『大谷…おーい 大谷さんっ』
ぴたりと閉じらたその瞼をぼーっと眺めてたらなんか泣きたくなった。
あたしが就職して…
大谷はまだ大学生で…教員試験控えてて…
それでもやっと１ヵ月ぶりに大谷とデート出来て嬉しかってん。
駅まで大谷が迎えに来てくれて駅前の美味しいパスタ屋さんでランチ
そのあと大谷の部屋へと移動。
あたしがコーヒー入れてる間
ほんの５分
大谷
ソファで寝落ちしてしもてん。
はじめは ３０分ぐらいしたら起きるんやろうって思ったから
リサ特製コーヒー飲みながらじーっとしててん
けど１時間過ぎても1時間３０分過ぎても…おきひん
完全に熟睡モード
テーブルには教員試験の問題集とパソコン
昨日遅かったってゆうてたもんなぁ
お疲れさんなんやろな
けどさぁ…
久々にあたしとおるのに寝落ちするやなんて
もしかして楽しみやなかったんかな？
今日もあたしがいきなり逢いたいってゆうたから仕方なく…
考えれば考えるほど不安はスパイラル
そうゆうたら最近メールも電話もめっきり減った。
もしかしてあたしって大谷に愛されてへん？
そうやってスパイラルに陥ってたらスマホのアラームが鳴った。
そろそろ終電の時間…。
泊まる訳にもいかん。
おかんになんもゆうてへんし…
明日も仕事やし…
大谷もおきひんし…
『はぁ…ちゅーでもしたら起きてくれるんかな(笑)』
なんて言いながら書置きしようとメモ紙を探していたとき
『……リサ』
『えっ？』
名前を呼ばれて大谷を見たけど…
愛しい人はソファに寝っ転がったまま。
空耳？それとも寝言？
あたしの夢 見てくれてんの？
『ん…リサ…すっきゃで…。』
『(んっぐっ…)』
声をあげそうになった自分の口を両手でふさぐ
今大谷 あたしの事 好きってゆうてくたよね。
空耳や聞き間違いとちゃうよね。
めったに愛の言葉口にせえへん大谷が
無意識のうちにゆうんは 実は本心？って思ったら
気持ちが軽くなって反射的に顔が緩んだ
今日 このまま泊まって行こっかな(笑)
end
<おまけ>
『わっ 小泉起きろ もう電車ないぞ!!』
『…(寝たふり)』
