
田んぼに水が入って、田植えがされて、小さな苗が風に揺れて
水が入った田んぼの隣にはピンク色の蓮華が咲いて
田んぼの上には、あたたかな色した空が広がって
ありふれた風景に、時間がゆっくり流れているってこんなことかなと思ったりする。
こんな時は一瞬でも、『幸せかも』と思えたりもする。
そんな一瞬の幸せの足元に、アスファルトの歩道に花が咲いていた。
田んぼやその周りの風景に見惚れていて気が付かなかったので踏まなくて良かった。
そばにカップルが一組と、男性が一人いるからすぐには出来ないけれど
彼らが居なくなったら写真でも撮らせて貰おうかなと
怪しくも歩道でかがみこんで撮影。
一枚撮って振り向いたら、居なくなった筈のカップルが戻ってきていて恥ずかしかったけど。
一枚の写真から、ほんの一瞬の色んなことを思い出すもんなんだね。
たった今、心だけあの時にタイムスリップしているのかも。
ということは、あの日の一瞬のような幸せな長閑な風景の中に居た僕の後ろに
たった今の僕が居たのかもしれないなぁ…なんて思ったりして。
ほんの一ヶ月前も、一年前も、十年前の思い出も、思い出している風景に今の自分が居るような。
そう思うと、明日また一つ出来る思い出、明後日出来る思い出、しあさって出来る思い出
ずうっと未来に出来る思い出がどんな思い出になるか楽しみになる気がする。
やっぱり、未来ってものは、何があるか分からないから面白いんだろうな。
また明日、明後日…ずうっと未来
一瞬でも幸せ感じる思い出をこしらえていきたいと思える
アスファルトの花でした。