…この電話は電波のない場所に…
電話から聞こえてくんは
無機質な案内の女の人の声
『もーーーーーあのアホどこにおんのよっ!!』
とスマホにあたってみても
待ち人きたらず。
時間は午後4時
約束は午後2時やったはずやのに大谷はけえへん。
事故かなんかに巻き込まてたらどうしようって心配やんかっ
だから大谷のお姉ちゃんに聞いたけど
事故という連絡は一切入ってないらしい。
待ち合わせのコーヒーショップは満員御礼
粘っとるんもそろそろ限界な感じ
あぁ デートひさびさやから気合入れたのに…
なんか高校の時思い出すわ
秋祭り凄い風の中大谷の事 待ったなぁ
最悪や(笑)
★★★
家に帰って 普通にご飯食べてお風呂に入って…
絶対にこっちから連絡せえへんと思いつつも
ベットに入る前に電話してみた。
…この電話は電波のない場所に…
電話から聞こえてくんは
やっぱし さっきの無機質な案内の女の人の声
『もー大谷なんか知らんっ!!』
完璧 頭に来てあたしはぐいっと布団にもぐりこんだ
今日は寝てしまおう
…
♪マジハンパないm電話だぜっ!!!
『お…大谷っ』
あたしは深呼吸して電話に出た。
『…もしもし』
『あっ 小泉?オレ…』
オレってどこのオレさんよっ!!
いつもと変わらん能天気な声に腹が立つ
『ん…』
『小泉 いまなにしとんの?』
何しとんってソレ聞くよりあたしにゆう事ないん?
『別に…もう寝てた。』
とだけ答えた。
『あーーーーーあんな 今日はごめん』
いつもなら『ええよ』なんて許してしまうんやろうけど
2時間待たされた挙句寝るのも邪魔されて…
『ごめんって…なんで連絡してくんかったんっ!』
『友達んとこ行ってて…』
『あたしと約束してて友達んとこ遊びにいったんや』
『いや そうやなくて』
『携帯ってなんのために携帯か知っとる?』
『その携帯…慌ててて家に置いてきてしもてて…』
携帯なくても公衆電話から掛けられるやんかっ とか
そのまま待ち合わせ場所に来たらよかったやんかとか
言いたいけど もうゆうんもばからしい
『もう ええっ!言い訳せんといてっ さいならっ!』
あたしは勢いよく電話を切った。
★★★
あかん あたしも最低や
そりゃ大谷に待ちぼうけくらわされたけど
いっぱい突っ込みどころあるけど
話はちゃんと聞かんなあかんかった。
電話も一方的に切るなんてありえへん
情けなくて涙出てくる
けど あたしの口から出てくる言葉は
『大谷のあほんだらぁ…』やもん
ここはあたしから連絡して大谷の言い分もきかんなあかん
♪マジハンパないmailだぜ
『メール?』
差出人は大谷
ど…どうしょ。話を聞いてくれん奴とは別れるとかやったら
ドキドキドキ…
心臓が早鐘をうち手は脂汗…ごくりと息を飲み込み
メールを開いた。
FROM 大谷
SUB RE3
窓開けて顔だしてくれ
END
窓?顔?なんで???
慌てて部屋の窓を開け外を見るとスマホ片手にこちらを見上げる大谷
♪マジハンパないmailだぜ
FROM 大谷
SUB RE3
話させて
END
届いたメールを見てあたしは頷いた。
★★★
『小泉今日は『『ごめんっ!!』』』
ふたりの言葉が重なった。
『小泉?』
『あたし 大谷の話ちゃんと聞かんと怒ってごめんなさい』
『オレが悪いから怒られんのあたりまえやし』
『けど…あた』
言葉を遮るように大谷はあたしを抱きしめた。
少し汗っぽいその体
きっと走ってあたしの家まで来てくれたんやろう
そりゃデートのドタキャンは嫌やけど…
こうして逢いに来てくれた
『小泉は なんも悪うないやろ。ほんま今日はごめん
デート忘れてたわけやなくて…』
友達に貸していたノートがどうしても欲しくて
梅田に住む友達の所に取りに行ったけど
ノートを何処に置いたんかわからんくて…
家探しして…
気が付いたときには待ち合わせ時間過ぎてたらしい。
『電話しようとしたら携帯持ってないし…公衆電話もないし…』
『うん…』
『待ち合わせ場所に直接行ったら小泉帰ったあとやったみたいで』
『うん…』
『家帰ったらねえちゃんに死ぬほど怒られたし…』
『うん…』
『小泉に電話したらアレやし…やっぱり顔見て謝らんなって
ほんまにごめん…めっさ反省しとる このとおりや』
大谷は頭を低く下げた。
『大谷 やめて…あたしもわるかったんやし…』
なぁ 大谷 なかなおりしよ…
END
まいどおおきにです。
これからもご贔屓にお願いいたしますね♪
面白いお話
ありがとうございますヾ(@⌒ー⌒@)ノ
今後もよろしくお願いしますっ(#^.^#)U+2661