
賑やかな町は週末の夜
行き交うタクシー
『割増し』の文字が赤く光る
スーツ姿の人
浴衣姿の人
風になびく長い髪
テールランプとヘッドライトを縫うように
人々は夏の夜を彩っていた
僕はといえば
本日限りのセール品を買いに
ついでに母に買い物を頼まれ普段着のまま
そんな町を通りすぎる
何年前に買ったTシャツか
もう忘れちゃったな
普段着の心のまま
お洒落した、賑やかな街を愛でるのは案外好きで
いつもの田圃や畑とは全然ちがう景色を
思い出の数々と、照らし合わせながら楽しむ
その中には君もいて
音楽とは果てのない灯り
導いて誘って、生きる力を僕らの中に照らし出す
この街で
あの町で
これからも、それからも