
今日も、この町はじっとりと暑い七月
昨日は、月が出て、その下では雷雲がゆっくりとやって来て
稲妻を上に横に走らせて
微かに雷鳴を轟かせていたのだけど
淡い橙色の月と
瞬間空全体を光らせ、稲妻を夜空に走らせているその光景が
僕には『今夜は何か特別な夜』という気になって
ただただ、月と稲妻の共演に魅了させられていた
不思議だったのは
稲妻が下に降りずに上へ、横へと走っていたこと
『稲の妻』と書くからには
きっと稲の元へ行きたかっただろうなと思ったりもする
でも、僕から見えてないだけで
下にも走っていたのかもしれないね
何事もこの目で確かめなければ分からないものなのだ
世界は自分が思うよりもずっとずっと、不思議で素敵なことを
内包しているものなのだ
今日も、この町はじっとりと暑い七月
今日は久しぶりに甥っ子が我が家に来るということで
どのくらい大きくなったか楽しみだ
雷は月に見守られながら稲と出逢って
いつか豊かな穂を実らせてくれるのだなと思うと
『特別な夜』の出来ごとに心躍ったそのもののように
僕は、楽しみなのだ