
道の途中、小さな階段
僕にとっては大きな大きな
高い高い階段
天辺は見えなかった
それは僕の知らない、鮮明に濁りなく生きる世界
たった一歩が進めず途方に暮れていた僕を
導いてくれたように感じて
嬉しかったのはあの日
少し寒い日暮れ時
嬉しかった、とてもとても
鏡に写った自分を見つめることが嫌で
下ばっかり見ていた、夜の一歩手前
そこは確かに在った
線と色が出逢った世界
輪郭は繋がって
思い描いたものが目の前で形を成して
そして僕は力を取り戻せた気がした
道の途中の小さな階段
今日も着の身着のまま昇る途中
力が消えそうになったら
君のあの時の瞳を思い出す
そうして僕は、君の愛を応援したい
心を
音を
あの時の瞳と
日暮れの階段、導いてくれた人を
ずっとね