あ゛ーどうしよ。
よりによって 彼女の誕生日忘れるやなんて・・・
オレって あほすぎるやんけ…
悲しそうな小泉を喜ばすには どうしたらええねん
あいつは笑っとるんが 似合っとんねん
あほな頭を総動員フル稼働してオレは考えてみる。
小泉の喜ぶこと 嬉しいこと オレにして貰いたい事
あっ・・・
せや ひとつ思い出した。
この間小泉 他のカップルの女の子が花束貰ったん見て
うらやましそーにしとったやんけ・・・
ということは・・・
薔薇・・・の花束とか。
オレは ハズいとか考えるより先に駅前にある花屋に 走った。
花は何本で花束ってゆうんやろ。何色のんがええんやろ・・・
値札を見ると・・・薔薇の花は 他の花より値段がええ。
あ゛ーもう余計なこと考えるんヤメや
オレは店員さんに声を掛けた
『すんません・・・これ薔薇の花 あるだけくださいっ・・・』
★★★
ありったけの薔薇の花を花束にして 小泉に差し出した
それを受け取った小泉は『ありがとう』って言いながら うれし泣きでオレを見る。
いっぱい言葉考えとったのに…
『誕生日忘れてごめん 喜んでもらえた?』なんて 言葉も掛けれず
ただ 小泉に 一緒になかまたちの輪の中 花火をしよとだけ誘う。
顔ぐちゃぐちゃやから行きたくないってごねる小泉
あほか 今更 そんなんより行くでって誘っても動かん小泉
こうなったら奥の手
一瞬息を呑んで
『リサ・・・』
初めて 名前を呼んだ
end