラエルは省いています。




「スエズ運河。船上から」
パナマ運河も通過しました。

「ヨルダンの茫漠とした乾燥した大地と高原」

ここは紅海の港アカバからツアーバスでペトラ遺跡に向かう途中の景色です。

 

「そそり立つ断崖を縫うように枯れ沢の道を行くと、奥に赤色のエル・カズネ (宝物殿)が見えて来た」

 

「紅海の西側の砂漠に沈む夕日、船上から」

途中寄港した中東のオーマン、インドのムンバイ、ゴアは省いています。

 

「モルディブのリゾートアイランドの一つに宿泊した。ビーチから」

今回、世界の珊瑚礁を見るのが目的の一つでした。

訪れてシュノーケリングを行った所を挙げておきます。

インド洋: Maldives、Seychelles、Mauritiusの各島の珊瑚礁で。
カリブ海: Honduras(RoatanのTHE FRENCH KEY BEACH)、最も透明度が高かった。Mexico(ユカタン半島の海洋公園Parque Xel-Há), ここは淡水が流れ込む河口で、サンゴは見なかったが魚は非常に多かった。

 

「Seychelles の本島Maheを観光ツアーバスで巡る。峠から見下ろす」

ここでもシュノーケリングを愉しみました。

途中寄港した、マダガスカル本島とNosy Be島,  レユニオンは省いています。

マダガスカルはジャングル、美しい海、カメレオン、キツネザルが見所です。

レユニオン島など、この地域の島々には、かつての移民や植民地の姿を見ることが出来ます。

 

「 Mauritiusの本島からILE AUX CERFSに渡海するツアーのボートより、本島を望む」

ここでもシュノーケリングを愉しみました。

 

「南アフリカの港Durbanから奥地のズールー族の村をツアーバスで訪ねる途中の景観」

今回のクルーズで、世界中のジャングルをマガがスカル、インド洋の島々、南アフリカ、中南米で見ることが出来ました。

 

「南アフリカの港Port Elizabethからツアーバスで行ったADDO ELEPHANT PARKから」

はじめてサファリを体験した。

 

「南アフリカのケープタウンからの海岸線を走る。バスから」

 

「クルーズ船から、出航して来たケープタウンを振り返る、テーブルマウンテンが見える」

 

「ナミビアの砂漠、ツアーバスで」

 

「大西洋に浮かぶ St. Helena島、ナポレオンが流された島」

正に絶海の孤島でした。

 

「クルーズ船から夜空に浮かぶ三日月を見る」

深夜、最上階のデッキに上がり、ライトの少ない所を選ぶと、様々な星座や星を見ることが出来ます。

日頃見ることが出来ない南十字星など。

 

「ブラジルのリオデジャネイロ、SUGARLOAF MOUNTAINの山頂からコルコバードのキリスト像を望む」

途中訪れた、ArgentinaのBuenos Aires、UruguayのMontevideoを省きます。


「アルゼンチンのPuerto Madryn港からツアーバスで、 自然保護区のPUNTA TOMBOに向かう途中の大草原」

 

「アルゼンチンのペンギンの自然保護区PUNTA TOMBOの遊歩道より」

ペンギンは海岸線だけでなく、むしろ奥の灌木の間にたくさんおり、私が訪れた時は、合計数万から数十万羽かもしれない。

季節によれば、広大な敷地内に200万羽のペンギンが見られるそうです。

 

「アルゼンチンのUshuaia、船上から」

ここは南アメリカ大陸最南端にあるマゼラン海峡を更に南下した所にあり、南極観光の拠点になっている。

海峡の小島にはペンギンやオットセイが生息している。

 

「Ushuaiaからツアーバスで来たフエゴ島国立公園」

原生林と一部氷河に覆われた山塊が極寒の風景を形作っている。

ウシュアイアの写真2枚はアルゼンチンとチリのパタゴニアになります。

パタゴニアとは凡そ北緯40度以南の南米を差し、これからの8枚は、チリパタゴニアの絶景を紹介します。

クルーズ船が1週間をかけて素晴らしい氷河、温帯雨林、多島海を進み、遠くに幾つもの火山が優美な姿を現します。

 

途中、マゼラン海峡の風が強くて、クルーズ船はチリのPunta Arenasに着岸することを諦め、次の目的地に向かうことになりました。

そのおかげで、下の氷河をゆっくり見ることが出来ました。

 

「氷河が海に落ちています。厚みは数十mあるでしょうか」

 

 

「切り立った氷河の峰々」

 

「チリのPuerto Chacabuco港からツアーバスで来た。豊かな森林と湖が心を和ませてくれます」

 

 

「多島海をクルーズ船は滑るように進む。雨がりの雲間から陽光が射した瞬間です」

 

「太古の時代には氷河に覆われていたはずの多島海を進む」

 

「独立峰の火山が見える。幾つも見えた」

 

「夕闇に包まれるパタゴニア」

 

 

「チリのPuerto Montt港からツアーバスで来た湖。遠くに火山が見える」

こここはパタゴニアの北限で、自然豊かで風光明媚なところです。

 

「船上から眺める夕陽」

128日間、ほとんど晴れていたので毎日見られたのですが、水平線に沈むだけでは無い、様々な背景に映える朝陽と夕陽を楽しみました。

世界一周してわかったのですが、海の色が異なったり、海藻が流れていたり、特に雲の形の違いには驚かされました。

 

途中訪れた、San Antonio港を省きます。ここらチリの首都SantiagoとVALPARAÍSO に行った。

 

「チリのArica港、船上から早朝の港を望む」

 

「チリのArica港からPutre村へツアーバスで向かう途中の景観」

ツアーバスは、アカタマ砂漠の北に位置するArica港から、砂漠を抜けてやがてアンデスの荒涼とした高地に入って行きます。

かつてアンデス高地の民が海岸の民と交易したルートを走ることになり、湧水の目印にした地上絵が砂山に点在しいます。

 

「Putre村は雪を被ったタアパカ火山帯の中腹部に抱かれるようにひっそりと佇む」

Putreは標高3500mのアンデスの高地にある村です。

この村はこの写真の下側にあり、アルパカがたくさん飼われています。

火山の標高は、5000~7000mにもなります。

 

途中訪れた、ペルーのCallao(首都リマ)とエクアドルのManta、パナマ運河とパナマのCristobal、コスタリカのPuerto Limonを省きます。

エクアドル、パナマ、コスタリカで熱帯ジャングルと動物達に会うことが出来ました。

 

「ホンジュラスのRoatan島のTHE FRENCH KEY BEACH。シュノーケリング中」

サンゴは少ないが身近に群れている魚が見え、透明度が高いので遠くまで見通せる。

 

途中観光した、メキシコのCozumel(遺跡とシュノーケリング)、米国フロリダのFort LauderdaleとPort Canaveralを省きます。



「ニューヨークのマンハッタンの朝」

途中観光した、米国のNewport(Providence)、ポルトガルの Azores諸島の二つの内の一つの島を省きます。

「ポルトガルのサン・ミゲル島のPonta Delgada港からツアーバスで訪れた崖の上より」

 

「ポルトガルのリスボンの夜明け。船上より」

途中観光した、モロッコのTangierは省きます。

 

「ジブラルタルの山頂の展望台より」

 

「朝霧に覆われたフランスのマルセイユ付近」

途中観光した、イタリアのサボナ、Civitavecchiaとローマを省きます。

 

「モンテネグロのKotorに着岸している船上から入り江に連なる他のクルーズ船を望む」

 

途中寄港した、イタリアのBariと最終帰港地のベニスを省きます。

 

これで130日に及ぶ、世界一周のダイジェストは終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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独裁を見分ける事の難しさ

2024-12-17 19:12:39 | 政治

1.はじめに

 スウェーデンのヨーテボリ大学に本拠を置く「民主主義の多様性」研究所は、ここ10年以上、世界で独裁化が進んでいると警鐘をならしている。

残念ながら私達日本は、狂気に満ちた独裁者に率いられた複数の国家に囲まれている。

私が不安なのは日本の国民が、これら周辺国が独裁国家なのか、剛腕な指導者が率いる国家に過ぎないのかを的確に見分けることが出来ているかです。

 

見分けるポイントは三つある。

  • 独裁とは何を指すのか?

 広辞苑では、独裁とは独断で物事を決める事。また、特定の個人・団体・階級が全権力を掌握して支配する事とあります。しかし現実世界では、一人の独裁者が目立つと言うよりは、選挙を通じた上で国会(与党議員団)が独裁的な振る舞いをしている場合が多い。

 

  • 独裁を見分ける方法はあるのか?

 国のトップの振る舞いから、彼が独裁者と判別出来れば良いのですが、これが出来ていない事は歴史が示しています。

独裁の特徴は、独裁者(組織)から多大な恩恵が与えられている限定された支援者が、独裁者を中心にした組織の存続を強力に図ることにあります。逆に言えば、恩恵を与えられのが国民の半数以上にのぼれば、独裁と言うよりは、ポピュリズムか民主主義と言えるでしょう。明らかに後者は独裁者にとって経済効率が悪い。

 独裁を見分けるポイントは、独裁者から支配層に、魅力的な恩恵が行き届いているかを知る事に尽きる。この恩恵(報酬、賄賂、口利き、権威等)は、通常、隠れて行われます。つまり独裁化が進んでいる社会は、腐敗が蔓延しています。日本のように議員が露骨に行っている国は先進国では珍しい。

 

  • 独裁はなぜ危険なのか?

 独裁がなぜ危険かと問われて、多くの方は直ぐ返答出来るでしょうか? 剛腕な経営者(ワンマン)が事業を発展させる事は多々あります。しかし、歴史的に独裁者とその組織は自分の末路が悲惨なものだと自覚しているので、徹底抗戦の過程で、国民を見捨てでも生き残ろうとします。なぜなら魅力ある独裁者の地位はいつも狙われているからです。独裁化の進行具合でその程度は変わりますが。

 

 

  •  日本について

 独裁者とは言えないが、腐敗した政治の一例を挙げます。かつて民主党の前原議員は在日外国人から34万円の献金を受けたことで辞任しました。これは外国人の献金が禁止されているからでした。ところが、現在の評価で年間数百億円近いを金額を10年以上、外国から極秘に提供してもらい、かつ催促していた首相が複数居たのです。明確のは岸と佐藤元首相です。彼らは兄弟であり、故安倍首相の祖父でもあります。米国政府(CIA)は自民党が優勢になるように資金援助と選挙工作を行っていたのです。また旧統一教会は、かつて自民党に当時60億円を提供し、選挙協力を行っていました。この腐れ縁が岸から安倍へと引き継がれていったのです。自民党の名誉の為に言うと、大平と三木元首相は、米国の資金援助を断ったようです。

 膨大な選挙資金を必要とする社会にあって、勝ち残って来た政党は議会の独裁化を拒否出来るでしょうか?抜けられない罠にハマったも同然で、金をかき集め、バラマキいて集票するようになるでしょう。

 

解説書の紹介

「秘密資金の戦後政党史: 米露公文書に刻まれた「依存」の系譜」 名越 健郎著、 新潮選書、2019/12/24発行

 ジャーナリストが、主に米国の公開文書の徹底調査から、戦後の日本政治の暗部を明らかにしています。

「戦後史の正体 「戦後再発見」双書1」孫崎 享 著、創元社、 2012/7/24発行

 元外務省・国際情報局長が、「米国からの圧力」を軸に、日本の戦後史を解説しています。

「CIA秘録 その誕生から今日まで 上・下」ティム ワイナー著、 文藝春秋、2008/11/12発行

 諜報機関を20年以上に亘り取材した調査報道記者が、CIAの姿を全て情報源を明らかにして書いた。

 

注意すべき事

 岸の経歴や安倍の振る舞いから、彼らが信用に足る人物で無い事は明々白々だったはずです。確かに実力や人気があり、大きな変革をやり遂げた事も事実です。しかし彼らの手段を選ばない行いは、民主主義とは相容れません。当然の事ながら、安倍氏の目指したものは、最大の支援者(経済界など)への恩恵にあったのです。これが続けば、腐敗と独裁化は進んでいたでしょう。国民は、この事に気付かなければなりません。これは今回の兵庫県知事選挙でも言えます。見てくれやイメージで知事を選ぶは愚の骨頂です。放置すれば、簡単に腐敗と独裁への泥沼へと逆戻りするでしょう。

 

 

  •  中国について

 私は、中国の歴史に惹かれ30年以上にわたり多く訪ね、また友人もいることもあり、独裁化を信じたくない気持が強かった。以前は、経済の発展に連れて民主主義へと向かうだろうと希望を持っていた。また、2019年10月の中国外縁部の旅行でも、私は悪い兆候を感じることはなかった。

 しかし現在、習近平がトップになってからは酷くなる一方で、希望は断たれたと考える。彼の政策は精神的なものに偏り、コロナ対応の厳格な都市封鎖が招いた倒産ラッシ、そして不動産バブルの崩壊を招いた。さらに問題は、香港の雨傘運動への強権対応や情報統制が益々進んいることです。結局、政策が拙く、不満が鬱積し始めているのに、それを強権で抑えようとしており、酷くなっている。マスコミや書籍の情報から察して、今の状況は習近平の独裁がかなり進行していると言える。

 

解説書の紹介

「中国は、いま 」 国分良成 編、 岩波書店、 2011/3/19発行

 著名な日本の学者と専門家による多岐にわたる中国分析、習近平登場前なのが残念です。

「習近平帝国の暗号 2035」 中澤 克二著、 日本経済新聞出版、2018/3/9発行

 新聞記者が、中国総局長として北京赴任の経験を通して書いた。

 

注意すべき事

 日本の右翼は以前から中国嫌いを牽引しているので、店頭に並ぶ人気の中国関連の本の多くは「中国を悪」と断じている。中々、中立的な立場で書かれている本を見つけるのは困難です。中国を正しく評価している稀な日本人コメンテーター(学者)がかつて一人いたのですが、香港の件で、中国側を擁護しているのを聞いて失望した。注意しなければならないのは、独裁国家から情報を入手しなければならない立場の人は、この国を悪く言えないのです。このような例は他にもあります。

 

  • ロシアについて

 プーチンを独裁者と見做している日本人はどのくらい居るのだろうか? それもかなり危険だと?

ロシアに詳しい作家の佐藤優や鈴木宗男議員は、プーチンを凶悪な独裁者だと見做していないようだ。そういえば、故安倍氏も同様だった。ほとんどの人は北朝鮮の金正恩を独裁者であり、習近平も同様だと答えるはずなのに、なぜだろう。両国は共産主義国だが、ロシアはゴルバチョフが共産主義を壊した後の共和制国家だからと考えているからか? 

 隣国だが、社会や政治の詳しい情報は伝わって来ない。しかし独裁国家かどうかは、社会が腐敗しているか、情報統制が進んでいるかでわかる。情報・言論統制が進んでいる事は日本のマスコミが伝えている。社会の腐敗状況は、普通の観光旅行ではわからないが、書籍や幾つかの情報から伺える。公務員に賄賂を渡さなけらばならないとか、ビジネスに権力者への口利きと賄賂(マージン)が不可欠だと言われている。

 彼が初めてトップになる時、彼はエリツインとの交代劇を手際よくこなした。この裏で、オリガルヒ(国営財産を奪取した人々)、KGB(ソ連国家保安委員会)とマフィアが暗躍していた。これを理想家のゴルバチョフらでは制御出来なかったが、冷酷な彼でこそ成し得た。さらに彼は強運に恵まれていた。彼は若い頃、経済先進国のドイツに派遣されたKGBだった。ついで帰国後はヨーロッパの玄関口であり、マフィアに牛耳られていた古巣のサンクトペテルブルグで出世の糸口を見つけることになった。彼が大統領になると、幸運なことに世界のオイル価格が上昇し、国家収入が潤い始めた。さらに彼は持前の残虐さと冷徹な思考力で、多民族国家の欠点をうまく取り繕う事が出来た。チェチェンの内紛への大規模な軍隊出動、チェチェンのテロ攻撃のでっち上げによるテロ殲滅、クリミア半島占拠などで彼の剛腕さが国民に絶賛された。またロシア正教会の総主教を取り込むなどを図った。

 彼の独裁者ぶりを垣間見る事件は後を絶たない。ウクライナ侵攻を非難するオルガリヒの不審死は20件ほどあるだろう。プーチン氏の料理人と呼ばれたプリゴジン氏もあっさり暗殺された。いずれも証拠は無いが、実に神が頃合いよく味方するものだ。

 

解説書の紹介

「プーチン ロシアを乗っ取ったKGBたち(上・下)」キャサリン・ベルトン著、日本経済新聞出版、2022/12/17発行

 ロイター通信の調査特派員が、モスクワ特派員の経験と徹底した調査で、プーチン独裁者誕生の背景から、現在までを詳細に解き明かしている。また、ヨーロッパやトランプ籠絡にも肉薄している。素晴らしい本です!!

「プーチンの世界 」フィオナ ヒル 共著、新潮社、2016/12/12発行

 プーチンの行動パターンや思想に広く迫ってはいるが、彼の現実の独裁的な行動の説明を避けている。特に彼を取り巻く暗黒面の社会背景(マフィア)や彼の非難されている悪行(暗殺、濡れ衣のテロ、侵攻)には、まったく触れていない。わざと語らないようだ。これは著者らが、プーチン主催のバルダイ会議の常連だからだろう。上述の本は読むべきだが、この本は役に立たない。

「ミトロヒン文書 KGB(ソ連)・工作の近現代史」山内 智恵子著 、ワニブックス、2020/8/27発行

 亡命KGBが、1918~1980年代前半のソ連情報機関の対外工作の記録を書き写した膨大な文書を下です。対外工作の凄さが伝わり、今も続いていることを予感させます。現在はさらに巨額の資金が使えるのですから。

 

注意すべき事

 私が見る所、日本にとって最も危険なのはロシアでしょう。それは独裁者が核保有国を牛耳っているからであり、彼の立場がヒトラーに益々似ているからです。ロシア社会が完全に独裁者の意のままに染まりつつあり、国民もプーチンも破局の袋小路に突き進んでいるように見える。ロシアはオイル価格が減少に転じれば、産業力が弱いので、経済は昔の状態に戻り、プーチンは飽きられるでしょう。プーチンは保身に走り、国民や世界の危険を顧みない賭けに出るかもしれません。それに比べ中国社会は、産業も人的な交流もまだ世界に開かれており、ロシアほど酷くないと考えています。

 けっして、見たくないからと言って、現実から逃避せず、凝視する姿勢が必要です。

 

 

  • ヒトラー時代のドイツについて

 ヒトラーは狂気の独裁者であり、世界を不幸に陥れた人物であることは、トランプや一部の極右以外は認めることでしょう。私が指摘したいことは、独裁者が初めから国や世界を不幸に陥れることを目指したかどうかは問題では無く、独裁が進み、それが裏目に出ると破局へと進むことが多々あると言うことです。国がファシズムや独裁へと進む場合、人々は民主主義を捨て去ってでも強権による統治を望むようになっています。そして初めは小さな動きでも、やがて雪ダルマが坂道を転がると巨大になり、遂にはぶつかり粉々になります。

 ヒトラーは、失敗したミュンヘン一揆後の潔い態度が人気を博し、やがて率いたナチ党が議会で多数を占めます。彼は首相になると、国会放火事件を共産党のせいにし、彼らを排除し全権委任を得ます。そして大統領の信任を得て総統に成り上がり、独裁を完成させ、3年後には隣国への侵攻を始めました。こうして第二次世界大戦は始まりました。

 彼は自分が成り上がる為には手段を選ばなかった。彼の勢力拡大に役立って来た突撃隊の粛清(116名の暗殺)、そして国会放火事件の当時の犯人はナチス政権下でのでっち上げだった。ヒトラーの親衛隊SSはヒトラーの意を汲んで壮絶な悪行(ユダヤ人虐殺など)を率先して行うようになりました。独裁やファシズムが進むと、ドイツだけでなく日本でも、多くの国民が意図的に国家への支持を表明し参加するようになりました。独裁には、巧みに国民を煽情し行動への参加を促す力があります。

 

解説書の紹介は省きます

色々、書籍はありますが、市井の人がどのようにナチスの体制に飲み込まれていたかを知って頂くことは重要だと思います。

またヒトラー政権誕生時から、危機意識を持ち、反対していた地下組織の存在や、数多くの人が狂気のヒトラー暗殺を企ては死んでいたことも知って頂きたい。残念ながら圧倒的多数の人は、時代に乗り遅れまいとして、片棒を担ぐことになった。

 

 

6.米国について

 次期大統領のトランプが独裁者かは判断が難しい。しかし可能性は非常に高いと言えるでしょう。米国の制度では大統領は独裁者になり得ないと思うのですが、彼の法を無視した長年の行いと共和党の軟弱な態度から、最悪の道もあるように思える。近年、州の独立より大統領の権限強化が重視されるようになっている。

彼に独裁者の兆しを見ているのは私だけでしょうか? 

彼を含めて、米国には独裁化への不安要因が多数ある。

 

先ず彼について

・彼は遵法精神が欠如している。彼のビジネス、裁判歴、大統領時代。

・彼は恣意的で非科学的な政策を行う。地球温暖化否定、コロナやワクチンの誤った対応、数多くのノーベル学者が反対する経済政策など、きりが無い。

・彼は独裁者に憧れている節がある。プーチンやヒトラーなど。

 

米国の状況

・社会は長年の経済政策により経済格差が進行し、8割の国民は30年間ほど実質賃金が横這いだったが、最近のインフレで低下に転じているようだ。

・規制緩和により報道の公平さが無くなり、人気を得るために過激で偏向した番組が流れようになった。さらにSNSが助長している。

・40年ほど前から、二大政党の対立が激化し一層酷くなっている。

・保守的なキリスト教の勢力が強くなり、人権擁護の政策に敵対するようになった。

・中南米からの移民が増え、白人の人口を越える事態になりつつある。

・このような衰退と混乱の背景に、国民は分断を煽られてしまっている。

 

上記状況を考慮すれば、ヒトラーとトランプの発言の共通点に頷けるものがある。

ヒトラーは「共産主義者を入れない、ユダヤ人(絶対的な悪)を排除する、ドイツ帝国の復活を目指す」

トランプは「移民を入れない、ディープステート(闇の政府)と戦う、米国を再び偉大な国にする」

どちらも敵愾心を煽り、単純な排除策を提案し、復古主義を謳う、実に単純で分かり易い。

現在の米国は、当時のドイツほど酷い状況では無いはずだが、米国民は不安と不満を煽られて追い込まれているように思える。

 

解説書の紹介

「トランプがはじめた21世紀の南北戦争」 渡辺由佳里著 、 晶文社、 2017/1/11発行

 米国移住の日本人エッセイストが2016年末のトランプ大統領誕生の米国社会と選挙の問題点を分析している。

「恐怖の男: FEAR トランプ政権の真実」ボブ ウッドワード著、日本経済新聞出版、2018/12/1発行

 米国の代表的なジャーナリストが、恐怖のトランプ大統領を扱わざるをえないホワイトハウスの苦悩を描いている。

「炎と怒り トランプ政権の内幕」マイケル ウォルフ著 、早川書房、2018/2/25発行

 米国ジャーナリストが、トランプがいかに「無知」で「臆病」か、トランプ一族と側近たちの確執を描いている。

「忠誠の代償 ホワイトハウスの噓と裏切り」ロン・サスキンド著、日本経済新聞出版、 2004/6/1発行

米国記者が、ジョージ・W・ブッシュ政権の財務長官の機密文書や証言などからホワイトハウスの実態を暴露している。しかし、この小ブッシュと比べてもトランプの酷さは特筆ものです。

 

 

  • 最後に

私達が現在、最も注意しなければならない事はなんでしょうか? 

年金の不安、金融危機、日本経済の衰退、地球温暖化の進行と色々考えられます。

しかし私が現在最も注視しているのは、日本の衰退が進んでいる事と周辺国の独裁化が進み、世界大戦へと進むことです。

今回は、皆さんに周辺国の独裁に注意して頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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海外旅行の薦め 70ヶ国を巡って 

2024-12-16 09:19:49 | 旅行

皆さんに、海外旅行の素晴らしさと、旅行によって得られた見聞をこれから折に触れ、紹介したいと思います。

今回は、私の海外旅行遍歴の要点を紹介します。

 

私は見知らぬ国に行き、初めて見る自然や町、人々の暮らしを感じている時が、最もアドレナリンが出ます。

私は世界約70ヶ国を訪れましたが、多くは定年60歳を越えてからです。

最初の海外旅行は、30年以上前にヨーロッパや中国への視察旅行が始まりでした。

定年後は、安い長めのツアーで多くの国を訪れるようにしました。

やがて、自分で計画し2週間から1ヶ月間ほどの海外旅行を個人で行くようになりました。

しかし最近は、体に楽なクルーズが気にいっています。

 

海外旅行の目的は、見知らぬ世界を一つでも多く見たい事に尽きます。

その為には、事前に歴史や社会経済文化等をよく調べ、帰国後はブログに書くために、またよく調べました。

このことで世界がより見えてくるようになりました。

しかし数年前から、人生が残り少ないと感じ始め、旅行の形態を変えました。

2018年と2019年は、模範的な国としてスカンジナビア3ヵ国と成長著しい中国をそれぞれ2週間かけて自分で計画し個人で見て来ました。

2020から2022年までは、コロナで行けませんでした。

2023年正月からは、満を持して4ヵ月間のワールドクルーズに初挑戦しました。

2024年は、最も進んだ国であるアメリカとカナダを一人で1ヵ月掛けて巡りました。

ここ6年間の旅行は、世界を見る視点において非常に得るものがありました。

2025年は、南太平洋クルーズ、2026年はシンガポールとバリ島に行く予定です。

おそらくこれで、私の海外旅行は終わる予定で、約70ヶ国を訪れることになります。

 

 

地図の説明

青線はコスタのワールドクルーズで120日間、35カ国、70日間の寄港日がありました。発着はイタリアのベニスです。私はこの珍しいコースが気に入りました。

緑線と緑円は、今後予定している南太平洋クルーズと東南アジアの旅行です。

北欧の赤線は、スカンジナビア3ヵ国訪問です。

中国大陸の赤枠では、これまで中国の多くの大都市と奥地の都市を7回、台湾も2回訪れました。

北米の赤線は、カナダのバンクーバー1都市と米国8都市を見て来たルートです。

紫線、紫枠、紫円は、2017年以前に訪れた訪問地です。

 

 

 

 

 

 

 

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そろそろ投稿を始めます! 斎藤知事再選から見える民度の先に・・・

2024-12-12 07:30:07 | 政治

最近、腹立たしい事が多い。

その一つが、兵庫県知事、斎藤氏の再選です。

巷では、再選が成ったのは、マスコミ報道が嫌われ、SNS時代の到来が勝利を呼んだと言われている。

また若い人が、政治参加に興味を持ったのは良い事だとも指摘されている。

一方、斎藤知事を批判する人々には、好き嫌いで判断する古い愚かな人々との烙印が押されているようだ。

私は、二つの点で、現状が嘆かわしいと思っている。

一つは、斎藤知事を支持する人々が、煽情され易い、底の浅い人々であり、各地で汚職議員が再選され続ける状況と何ら変わらない、日本の政治文化の一端を表しているだけだと言うことです。

今一つは、斎藤知事が、公のトップとしては不適格だと言うことです。

**説明します**

斎藤知事の問題点

A. 百条委員会の答弁で、道義的責任を聞かれ、平然と「道義的責任について、分からない」と答えていた。

 一般の人は、答えに窮するかもしれないが、市民に奉仕すべきトップが、道義的責任の意味を答えられない。これは、他の報道の情報も総合すると、彼は「市民の権利とか自治体の役割」を真剣に考えていない事を示している。このことが「パワハラやおねだり」に繋がるのだろう。このような彼れであれば、予算カットで辣腕を振るって実績数を誇っても、市民の為にはならないだろう。

 

B. 彼のパワハラとおねだり行為は、自己中過ぎる。

 残念な事だが、急成長する企業にパワハラ社長(ワンマン)が多くいるのは常識でしょう。元明石市長も、パワハラを追求された。確かに、不適切な作業を注意するのに、激昂してしまう事はあるだろう(無くすべきだが)。しかし、斎藤氏の行為は、おねだり行為を含めると、実に独りよがりの本性が現れている。倒産させる二代目ワンマン社長の最悪パターンです。少なくと県庁は民間企業では無い、市民が選べるのなら、もっとまともな人格の持ち主を選ぶべきです。パワハラが事実かは、数が多いアンケート数から言って間違いないだろう。

C. 内部告発者への対応が社会への最も危険な行為であり、このような彼をトップにすることは絶対避けるべきです。

 日本の政治・社会文化で、非常に遅れている部分が「内部告発者」への対応です。日本人は世界中で、最も社会への帰属意識が高い民族です。これが民主主義の進展を遅らせている要因の一つだと考えます。日本では、これまでトップや権力を持っているものへの不正の告発において、告発者はほとんど虐げられて来た。法律も改正されて来ているのですが、まだ良くなっていません。このことは日本の社会や組織が腐敗しても、これを内部から是正する手段が無いことを意味します。まして外部からの指摘に対しては、社会や組織が一丸となって潰しにかかる。

結論 彼は知事としては不適格です。

 斎藤氏は若いにも関わらず、自己中心的で、古い社会通念と官僚的意識に染まった人物だと言えます。今回の一連の騒動を通して感じられるのは、彼には罪の意識が希薄だと言うことです。

 

他の問題点

・ マスコミとSNSについて

 これからはSNSの時代で、従来のマスコミは腐敗し、デマを流しており、信用できないと言われている。確かに日本の報道の自由度の劣悪さは、先進国の場外にまで落ち込んだ。だが、当然ながらSNSは、それを上回る偏向を生み出す可能性をいつでも孕んでいる。一方マスコミには、商品のブランドと同じ価値(品質保証)である記事の正確さを、年々積み上げて来た。この違いは重要です。このことを市民が噛み締めないと、いつか恐ろしい結果を招くでしょう、トランプやヒトラーの誕生に比肩されるような。

・ 選挙制度は、最近の脱法的で、煽情的な選挙活動を反省して、改正していく必要がある。ただ米国のように、あらゆる規制を緩和する方向は避けるべきだ。

・ 一つ気になる現象がある。

 斎藤知事の再選を批判する人々を、攻撃するコメンテーターらに故安倍氏を支持した人が多い事です。リベラルは斎藤批判、保守は斎藤支持に見えるが、この理由が分からない。今回、斎藤知事を選んだのは若い人が多いと言われているが。

 最初に斎藤を知事に推したのは、自民党と維新であった。この議員達は、4年近くも、斎藤知事の問題に蓋をしておき、暴露記事が切っ掛けで、あたふたと辞任に追い込んだ。実に彼ら自身で杜撰な議員であり、役立たずを表明している。この嫌な雰囲気を払拭する為に、自民党や維新等を間接的に擁護しているのだろうか? 不思議だ!

 

どちらにしても、実につまらない選挙であり、日本の現状と未来を象徴しているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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没落を食い止める! 36: 何が間違っているのか 2: 大いなる勘違い

2021-04-17 03:06:24 | 政治

 

*1

 

 

今回は、新自由主義に纏わる大きな勘違いを取り上げます。

 

残念ながら今回でこの連載を休みます。

語りたいことはまだ多いのですが、少し休憩してから、

また始めたいと思います。

 

 

 

* 自由競争=弱肉強食

 

以前、低所得者や身障者への援助が話題になった時、保守的な人から「この世は弱肉強食で、援助は助けになるどころか、甘やかすだけだ!」と切り捨てられた。

 

日本は資本主義国の中にあって共助の精神が生き続けている国でした。

しかし、いつの間にか新自由主義「小さな政府」の名の下に、自助が前面に出て来るようになった。

不思議ですよね、道徳教育を復活させるとしながら、一方で共助を捨てると言うのですから、今の与党議員には社会や歴史への理解力が乏しいようです(共助とは地域社会によるものです、公助と自助の中間のようなもの)。

おそらくは税収不足による福祉予算カットや政治家の責任逃れが念頭にあるのでしょうが。

 

先程の発言者は、真剣に動物界は弱肉強食だから当然だと訴えた。

実は、私達人間は動物世界から学ぶべきことがあります。

 

一つは、縄張り争いなど同一種同士の闘争では、徹底的な殺し合いをしないのです(擬闘)。

もし肉食獣が仲間同士、徹底的に戦うことが本能であれば、皆怪我だらけになり早晩全滅するでしょう。

通常は無駄に戦わないようになっている。

同種同士で徹底的に殺すようになったのはチンパンジー以降、人類ぐらいでしょう。

(チンパンジーの場合、殺すのは恐怖心と生殖の為に限られるようですが、人類の場合、単純ではなくなった)

 

いま一つは、高等動物になればなるほど、弱者を助ける習性があり、特にメスには強い。

鳥類や哺乳動物に始まり霊長類になると、身内の高齢者、身障者、幼子へのいたわりや給餌の優先は広く見られる。

(餌が乏しい場合には、この傾向は弱まります)

このいたわりの感情は進化の過程で、種の存続に適していたから残ったのでしょう。

人類はこれら進化の最上位にあるわけですから、押して知るべしです。

 

必ずしも戦うだけ、競争ばかりが人類の宿命では無いのです。

むしろ人類は、動物の中では最も大きな集団で助け合うように進化して来たのです(ここ百万年間の進化では集団の規模は150名までのようですが)。

 

 

* 最後に

 

休稿するにあたり、想いを一言述べます。

 

これまで、この30年程で狂ってしまった先進国の経済と社会、特に悲惨な日本の状況を皆さんに分かり易くお伝えようとして来ました。

しかし、思っている事の半分ぐらいしか語れませんでした。

やはりもっと実証的に、かつ分かり易くしたかったのですが難しい。

また没落を食い止める方法に、いまいち踏み込めませんでした。

 

次回、連載を始められる時は、さらに中身のある記事を書きたいものです。

これまで拝読ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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没落を食い止める! 35: 何が間違っているのか 2: 夢の自由市場はあるのか?

2021-04-16 09:01:50 | 政治

 

*1

 

 

今回は、自由市場は本当に素晴らしいのか、

それとも欠陥があるのかを見ます。

 

 

 

* 完全な自由市場は最高!!

 

これは新自由主義者らの一番の想いでした。

(おそらくは受け狙いのキャッチコピー)

 

実はこれで成功しているのは中国と言えそうです、しかも共産主義国で唯一経済発展を成功させたのですから、「市場経済」を採用して。

もっともこれは完全な自由市場とは言えず、集中的な解放(規制無し)と計画的な投資を、政府が強権的に行ったから出来ました。

(しかし大なり小なり各国の政策はこんなものです)

 

一方、新自由主義国や世界の現状を見ると、経済停滞(デフレ)、格差拡大、頻発する金融危機が定着している。

つまり、一番の根本である自由市場が失敗したからです。

ところがこのような時、必ずある言い訳が発せられる、

「まだ完全な自由市場ではないからだ」と。

 

これ以上、でたらめな規制緩和をやられたら日本と世界は没落を早めるので、「自由市場」への勘違いを説明します。

 

「自由市場とは、政府が介入せず、規制が無く、まったく好き放題に物を造り、売れば良い」と言うことです(学者によって多少異なるが)。

商人や製造者が自由に競争し続けると、やがて淘汰され良いものだけが残ると考えるようです。

確かに競争が進むほど、同じ物が安くなったり、発明や工夫が活発化するように思えます。

(この単純さは「共産主義では、労働の価値は勤務時間で評価」に似ている)

 

しかし悪い事も同様に蔓延ります。

不良や不正が分かり難い場合は淘汰されない。

 

例えば、製造時公害を発生している商品でも安くて良ければ、遠く離れた購入者は知らずに買い続けるが、これは社会にとってマイナスです。

従業員を酷使して安くしている場合や害をもたらす薬物混入も同様です。

誇大広告から情報のギャップに起因する不公正や社会にとってマイナスの種は尽きません。

社会に悪影響を及ぼす経済行為には規制が不可欠です。

社会(政府)が良し悪しを判断し、経済活動の自由を制限する必要があるのは当然です(これは地球温暖化防止にも通じます)。

実は、日本では江戸時代より林業、漁業、商売で様々な規制を設けて、特に資源保護で優れた結果を残しているのです。

 

最大の問題は、特定の商品が市場を独占し、遂には独占企業が価格や機能の決定権を握ってしまうことです(ソフトやサービスでも)。

こうなるとその後、消費者にとって最良とは言えなくなる。

今、マイクロソフトやGAFAへの独禁法適用で世界は苦労している。

 

しかしこれだけではない。

規制緩和と謳っておきながら実際は数多くの参入障壁があり、これが自由競争を阻害し、市場での寡占、腐敗、停滞を生み出しています(日本停滞の大きな理由の一つ)。

 

見え難いのですが日本で足枷になっているのが中央官庁による指導です。

例えば、ある企業がスマホ決済の新システムで起業したいと考えた。

そこで認可を得るために中央官庁に行くことになったが、官僚が銀行業を圧迫するとして拒否したことがありました(理由は言わないが)。

この頃、中国はトップの指示で国営の銀行が圧迫されると知りながら、大々的にスマホ決済を解放した。

これにより銀嶺カードは廃れ、アリペイが隆盛することになった。

 

法で規制していなくても、国民を代表する議員が大勢いても、こんな間の抜けた事が日常的に起きています。

(もっとも、一部の剛の物、ヤマト運輸創業者などは日参し勝ち取りましたが)

 

なぜこのようなことが起きるのか?

一つは官僚が天下り先の業界を守ろうとするからです。

今一つは、与党議員が支援を受けている業界を保護する為に、官僚に口利きをするからです(加計・森友・アキタフーズ事件など・・・)。

(支援とは、組織的な選挙応援、パーティー券購入、政治献金、賄賂・・・)

官僚は、法案成立の前段階で与党(自民党)の何々部会の了承を得る必要がある為に、何々族議員に弱みがある。

これ以外にも、政府や与党議員に近いと大型プロジェクトへの参入で、補助金やタダ同然の土地入手など様々な利点があります。

これが政商を育て、与党議員も潤って行きます(かつてのリクルート、今の電通、パソナ・・・)

 

これらは単なる腐敗で終わる話ではなく、政治(議員と官僚)が自ら自由市場を大きく歪めており、市場に出回るものや残っているものが国民にとって最良になるわけではない事を示している。

 

結局、資金量、情報量、政治家との癒着度などありとあらゆる事柄が参入障壁となり、競争を歪めています。

つまり完璧な自由市場は存在出来ず、特に腐敗している政治の下では、性能・品質・価格が最良になるような理想的な自由市場など存在しないのです。

 

 

* まとめ

 

逆に規制をなくして放置すれば、自由市場は不完全になります(既に見て来ました)。

したがって、むしろ自由競争を阻害しないよう、また不正や悪化を防止する為にも規制が必要なのです。

だからと言って、今までの自民党のように、献金や選挙支援の返礼に業界の為の規制(優遇)を行うのは本末転倒です。

 

結局、難しいのですが、大胆に経済活性化を目指した規制緩和を行いながら、社会の安全保障と自由競争を阻害する規制は行うべきなのです(独禁法、公害防止など)。

それには腐敗している政治を一掃することも不可欠ですが。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

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没落を食い止める! 34: 何が間違っているのか 1: はじめに

2021-04-15 08:56:45 | 世界

 

< 1.世界変革の旗手となった学者達

   上:マルクスとエンゲルス、下:ハイエクとフリードマン >

 

これから新自由主義の根本的な間違いを見て行きます。

国民への洗脳が半世紀あまり続いているので、

頭の切り替えは難しいでしょう。

厳密な話はしません、

おかしいと気付いてもらえればOKです。

 

 

* はじめに

 

私が今、新自由主義に感じているのは、かつての共産主義への熱狂と失望に酷似していることです。

 

19世紀前半、立派な経済学者や哲学者らが、新たな自由主義を掲げて経済を再構築しようとした。

「個人のさらなる自由を求め、市場も自由に任せるべきだ!」と彼らは考えた。

 

一方共産主義者は、「資本家の搾取から脱する為に、労働価値(賃金)を絶体的な労働時間だけで評価すべきだ!」と提言した。

確かに雇用主の恣意的な操作を防げるが、人々の努力や創意工夫が無視されてしまう(今となっては馬鹿げているが)。

同様に「規制の無い自由市場こそが経済を活性化させる」も単純明解そうだが・・・(次回説明)。

 

また新自由主義者らが強調する主張に「小さな政府」があるが、これは明らかな間違いです。

現在の新自由主義国の財政は膨張するばかりで、莫大な累積財政赤字に喘いでいる。

つまり目論見に反して、何を間違ったのか大きな政府になってしまった。

とは言っても国民には増税しサービスを減らし、大企業には減税し、放漫経営後(バブル崩壊)の救済で財政が苦しいのですが。

 

これと似た事が共産主義でもありました。

共産主義は、社会を根底から改革する為に、労働者による政府が一度政治・経済を完全に掌握、計画経済を断行する為に独裁もやむなしとした。

しかし、一度政権を握った共産党と官僚は権益を手放さず、独裁が続き国民は困窮することになった。

(常識では不可能と思われたが、中国は唯一自由市場への方向転換が出来た、一方ソ連は失敗した。)

 

結局、共産主義も新自由主義も、当初の理想とは裏腹な結果になってしまった。

一度権益を得た支配階層、前者では共産党員と官僚、後者では経済界と富裕層らは当初の理想と異なっていようが、頑として非を認めず、独裁へと進む。

前者は強力な言論と警察権力による統制、後者は政府・メデイア・学界と協同して洗脳・扇動して体制維持に勤める。

 

私にはこの二つの主義主張には共通する思い込みがあるように思う。

 

共産主義は、資本家に搾取される労働者の立場を擁護するとして民衆に熱狂的に受け入れられた(当時欧州で)。

多少人類史の知見も取り入れられ、後に致命傷となる欠陥が無視されてしまった。

当時の政府の多くは、現在と同様に資本家側と軍部についていたので、革命でしか政権を掌握できなかった。

 

新自由主義は、労働組合の台頭と国営企業・福祉の増大に業を煮やす経営者や富裕層に熱狂的に受け入れられた。

当時、世界を賑わしていた共産主義への嫌悪もあった。

これには当時主流の経済学(ケインズ経済学)に対立する経済学者らが賛同した。

彼らのバックアップによって保守の政治家らは、大転換を行うことが出来た。

不思議な事に、この一流の経済学者の誰も、現在の重大な失敗を予想できなかったらしい(経済学者ポランニーは予想していたらしい)。

 

当然、当時の首脳や官僚、まして国民は予想できなかったでしょう。

 

それにしても、今になっても誇らしげに大転換を行ったと自画自賛出来る神経が私には理解出来ない(中曽根や渡辺恒雄ら)。

さらに酷いことに、未だに新自由主義を標榜している政治家がいることに呆れる(維新の会)。

もっとも政府側に貼り付いていれば、例え気付いても寝返ることはできないだろうが。

 

 

次回に続きます。

 

 

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没落を食い止める! 33: 今、世界はどうなっているのか? 4: 世界を苦境に陥れているものとは

2021-04-14 06:40:34 | 世界

 

*1

 

今回は、現在、世界が直面している苦境を見ます。

基本、発展途上国の生活レベルは向上しています。

しかし、詳しく見れば至る所に問題が見られます。

 

 

* 世界で起きている災厄

 

これらがすべて新自由主義とグローバル化に起因しているわけではありません。

しかし大戦後、これらの多くは先進国と多国籍企業の横暴な振る舞いが引き起こしました。

 

 

< 2. 世界の災厄 >

 

ここでは系統だった話ではなく、幾つかの問題点を挙げます。

 

  1. 大国の保護貿易がもたらす弊害

 

おそらく日本人の関心は薄いだろうが、大国が自国の農産品を保護するために手厚い補助金を出し、ダンピングして世界市場で優位に立とうとすることがある。

例えば、米国の綿花です。

米国の綿花が補助金により市場価格が低下し、発展途上国の零細農家が低価格に対抗できずに軒並み倒産し、再起不能になったことがある(アフリカ)。

自国の通貨安誘導もこの手の問題です(米日中もやっている)。

 

本来、この手の問題を調停するためにWTOがあるのだが、上手く機能していない。

 

 

  1. 軍需産業の好調が意味するもの

 

世界の兵器製造と軍事サービスの売上額は年間50兆円で毎年伸びている。

米国企業はこの内60%近くのシェアを持ち、世界に輸出している。

米国が頻繁に戦争をするのは、兵器産業の為とは言わないが、軍産複合体の体を成している。

どちらにしても、毎年これだけの兵器が世界に出回るのだから、銃の所有率の多さが銃による死亡を増やしているように、紛争拡大を招いていることは間違いない。

 

またこの事が発展途上国(石油のある中近東)の疲弊と大量の難民を生み、近隣諸国や先進国に混乱が及んでいる。

 

 

  1. 3K(きつい・汚い・危険)の工場移転がもたらすもの

 

先進国で受け入れられない3Kの仕事を安く発展途上国に出すのは、自然かもしれないが、人権を無視したことが度々起きている。

 

バングラディシュに先進国のアパレル産業が縫製作業を大量に出しているが、これが過酷な作業環境と児童労働を生んでいる。

実際、工場の入ったビルの大規模倒壊があり、多くが死亡している。

 

またフランスの電力会社がアフリカのニジェールにウラン採掘場を有し、人力でも採掘させていた。

これが暴露されると、会社は現地政府を巻き込んで違法な隠蔽工作を始めた。

このような各国の大企業である多国籍企業が、現地で問題起こしたり、国有化などの被害を受けそうになると、本国政府は裏で違法な画策を行うことが多々あった。

こうして欧米は南米や中近東から憎まれることになつた(現在の帝国主義か)。

 

 

  1. 投機がもたらす災厄と後始末

 

ファンドが発展途上国の為替や先物商品(石油など)を乱高下させて稼いだり、メガバンクが他国の住宅バブルを煽ったりすることがよくある。

 

前者は発展途上国を数年間疲弊させ、国際機関や先進国政府が大規模な援助をすることになる(国民の税金で)。

この時、IMF(国際通貨基金)が各国に緊急融資を行い、各国は一息点くが、そこから地獄が始まる。

IMFは新自由主義の立場を取り、融資した国に徹底的な緊縮財政を強制する(小さな政府)。

ただでさえ景気が急降下しているのに、さらに落ち込み、失業者は溢れ、福祉医療予算がカットされ、さらに低所得層は困窮し、自殺者、病死が増える。

これは結局、相手国の国民の為ではなく、貸金の返却を確実にしているだけに見える。

 

後者はバブルが崩壊し、大量の債務者と銀行に不良債権が残る。

この場合、この民間銀行は大手だけに潰すことが出来ずに、政府が国費で救済することになる(EUの金融危機の時、20兆円ほどが銀行に注入され、大国なら今後100兆円を越える)。

こんな事を繰り返すからメガバンクほど、また図に乗って暴走する。

 

 

* まとめ

 

ここまで見ると、欧米の人が「グローバル化反対」と訴えるのが理解できるでしょう。

どちらにしても、大半の国民また底辺の人々が犠牲になる一方、富裕層が富を得ている状況が理解出来たと思います。

 

それでもグローバル化は止めるべきではありません。

正しく秩序が守られるグローバル化こそが、これからの世界の平和と発展に必要なのです(対立ではなく協力出来る体制)。

 

一つ留意して欲しいことがあります。

それは、これら弱い発展途上国への横暴を調べ、圧力に屈せず、公表・報道している存在が機能していることです。

これを担っているのはアムネスティ・インターナショナル(国際連合との協議資格をもつ非政府組織、NGO)や欧米の報道機関です。

さらにこれら問題を世界的に抑制しようとする活動も進んでいます。

例えば国際的なNGOフェアウッド・パートナーズは森林破壊を防ぐ為、違法伐採を排除する認定制度を設けています。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

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没落を食い止める! 32: 今、世界はどうなっているのか? 3: 世界では?

2021-04-12 07:14:14 | 世界

 

< 1.どちらが世界を・・・ >

 

前回は、新自由主義による国内の変貌を見ました。

今回は、新自由主義とグローバル化による世界の変貌を見ます。

 

 

* お金のビッグバンはこうして起こっている

 

これからグローバル化の関りを説明しますが、私はグローバル化が反対なのでは無く、現状の無軌道な状況が問題だと思っています。

 

 

< 2.お金のビッグバン >

 

図の説明

 

  1. 最下段

各国中央政府の収支は、戦争でも無い限り国民の税金と国民へのサービスで釣り合っていた。 

これが大転換前の状況でした。

 

  1. 右下の×❔のマーク

80年代の大転換が始まると、やがて政府は各国の中央銀行に対してかつて禁じ手(×❔マーク)だった貨幣供給を指示するようになった。

中央銀行は景気浮揚策として、特に金融危機後の数年から十数年に亘り、貨幣を市場に大量供給している(英米日中が断トツに多く、市中銀行や株・債権購入などで)。

 

  1. 左上部の金融市場、メガバンク、多国籍企業

前回見たように国内消費が増えず実業も振るわず、一方で金融への投機を奨励し規制緩和を行っているので、大量の貨幣は金融商品への投機に向かわざるを得ない。

 

ここまでは国内事情とほとんど変わりない。

 

グローバル化(貿易・人・情報の交流が進み世界経済の一体化)が進むと、さらに自由主義の悪弊が拡大することなる。

 

資金が世界中から集まるようになり、また世界各国に向かうようになった。

例えば富裕層を相手にしたヘッジファンドは世界中で荒稼ぎし、アジア通貨危機などを起こしながら、トップのファンドマネジャーなら年間数千億円を稼ぐ。

ヘッジファンドの資金は株、債権や為替、先物商品へ、実需の10倍以上が投入され、価格の乱高下で稼ぐようになった。

 

また多国籍企業やメガバンクは世界を相手に取引を始め、他国との競争を経て巨大化し、これがモラルハザードの欠如を生み、また中央政府の助けもあり、開発途上国への無謀な投資・貸付が、バブルやデフォルトを招く結果にもなっている。

政府は、これら多国籍企業やメガバンクを支援する為に発展途上国への都市開発や兵器売却を首脳外交で行っている(これは帝国主義の前期と酷似し、カントリーリスクが発生すると政府は損失を避ける為に軍事干渉を始める)。

 

  1. 右上の❔マーク

これらの結果、何が起きたのか?

相次ぐ金融危機後の金融緩和で世界の金融市場に注ぎ込まれた資金は膨大になり、今や加速度的に増加している。

そして、その富を一部の超富裕層、おそらく全世界で数万の持ち株会社が世界の大半の企業グループを掌握するようになっただろう(今、世界人口の1%で総資産の50%を所有、さらに増加)。

 

少し振返って欲しい。

80年代、小さな政府を目指したはずが、いつの間にか各国政府は国民とは無縁な所で、貨幣発行と言う手段で別の世界(金持ち天国)を国民の上に造り上げた。

 

 

< 3. 世界の脱税競争 >

 

なぜ国民の暮らしが良くならず、なぜ超金持ちはより豊かになるのか?

その理由は上記の理由が一番なのですが、脱税競争も大きい。

 

図の説明

 

  1. 中央の世界地図: タックスヘイブン(オフショア・センターも)を示している

タックスヘイブンは税金をゼロか低率にし、秘密保護まで行って富裕層、企業、諜報機関、犯罪集団に便宜を図っている都市や国で、世界に60ヶ所ほどある。

 

これにより世界で10%近くの税逃れが発生している(推測)。

例えばアップルはアイルランド、アマゾンはルクセンブルクなど、税率の低い所に本社を移して節税している。

アップルは法人税を23%ほど支払っていると自画自賛しているが、日本の平均的な勤労者であれば所得税・住民税を30%払う(最も日本の企業も23%ほどだが)。

おそらくトランプは腹立たしい税金など払っていない(最高裁は開示を求めたが)。

パナマ文書で明かになったが、日本でも盛んに行われている。

幸か不幸か、善良で貧しい国民にはタックスヘイブンは無縁です。

 

地図の下に、代表的な地域を示した。

タックスヘイブン地は多数の事業所誘致と、サービス業でメリットがある。

 

 

  1. 上段の❔マーク

上記の税逃れの蔓延が、国内の税制を歪め、逆累進課税を生むことになる。

 

それは富裕層と法人が、所得税と法人税を上げると国外に逃げると経済界を通じて政府を脅すようになったからです。

普通、製造業は海外に工場を移すが、市場がある国内に本社機能を残し、金持ちも暮らしやすい先進国(自国)から抜け出す数は微々たるものです。

それでも各国は、やがて税の最高税率下げの泥沼の競争から抜け出せなくなり、その穴埋めに間接税(消費税)増税に向かった。

 

これは税逃れが難しく、景気に左右されないので安定した税収になり、国と金持ちには最高!!

一方、労働者には最悪だ!!!!

 

結局、現生は法人と金持ちに天国となった。

タックスヘイブンで税を払わず、国内の税金も減らしてくれるのだから。

従って経済界と大富豪は政府とマスコミを抱き込む為に数百億円を使うぐらいは厭わない(米国の場合、一人で)。

 

 

  1. 最下段右の❔マーク

ここで問題になるのが、国際機関の脆弱さです。

 

これからは世界的な税制創設と税逃れの規制を構築しない限り、悪化するばかりです。

現在、上記の税逃れを少しでも取り戻そうと各国が動いているがバラバラです。

タックスヘイブンを抑え込むために名前を公表し(これ以上できない)、世界的な金融取引税創設、GAFAを狙ったデジタル税などで奮闘している。

 

しかし世界にまとまりがなく制裁力が無いため、あまり期待出来ない。

この纏まりの無い理由の一つが、相変わらずの米国の単独行動でしたが、バイデンになって前進し始めたようです。

 

 

次回に続きます。

 

 

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没落を食い止める! 31: 今、世界はどうなっているのか? 2: 国内では?

2021-04-11 07:28:46 | 政治

 

< 1.期待はすれど・・、元から断たなければ! >

 

今回は、新自由主義国の政治経済の全体像を漫画的に説明します。

細かく見れば複雑ですが、実は単純明解です。

他国とは少し異なりますが、日本を例に見ます。

 

 

< 2. 現在の政治経済の姿 >

 

この状況は1980年代の大転換から始まりました。

新自由主義国は小さな政府と規制緩和を目指し、労働組合を潰し、グローバル化を推進し、大規模に貨幣供給の制御を始めた(かつて労働者は規制・権利擁護によって守られていた)。

 

  1. 中央の黒矢印A

最初の地盤崩壊は、2段目の労働団体の弱体化です。

 

政府は企業に有利なように労働組合を弱体化させ、非正規雇用を増やすなどを行った。

政府と経済界は、これまで様々な手段を陰陽に駆使して労働組合を弱体化させて来ている、現在も。

労働組合の弱体化は、労働者寄りの政党も弱体化させることにもなる(日教組の弱体が社会党の弱体に繋がったように、これは日本だけではない)。

 

  1. 中央の黒矢印B

次の地盤変化は、1段目の金融業の隆盛です。

 

政府は景気浮揚策として、投機の規制緩和と金融緩和(低金利と日本銀行の貨幣供給拡大など)を行った(日本は破格規模の土木事業も続けた)。

 

これは本来目指したものではないが、経済が良くならないので仕方なく始めたが抜け出せなくなり、大きな災いを生むようになった。

 

 

  1. 上半部の赤矢印CとD

相次ぐ政策で富裕層や企業が豊かになり、政府への影響力Cが増します。

遅れて、金融業(投機)の膨張は投機家(富裕層)の影響力Dが増します。

これは金融危機とグローバル化が進む度に強くなりました。

 

一方労働者(国民)、つまり大多数の国民の所得が伸び無くなり経済成長が鈍化し、デフレが続く事になり、格差の拡大もつづくようになった。

 

 

  1. 大きなピンク枠「政府」

政府は、定着するデフレを克服する為に、益々規制緩和と大型の金融緩和で景気浮揚を目指すが効果が出ない。

 

一方、政府(議員)は選挙(資金と組織票)と経済政策の為に、大きく力を付けた経済界と富裕層と強く繋がることになった。

すると政府の規制緩和(商取引、金融取引、労働者の権利、業界保護など)は恣意的になり、つまり経済界と富裕層に都合の良いものになった。

 

法人税・相続税・所得税(高額部分)の減税と消費税増税もこの結果です。

金融緩和策(低金利と貨幣供給拡大、投機奨励など)なども同じです。

当然、大多数の経済学者も経済界と政府に癒着します。

特に一党長期政権が続く日本では腐敗が強く、政策はより偏向したものになった。

 

この結果、さらに格差拡大と低所得層の消費が減り、経済が落ち込み、また金融危機が繰り返すようになった。

 

 

  1. 下部の矢印EFGH

かつては国民の声が、矢印Hのように選挙を通じて、国会に反映されたのですが、今は様変わりしてしまった。

 

新自由主義国、特に米国では富裕層が選挙に大きく影響するようになった。

この理由は規制緩和により、富裕層が莫大な資金力にものを言わせ身贔屓の候補を選挙支援するようになり、また公平性を持たない報道機関が扇動出来るようになった事が大きいい(金権政治)。

 

残念な事に日本では、政治社会意識を育てない学校教育と、政府の露骨なまでのマスコミ抑圧が、一層、国民を選挙から遠ざけ、政治を不毛にしている。

 

 

* まとめ

 

欧米先進国は概ね、新自由主義国になっており、米英日が先頭を走っている。

国によってバラツキはあるが、悪化の基本構造は同じであり、グローバル化で益々競争しながら均一化され、悪化の度合いを増している。

残念な事に、政治文化が遅れ腐敗している国は一層酷くなる運命にある。

 

一方先進国でも、比較的小さな国(北欧など)は別の道を歩み、新自由主義国のような格差拡大、分断、治安悪化から免れている。

さらに幸福度など社会経済指標は世界ランキングでいつも上位にあるのが羨ましい。

 

 

 

次回はグローバル化した経済を見ます。

 

 

 

 

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没落を食い止める! 30: 今、世界はどうなっているのか? 1: はじめに

2021-04-10 10:01:09 | 政治

 

*1

 

 

新自由主義(放任経済)と金融偏重が、

国・国民・世界に犠牲を強いている状況をまとめます。

格差、賃金低下、失業、治安悪化も当たり前になり、

日本だけでなく多くの国で金権政治が進んだ。

しかし、この悪夢は始まったばかりです。

 

 

* 新自由主義国の哀れ

 

現状の経済を批判すると、必ず出て来る指摘がある。

「あなたは資本主義、自由主義、さらには民主主義を否定するのか」

 

もちろんそんなつもりはありません。

この指摘は洗脳によるか、短絡思考による勘違いに過ぎない。

 

例えば、19世紀後半に帝国主義に走った英国、20世紀前半に世界大戦の口火を切った日独伊、20世紀後半に世界中で紛争を拡大した米国、これらは紛れも無く資本主義国家で、しかも概ね民主主義国家でした。

 

至極当然なのですが、資本主義は完全無欠ではないのです。

 

更にこう指摘されるかもしれない。

「最新経済学による優れた経済制度に問題があるはずはない」

 

それを言うなら、1960から70年代の経済の方が、国民にとって良かったことをどう説明するのか?(当時、日本は希望に溢れていた)

また、強大化する金融危機に毎回悪戦苦闘し、財政赤字を増やし続け、経済成長率鈍化や失業率の増大、加えて格差拡大や社会の分断が進む現状を、政府や経済学者はどう説明し、さらには是正案を提示しているのか?

 

新自由主義国の政府は、いずれ良くなるはずだと毎回政策をぶち上げるが、この30年間、国民の生活はほとんど良くなっていない。

残念ながら主流である御用学者も言い訳し逃げているだけです(高橋や岩田が好例)。

 

せいぜい一部の反骨のエコノミスト、スティグリッツ、ジェフ・マドリック、ピケティ、藤井聡らが的確に現行の経済を批判しているに過ぎない。

綜合的に対案を提示しているのはMMT現代貨幣理論のグループぐらいではないでしょうか。

 

*2

 

バブルの度に国民は夢を膨らませたが、いずれも必ず悪夢が訪れた。

それでも国民は夢を繋いで生きている。

 

この現状に、私は人間社会の悲しい性を見る思いがする。

 

英国が世界最大の帝国から没落し始めた頃、国民はまだかつての栄華の余韻に浸っていた。

当時の英国ではグルメ、温泉、旅行、健康番組が大流行し、没落とは無縁だった。

覇権国を誇示できた英国、帝国主義国家の内実は、赤字続きで多くの若い兵士の血を砂漠に流しただけでした(植民地に投資した資本家だけは儲けた)。

 

自国の没落さえ気付かない見たくない人間が、共に多くの国も没落している状況で没落を自覚することは、至難の業と言わざるを得ない。

 

だが世界に目をやれば光明はある。

 

幸いな事に北欧4ヵ国は、20世紀後半から新自由主義国とは別の道を歩んでいた。

そして、新自由主義国が抱える数多くの問題点から、それこそ自由であり続けている。

 

また、あれほど絶望視されていた共産主義の中国が、予想を裏切って経済の大躍進を続けている。

コロナの対応を見ても一流国、少なくとも日本よりは格上の国である事を示した。

 

つまり現在の新自由主義国だけが進むべき道では無いことが証明されている。

 

 

次回に続きます。

 

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没落を食い止める! 29: この先、世界はどうなるのか? 4: 格差がもたらす危機

2021-04-09 06:09:23 | 政治

 

*1

 

前回、移民と分断について見ました。

今回は、格差がもたらす危機について考察します。

格差は自由の証しなどではなく、社会を破壊する力になります。

 

* 最初に銃の問題を見ます

 

皆さんは銃と聞いて、最初に脳裏をかすめるのは、米国の治安の悪さではないでしょうか。

何が治安を悪くしているか種明かしをします。

 

< 2.各国の銃による自殺・他殺率 >

http://ble2j.blog.jp/archives/7035778.html

 

ポイントの一つは、銃による自殺(赤)が多いことです。

実は米国も日本も10万人当たりの自殺率は15人と20人で、米国はその半数弱が銃により、当然日本は銃以外です。

もし銃が無ければ、米国の自殺は半減するはずです。

 

主眼は、米国の銃による他殺(青)が他国を圧倒していることです。

これは銃の所持率の影響でしょうか?

次のグラフを見て下さい。

 

 

< 3. 各国の銃保有率 >

http://honkawa2.sakura.ne.jp/9365.html

 

折れ線を見ると米国とカナダの人口当たりの保有率は90と31丁です。

両国の保有率の差は3倍ですが、グラフ2の他殺率は約6倍で、この差は何を意味するのでしょうか?

 

< 4. 米国(赤)とカナダ(青)の州毎の殺人件数/百万人 >

“How economic inequality harms societies by Richard Wilkinson、2011”

https://www.youtube.com/watch?v=cZ7LzE3u7Bw

(YouTubeの 7分24秒後)

 

ポイントは、横軸の所得格差が高い州ほど縦軸の殺人件数が高く、両国の格差の最大と最小で比べると、優に16倍にもなる。

つまり殺人の多さ(治安の悪さ)は、銃保有率よりも所得格差が原因なのです。

 

従って、米国では治安が悪いために銃を護身用にと、銃規制に尻込みする人が多く、悪循環から抜け出せないのです(全米ライフル協会の扇動もあるが)。

 

 

 

< 5. 米国の犯罪件数の推移 >

http://honkawa2.sakura.ne.jp/8808.html

 

これを見ると犯罪件数が70から80年代に急増していることが分かる。

この時期は所得格差と移民が急増した時期です。

(90年代以降犯罪が減っている理由は不明)

 

 

* 格差が社会に及ぼす影響について

 

格差拡大が、犯罪・治安に悪影響を与えているのが分かりました。

だが、さらに格差は社会を蝕んで行くことになります。

それが既に紹介してきた文明の衰退を招いた要因でした。

 

< 6. 社会問題と所得格差の相関 >

“先述 by Richard Wilkinson”

縦軸(社会問題)は、国際的指標の「平均余命」「児童の算数や読み書き能力」「幼児死亡率」「殺人発生率」「囚人の割合」「13~19歳の出産率」「信用率」「肥満率」「精神病率」「社会的流動性」を加算したものです。

 

このグラフは横軸の格差が大きいほど、縦軸の社会問題が大きいことを示している。

(データが10年以上前で古く、また北欧が入っていないが日本は良好でした)

 

 

< 7.社会の流動性と格差の相関 >

“先述 by Richard Wilkinson”

(YouTubeの 8分25秒後)

 

このグラフから、米英では裕福な家庭の子は裕福で、貧しい家庭の子は貧しいと言うことになり、北欧4ヵ国は英米とは真逆だと言うことがわかります。

これは民衆の絶望や不満を高めることになる。

 

 

< 8.他者への信用率 >

“先述 by Richard Wilkinson”

(YouTubeの 5分51秒後)

 

この「信用率」は単純に「大抵の人を信用できる」に賛同した人の割合です。

格差が小さい北欧4ヵ国では信用率は65%と高いが、格差が一番大きい国では人口の約15%しか他人を信用できない。

ここでも英米は低い方に位置している。

 

 

< 9. 米国の州毎の信用率 >

“先述 by Richard Wilkinson”

(YouTubeの 6分23秒後)

 

これを見ると、格差の大きい州(MSミシシッピ)では信用率が低く、小さければ(NHニューハンプシャー)信用率が高くなる傾向は明瞭です。

 

 

* まとめ

 

ここまで来れば、格差は自由の証しなどでは無く、社会が大きな犠牲を払い、かつ衰退や崩壊の要因になることを感じたのではないでしょうか。

 

ここで簡単に崩壊のメカニズムを説明します。

 

  1. 社会が腐敗し格差が拡大し始める。

社会が腐敗していなければ、民主国家にあっては国民の意向で格差拡大を防げます。

しかし腐敗した政府(御用マスコミなど)によって格差は自由の証しなどと洗脳され、また不都合な真実は隠蔽される。

つまり社会が腐敗しだすと、雪だるまが坂を転がるように大きくなるのを止めるのは難しくなるのです。

 

  1. 所得格差の拡大が社会を疲弊させる。

大半の所得が減り、低所得層の拡大と固定化が進み、治安が悪化し、民衆に絶望感と不満が高まります。

しかしここで、民意が適切に政治に生かされば良いのですが、残念ながら、既に特権階層が政治を操るようになっています。

 

  1. そして暴発します。

多くの人は真実から遠ざけられ(愚民政策、マスコミ支配)、地域や国に対する信頼を無くしている。

そこに手短で魅力ある解決策を提唱する煽動家(フェイク男)が出現する。

こうなると一気に世論は熱狂し暴走を始める。

 

これがヒトラーであり、トランプであり、太平洋戦争前の日本でした。

 

おそらく今のまま格差が拡大して行くと、分断はより厳しくなり、米国は暴走を始め、世界は大きな災厄に見舞われるだろう。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

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