初心者マーク

『なぁ　小泉なんでそんなに離れて歩いとんの？』
『あ゛ー』

『そんなとこ歩いとったら自転車に引かれんぞ』
『う…うん。』

学校の帰り道。
歩道を歩く　凸凹な二人。リサと大谷。

彼氏の大谷が彼女のリサに話しかけ隣りを並んで歩いている
それは　めっちゃ自然な普通のカップルの光景。

しかし…

２人の距離はびみょーにかつ不自然に開いている。
しかもリサは手と足が同時に出るというへんな歩き方。

『小泉　ちゃんと歩けって…』
『お…おぅ。』

『ったくなんでそんな離れとんねん。オレら付き合っとるんやろ？』
『うっ…』

『付き合う前は平気でオレの歩くぢゃまとかしとったくせに…』
『だ…ってぇーその時のあたしと今のあたしはちゃうの。』

『ごちゃごちゃうっさいっ　ほらっ…』

大谷は自分からリサへと近づいてその手をぐいっと引いて自分の方へ寄せた。
そしてそのまま手を繋いで歩き出した。

『おおたにぃ…誰かにみられるぅ』
『お…おぅ　けど手離したらまた小泉離れるやろ　だから…』

『うっ…』

手を引かれたリサは　顔がゆでだこのように茹っとる。

なんでそこまで緊張していたのかは…

それまで友達だった大谷と２回の失恋ののち付き合えるやなんて
リサにしたら地獄から天国やねん。だから緊張していたという訳。

『オレら付き合っとるんやからコレぐらい普通やし…』
『うん。』

『それに　もっといろんな事も…』
『いろんな事？』


それは　またのお楽しみや　なんて大谷は笑った
それを見たリサも笑った。

end