たとえば こんな夜も・・・ byminami

いつものように

シャワーの後、濡れた長い髪をドライヤーで乾かす

あたしのドライヤー長いから、『TV聞こえん！』なーんてクレームが卒中くる……のに、今日は静かやな？！

ふっと振り向くと、
先にシャワーすませた彼氏、大谷様。
ベッドでスマホ抱えたまま眠っている様子(笑)

その姿が可愛すぎて、あたしはドライヤーを止めてそっと近付いて隣に滑り込む

…キレイな肌も長い睫毛もみんなあたしのもん

少しはだけた胸に横たわり、鼓動を聞いてみる

規則正しい音が、心地よさに変わり
あたしを眠りに誘う

『…リサ…』
あたしの重みに？目を覚ましたのか、大谷が少し起き上がる
まだ湿ったあたしの髪を優しく撫でて、額にキスをくれる

あたしは寝たふりのまま大谷の胸に甘える

大谷がルームライトを消そうと手を伸ばした時…

『隙ありぃー(笑)』
あたしは大谷の手を押さえ込んで強気の体制に持っていった

『なんやねん、リサ。起きとったんか！』

『えへっ♪油断大敵やで～♪』

『ええから早よどけっ！重いねんっ…ん』
乙女に向かって重いなんて言う失礼な口は塞いだるねん(笑)

してやったりな顔のあたしに、
大谷は『…あほか…』ってもう一度あたしの髪を撫でながら
優しく微笑んだりして…

あかーん、その顔！

めっちゃキュン殺し犯やん…

ドキドキが止まらなくなるやん…

あぁ、戦意喪失…活動停止

☆☆☆

…あたし一生、大谷には勝たれへん気がしてきた

少し拗ねた顔してたら
黙って抱き寄せてくれたりなんかして…もー!!

今夜もあたしの完敗やもん

負けやもん…　だから…

『大谷…』

あたしはそっと目を閉じて…


今夜は

いつもよりたくさんのキスを

おねだりして

いつもより

たくさん

甘えさせてもらうから…覚悟しとき!