『つべたっ!!!!』
『あたりまえやんけ。リサ今冬やぞ 足だけでも海に入んな。』
『でへへへへ♪だいじょーぶやって…』
ある冬の日の海。
しかもどっちかゆうたらかなり寒い日であるそんな冬の日
海におるんはオレとリサだけ…
靴下を脱いで足だけ海ん中に入ってはしゃぐリサ。
寒がりのくせしてそんなんしたら後が大変やぞっと言葉を掛けると
『大谷にぬくめてもらうもーん』なんていいやがる(笑)
マフラーに首を亀みたいに埋めてジーパンのポケットに手ぇ突っ込んで
背まるうして縮こまりながらはしゃぐリサはかなりあほ
けど それもかわいいなんて思ってしまうんはひいき目やと知っている。
『リサー そろそろあがってこいっ。見とるこっちがさぶいぼ出る。』
『やーーーー。もっと遊ぶ。』
『あほは風邪ひかんゆうのは迷信や。だからでてこいっ』
『ぶーーーー。』
あほは風邪ひかんってくだりはいらんと思うなんてぶーたれながら
戻ってくるリサをでっかいバスタオルを広げて待った。
(バスタオル…リサのカバンに入っとってん 計画的犯行やな)
『ほら 足だせ…』
『あいっ ありがとう大谷っ♪』
『ほらもう片方の足…』
『あーいっ』
まず右足をふいてミュールの上に降ろしてもう片方の足をあげた。
片足のままふらふらと不安定になるリサから不満げな声がしたけど…
ここはスルー(笑)
『はい 終わった。って…なんで海?』
『入りたかってん。』
『冬やのに?さむがりやのに?』
『へへへ』
リサはミュールを履いた後 くるりっと方向転換
海へ向かって走り出した。
『ちょ…リサっ』
『海の中には入らんもーん。ちょっと…やりたい事あんねん』
リサは砂浜の真ん中でしゃがみ傍にあった木の枝で何かを書き始めた。
ついでにご機嫌さんなんか鼻歌なんて歌っとる。
『♪んーんーんー んーんーんー』
『リサ なに書いとるん?』
リサに近づいてそう尋ねると 満面の笑みで振り返りこう答えてきた。
『ふふふふ 相合傘っ』
そこにあったのは…
end