
朝は5時頃から蝉は鳴き、温度と湿度は容赦なく上昇する
僕は手足の力が抜けていき
『七月って、こんなに暑かったっけかな?』
何度も呟いては額の汗を拭く
元気な蝉、亜熱帯の空気、学校は夏休み
それにしても蝉ってとっても早起きなんだね
夏、本当に夏だ
涼しい風景を思い浮かべて
脳内で涼をとろう(>_<)
山や緑がどんどんこの地上から消えていく度
僕はガッカリして
温度をあげ続ける星の上でグッタリなのだ
いったいどこまで上がり続けるのだろう?
あんまり暑いから僕は想像したい
冬の寒い時には
思わず暖かい風景を思い浮かべるけど
夏は涼しい風景を思い浮かべようと試みよう
『高原の芝生の上』
子供の頃、日帰りなんだけど
山の中の高原に一度だけ行ったこあとがあった
一軒、真っ白なレストランが涼しげな風景に輪を掛けた
叔父叔母夫妻は僕らと離れた木陰で
二人仲良さそうに寄り添い笑っていた
深い緑の中で
『花火大会』
子供の頃も、大人になってからも
花火が上がる夜は祖父母の部屋に家族全員が集まって
家と家の隙間からちょうど見える花火を
電灯を消し真っ暗な部屋で眺めた
昼の暑さは去り、夜の涼しさが部屋を包み
姪が幼い頃は膝の上に乗せてベッタリくっついて見たから暑かったけど
花火があがる度に喜ぶ、膝の上の小さな存在が
可愛くて仕方なかった
『鍾乳洞』
見学料金を支払い長い鍾乳洞の中に入る
外の暑さとは全く違う世界
中はひんやりとして
氷柱のようなものがぶら下がり
滝まで出現して、ザーザーと音を立て
マイナスイオンというものがいっぱい飛び交っていただろう(多分)
鍾乳洞を発見した人って、大興奮だったのだろうなぁ…と想像しながら
洞を出たところでアイスクリームを食べた
さっきまでの不思議な世界とアイスを食べる現実の世界の入れ替わりが
僕をほんのり戸惑わせたっけ
『夏休みのプール』
ほぼ毎日、友人とプール通い
あんまり泳げないから水泳の授業は大の苦手なのに
夏休みのプールは大好きで
こんがり日焼けした夏休み
帰り道はのんびり友人と蝉の声を聴きながら
栴檀並木の下を歩いた
そして家に帰ると、風に揺れる簾越しに夏の風景を眺めた午後
『かき氷』
緑のテーブルに緑のイス
祖母の削ってくれた氷は細やかでシャキシャキしていた
苺シロップとコンデンスミルクはとても甘くて、
祖母の思い出そのものに優しく
お代りをいつまでも要求した僕を反省したりもする
困ったように、でもそっとダメだよと言う祖母は
愛おしくもあり懐かしい
暑くって暑くって、グッタリしてしまう毎日
そんな時は涼しい風景を思い浮かべよう
僕にとっての涼しい風景はこんな感じ
君にとっての涼しい風景はどんな感じ?
それはきっと
君にとっての宝物、掛け替えのない風景なのだろうな
今、雨がささやかに降り出した
ベランダは濡れ雨音が耳に心地良い
今日は待ちに待った涼しい日らしい^^
クーラーの効きすぎた部屋にはご用心
体の冷やし過ぎには気を付けて
夏の風景を楽しんでいてね
水曜日の僕より君へ