大谷気分③

しかし…
あの『別れる・遥』事件の事は聞けずにおった。

よう考えたらたかが寝言
(されど寝言)

気にする事なんかきっとないねん

と考えたあの日からお決まりというか結局すれ違い。


オレが暇なときはリサが仕事
リサが仕事ないときは　オレが忙しい。

もう１週間顔合わせてない。


いっそ一緒に暮らしとったら…
毎日顔を見ることぐらいはできるのに…

『今の部屋…２人で暮らすには狭いよなぁ』

ぼそっと呟いたのを
同僚の松田先生は聞き逃さんかった

『あらー大谷先生。やっとあたしとの暮らし考えてくれたの❤』
『松田先生。なんでですか…(笑)』

『だって今２人で暮らすって…』
『いや　それは松田先生とやなくて…』

そうオレの相手は松田先生やない。
オレが一緒に暮らしたいのは…

『まーた　あの彼女の事考えてたんですか?もー不謹慎(笑)』
『はははは(アホか…)』

不謹慎でも
今のオレはどうしてもリサの事を考えてしまってた。

★★★


『逢いたい…』

そう一言ゆうたらきっと逢えるのに…
連日の職員会議やら学校行事に阻まれて過ごす。

リサの仕事は不定期
真夜中に終わることも珍しくない

『逢いたい』

そうゆうたら無理してでも逢ってくれる
わかっとる。

リサ不足のオレはその不足とこの間からの不穏な気持ちを
整理したくって１本の電話を入れようとした時

♪マジはんばない電話だぜ　♪マジはんばない電話だぜ

思い人からのコールがオレを呼び出した

『も…もしもし』
『あ　大谷　ごめん寝とった?』

『起きとった…あー元気か』
『うん。元気…ってあんな　明日なんやけど…』

『明日?』
『仕事休みになったら大谷ん家に行ってええかな(笑)』

そんなんええに決まっとるやんけ(笑)

『おぅ　明日…オレ仕事やけど…』
『うん知ってる。けど逢いに行くから…』

なぁ　オレもそう思っとるってゆうたら
どんな顔してくれるんやろ

『とにかく早く帰るようにするから…』
『うん　ご飯作ってまっとくー♪』

ほらみてみぃ　これがラブラブカップルってもんや
ざまーみぃ