
ささやかに雨が降り出した水曜日
庭に出て
雨や強風に備えていた母の隣りで
桔梗や睡蓮、桃の実
夏の小さな風景を眺めた
僕の母親はしょっちゅう庭や畑で土まみれ
そんな作業が好きなとこ
受け継いだかな
今年の春も桃の花は庭の主らしく輝いていた
暗い夜の中でも
窓から桃の花の方を見ると
桃の花色に夜を照らしているようだった
どんなに暗くても、そこだけは発光しているみたいで
光を放つ君のよう
その中にあるもの
強く輝くもの
仄かに輝き出すその光を見上げる時
僕は幸せの中にいて
降り出す粒子を眺めるのだ
もっと放つように染まるように
幸せが言う