『小泉ぃー茶持って来たでーーって!!わぁっ!!!』
扉を開けた瞬間
小泉の姿を見て驚いたオレは手に持ったお盆を落としかけた。
『わっ あぶないっ!!!』
『おっとっっつつつ…セーフっ!!』
バランスを建て直せたんは日頃の行いがええから?
なんて言いつつお茶を小泉にぶっかけんかったオレは偉い
ってちゃう
『小泉 おまえ何見とんねんっ』
『何って…コレ?』
小泉が手にしとんは…
『見んなっって…』
流石バスケ部キャプテンやったオレ
敵からボールを奪う感じで手を伸ばして本を取り上げる。
なんで慌てとんかって?
この本は…
昨日中尾の奴が置いていったエロ本
しかも洋モンの…無…
とにかく乙女が見てええもんとちゃう
なんでよりによってこの本やねん
もっと他…
いやそうやないっ
『…なんか外人の綺麗な子が見えたからファッション雑誌かなと思って』
『あ…ぁぁ表紙はそんな感じやな』
確かに表紙はブロンドの美人が白い水着着て微笑んどる
けど中身は…
『大谷…こんなん見るんやね。』
『ちゃ…ちゃうそれは中尾のんで…』
『ふーん 借りたんや』
『せやなくて…』
のぶちゃんに見つかったら捨てられるとかゆうて
泣きつかれたから置いてあるんであって
ヨコシマな気持ちは…
『…なぁ 表紙は…って中身みたんや』
『なっ…見て…』
はい 見ました 見たよ それがなんやねん。
とは開き直れるはずもない
『…どの子が好みなん？』
なんて小泉が真っ赤な顔して聞くから
『んー この本の中にはおらん。外人って苦手やねん』
って答えた。
『……この中にはおらんって やっぱし見たんや スケベ!!』
end
