同窓会1

『ほな　大谷　行ってくるわ♪』

リサは玄関先で大谷に声を掛ける。
今日は　リサの中学の時の同窓会なんです。

『いってらっしゃいっ 　あっ遅うなるようやったら迎えに行くから連絡くれ…
　　　あと飲みすぎ注意や　リサは酒強ぅないんやから飲んでも1杯だけやぞ。』

大谷はリサにそうゆうた。

『わかったって…もうそれ3回は聞いた。いくら忘れっぽいあたしでも大丈夫やから…』
『ん？　何回もゆうとかんと　伝わらんのちゃうかなって　あとカバンもったか？』

大谷はリサの昔の失態(カバンを忘れてデート)をからかいながらにぃっと笑った。

『わ…忘れてないし　もう時間やからいってきますっ　遅刻したらみんなに成長ないって笑われるぅ…』

リサはそういい残しさっさとアパートを飛び出た。
そんなリサを見送って　大谷はリビングへと移動してソファに寝転がった。

いつもならリサに邪魔される読書でもしようかと思ったんやけど…

『あいつほんまに大丈夫なんやろか？』

今日のリサ。
おめかししていつもより奇麗やったから　ちびーっと心配して本音を呟いてた

『高校の同窓会なら　オレも一緒やし　みんなしっとるヤツやからええんやけど…』

本人に自覚はないんやけど　リサは最近奇麗になった。
大谷の大学の友人の中でもリサは評判で人気があったりする。

リサの会社には　前野や真崎という好意むき出しのやつもいてて彼氏といえども安心して胡坐かいてる暇もない

とにかく・・・
早ぅ　帰ってきたらええのに…　

大谷はそう思いながら少しだけ目を閉じた。

★★★

『セーフ♪っと兎の間…あっここやここや。』

リサはなんとか遅刻は間逃れた。

たどり着いた同窓会の会場は　小奇麗な居酒屋さんだった。
店員に案内された座敷に行くと　ほぼ全員集まってた。

『まいどまいどっ』

『おそいでー　』
『・・・・おまえ　小泉か？』

びっくり顔の男の子が唖然とした顔で聞いてきた。

『小泉かって…こんなでっかいんは　あたししかおらんやんかぁ　小泉リサ只今到着しましたっ!!』

リサがにっこり笑いながら挨拶すると

『小泉　なんかおまえ奇麗になったやんけ…』
一番手前の席に座ってた今回の幹事・中学の時の学級委員の鈴元昌行が口を開いた

『もぉ　鈴元ってば　あたし褒めてもなんもでーへんよ　えっと　あたしがもしかしたら最後？』

リサはそう流して　適当な席に座った。

『そしたら　みんなコップ持って…乾杯しよー!!』

乾杯！と皆で乾杯して同窓会が始まった。

『リサっ…』
『わっ　あけちん　おひさやん。なぁ　吉井とはどおなん？』

リサの横の席に　あけちんがしっかり陣取った。

『・・・・えっと　この間やっと付き合いはじめた。』
『うぁー　よかったやんかぁ　やっぱ初恋は実るもんやねん。で吉井はドコ？一緒やろ？』

『今日は吉井用事で　来てないねん』
『そうなんや　逢いたかったのになぁ・・・』

リサは吉井とあけちんが付き合い始めたと聞いて胸をなでおろした。
あけちん中学のときから　ずっと吉井の事が好きで大学追っかけて…やっとハートゲットできたらしい

自分と大谷との事をちびっと重ね合わせてリサは目頭を押さえた（笑）

『で…リサは　あの彼氏とどうなん？結婚とか…『けっ…』』

リサは飲んでいた烏龍茶を吹き出した。

『うわっ…もう　リサ汚ないって。』

あけちんはハンカチで濡れたところを拭きながら言った。

『ごめん…　だけど　あけちんいきなし　そんな事聞くんやもん…。』
『そんな事って・・・まぁ　交際は順調みたいやね(笑)』

『うん…一緒に暮らしてる。』

リサは真っ赤な顔で　そう答えた。

『えーーーーーー　暮らしてるって　リサが　同棲!!!!!!!!!!』

あけちんは興奮してリサを揺さぶった。
同棲という単語にクラスメイトの目がいっせいにリサの方に注がれた。

『あけちん・・・ちょ　声がおっきいっ…みんなに聞こえる』

リサがあけちんの口を押さえたが遅かった。
どうしたん？と周りにいた仲良かった面々が集まってきた。

『あんな　リサが・・・』

あけちんは喜色満面の表情でみんなにリサの彼氏のこととか同棲の事実を伝えた。

『あけちん・・・・』

もちろん多少の脚色はあるものの伝言ゲームは　始まった。
こうしてものの10分もかからずに座敷全員にリサの話が回ってしまった。