『もう 秋ですなぁ…』
『ってなんでオバハンくっさい口調やねん』
『オバハンってなんなんっ』
『そのまんま ハハハ』
笑ったオレに小泉が手を差し伸べてきた。
手ぇ?ぎたいんならそうゆうたらええやんけ
なんて思いながら繋ごうとしたら
『ちゃうっ』
『ちゃうって…手繋がんの?』
『繋いだら意味ないねんっ』
『意味?』
『ん 影…みてっ』
言われるがまま影を見た
そっか…小泉がしたかったのは影で手を繋いでるみたいなん
『ガキやな(笑)』
『ええやんかっ なんかおもろない?』
まぁこんなんではしゃぐ小泉をかわいいと思うのも間違えではない
『はいはいオモロイナー』
『わっ その口調絶対そう思ってへんやんっ』
『アーオモローホンマオモロー コイズミが…』
おもろがるところちゃうわっと 小泉の頬がぷぅと膨れた。
『あっ 大谷大谷ちょっとヨコ向いて 横』
『ん?』
今度は何すんねんなんて思いつつ言われるまま横向くオレ
めっさ素直でエエ奴やん
『影に注目っ!!』
そうゆうて背をかがめてオレに顔を近づけてきた。
予想通り…影がキス…。
『影でちゅーーってなんか良くない?』
『はいはい…エエデスネ』
『あーまた投槍や』
そりゃ投槍でも槍投げでもなるわ
『大谷っ』
『ん?』
『反対の横向いて』
『また影ちゅーか?』
『ええから横向いてっ』
こうなったらなんでも手伝ったるわ
けどなんなんやろ?
『また影に注目か?』
『んー今度はあたしに…』
ちゅっ…
オレの首根っこ掴んで(掴むなって)キスしてきた。
『なっ…小泉』
『でへへへ』
『おかえしぢゃ』
ちゅ…
さっきの仕返しでキスを落とす
唇を離すと真っ赤な顔の小泉
『小泉 かえんぞーーーーー』
『あいっ』
今度はしっかり手を繋いだ。
なぁ 小泉影よりホンマもんがええやろ?
end