何の変哲もない日々。
舞戸学園にはきゅんとかキャーとかドキドキとか皆無
あー一部生徒はマイティ先生に夢中で
それなりに楽しい日々を過ごしてると思う
けどあたし咲の周りは…
なーんの刺激もきゅんもラブもないまま過ぎていた。
そんなある日
体育館に向う廊下できゅんでラブなもんにすれ違ってしもた。
『なぁ…優香 あれ誰なん?』
『咲ぃー また朝礼寝てたん(笑)あの人教育実習生やん』
『ふーん』
特にひとめぼれとかやないけど…
すれ違った瞬間 こうビビビっとね感じただけやねん
『大谷先生ってあたしらのクラスの子ってゆうても違和感ないし』
『大谷ってゆうんや』
『咲 やっぱ寝てたんやろ。あんたって子はーー』
結構女子に騒がれてるみたいやでって優香は付け加えた
★★★
大谷先生は残念ながら学年下の1年の子らを教えるみたい。
接点はなくても あたしの目は大谷先生を追っていた。
なんでかな…
もしかしたら中学の時に好きになった先輩にどこかしら似ている
ただそれだけなんかなぁ。
『咲 ずばりそれは恋や 』
『恋って(笑)』
『そうと決まったら告白や 告白』
『ちょ 待ってよ そんな急展開』
あたしと大谷先生の接点はなにもない
先生はあたしの存在自体も知らんし告白なんて…
『相手は実習生やで…あたって砕けてみたらええやん』
『そんなん…』
『もし砕けてもあいては来週にはおらんようになるんやから…』
そっか大谷先生来週にはおらんくなってしまうんや
★★★
とはゆうものの…
告白の機会なんてそうそうあるわけ…
あるやんっ
授業終った先生を発見した。
えらく疲れてんのかその足取りは重く(笑)
あたしはあとを追いかけた。
『大谷先生っ』
『わっ…』
『驚かしてごめんなさい。あたし2年の笹山咲っていいます』
『2年の?』
接点のない2年生がいきなし話かけてきたもんやから
さぞかしびっくりしてると思う。
『えっと…その2年生がなんか用事か?
もしかしてゴリからの伝言があるとか???』
『ゴリ?あー中野先生とは関係ありません 実は…』
手のひらに人という字を3回書いて勇気を振り絞った。
『あたし… 大谷先生…そ…の』
『ん なんや(笑)』
にこっと反則的な笑顔
『大谷先生 すき…な…あ…あたしの昔すきやった人に似てます』
どさくさまぎれの告白は思いもよらないコトバが飛び出てた。
『あははは なんやソレ』
『なんでしょうか(笑)』
『オレが聞きたいわ(笑)』
大谷先生
あかんこれ以上近くで笑ってたら本気になってまう。
『・・・・なーんちゃって(笑)嘘です。』
『おまえなぁー』
おどけて見せることしかできひんくって…
『それも嘘ってゆうたら困りますか(笑)』って心でつぶやいた。
END