『あかん…決まらんっ…』
ベットの上や机や椅子にありったけの洋服並べてんけど…
これって思える洋服がない(泣)
スカート・ジーンズ・ガウチョパンツにワンピース
今年流行りのレースのトップスetc
どれを見ても なーんかいまひとつたりひん。
スタイリスト目指しとるせいなん?
コーデが決まらんと いーってなんねん。
『あーーあかん 遅刻確定やー誰か大谷つれてきてーー』と
天に届けとばかりに叫んだら…
『リサぁー大谷くん来たから上がってもらうでー』って
おかんの声がした。
おかん…
なんで下で待って貰うとかないん?
『小泉?』
『あっ はい今あけますっ…』
素直にあけて大谷を招き入れたら…
『小泉…なにしとん(笑)なんやねんこれ』
『へっ あぁあああああ』
ベットに散乱した洋服と…
ほぼ下着姿のあたし
『あ…あんな 洋服がなかなかきまらんくて…』
『…別になんでもええやんけ』
『えーー良くないっ!』
だって 久々のデートやねんで
大谷に「めっちゃかわいい」って思われたいやん
けど…
待ってよ リサ。いまのあたしは…
可愛いから一番遠い
『小泉…』
『なんでもええってゆうなら大谷が選んで』
『えっ?オレが?』
ちびぃーといぢわるしてゆうてみただけやのに
大谷は並んでる服をじぃーっと見つめて真剣に考えてくれ…てる
『これとこれ…』
『んー』
『ほな このスカートとシャツ』
『んーー』
『これは』
『んーーーーーー』
何回かのやり取りの後
『これとこれ…可愛かった…と思う。』
手渡されたのは初めてデートに着て行ったやつ…。
大谷の照れた顔にあたしはまた心臓を掴まれてしもた(笑)
end