冬の日 外での待ち合わせ。
嫌やないんやけど… 寒い。
(リサ風に言うと しゃぶいっ…)
12月も末になると 何もかも冷たい。
空気も 水も… 待ち合わせの時に 寄りかかる鉄製の柵も 冷たいけど
心だけは あったかいんは…誰かさんを待っとるから?
空が どんよりしてようと…
めっさ冷たい風が吹きすさぼうと…
噴水の前で 遅刻魔人をじっと待ってられるんはなんでやろ?
『あほくさっ…オレって 一体なんやねん。』
まさか オレが こんなオトメみたいやなんて笑ける
『おーーーーおおたにぃ…』
声のほうに目をやると リサが走っとった。
持っとるカバンを胸でぎゅっと抱いて、『すんませーん 通してくださいっ』
なんていいながら 人の合間を縫ってくる。
『ご…ごめんっ大谷 遅れてしもて…。』
リサは申し訳なさそうに頭を下げた
『…オレ凍死するわ(笑)』
『だから ごめんって…』
『…ええわっ もう腹減った。ラーメン食いにいこっ』
『うんっ…』
リサは オレの手をとった…
『ひゃっ…大谷 手 冷たっ』
そんなに冷たかったんか?
オレは 繋いだ自分の手を見て思った。
『だから 凍死やっちゅうたやろ?』
『ご…ごめんって…』
オロオロするリサが 可愛い。
『・・・・ラーメンリサのおごりなっ』
『うっ…わかりました。』
『あと 手温めて(笑)』
『うんっ』
オレは 手の冷たさなんて全然気にしてへん
それは どれだけ楽しみにしていたかの表れ…
どれだけリサを想っているかの表れ…
触れたときにリサの温かさが伝わってくるから…
実は 寒くって凍死しそうな(笑)時も 嫌やないねんぞ。
END