『小泉 コレやるわ』
『へっ?』
どんっ
大谷があたしに押し付けてきたもんは
全長30Cmぐらいのぬいぐるみ
おっきな耳 そしてふわふわなしっぽ
これって多分 んーや おそらく
うさぎ
えーーーーー
うさぎ?
目が怖い
なんか睨んどるやん
『人相悪っ なんなんコレ?』
どう贔屓目に見ても
うさぎという可愛らしいもんから一番遠い
うさぎを抱きつつも唸ってたら
大谷が頭を掻きながらこう答えた
『こいつな当たってん』
『当たった?』
『うん 近所のスーパーの福引で２等』
『2等』
『特賞が欲しかったんやけどな』
大谷家の中で最強のクジ運を持つ彼は
『新米コシヒカリ米俵』を当てるという任務の元
スーパーへ向かったんやけど・・・
当たったのはうさぎのぬいぐるみやった
家に持って帰ったらみんなに拒否された
と・・・
要するに これって・・・
『大谷 いらんからってあたしに押し付けたんやろ』
『ちゃうわっ おまえがうさぎ好きやから・・・』
いくらうさぎがすきとゆうても
このうさぎの極悪な顔
わっ
あかん うさぎがあたしを見ている
気だるそうな目で
『リサこれからよろしく』ってゆうてる
『とにかく小泉に大切にしてもらえよ』
大谷はうさぎの頭をぽんっと叩いた。
END
<おまけ>
うさぎがあたしの所に来て３日
部屋の真ん中でどーーーーーーーんっと座って
帰ってきたあたしを『おかえり』って迎えてくれる
なんかこのこ ふてぶてしい顔してんのに
自然と憎めへんねん
『なんか大谷みたいや(笑)』
決して可愛くないけど
あたしはうさぎの頭をくしゃっとなでた
