『でな みゆきちゃんがな…。』
『そんでこないだ中原先生がな…』
その日あった事を嬉しそうにしゃべる小泉。
高校卒業してから 逢える時間が減ってきて
お互いが知らん人との話とか知らん事ばっかしで…
なんとのー会話がかみ合わん事が増えてきた。
久し振りのデートやのに…
『みゆきちゃんってな…』
『ふーん』
『って大谷話聞いてんの?』
『おー聞いてんで…なんやったっけ中原先生?』
『ちゃう…聞いてへんやん。』
『……』
会話が空回りしてビミョーな空気。
高校卒業までの漫才コンビ的な会話すらできひん。
生活が変わるってこんなもんなんか?
『ぶー。大谷ってあたしに興味ないもんなー』
なんて不機嫌そうに言われてオレはちょい イラっとした。
そりゃちゃんと話聞いてへんオレが悪いけど
別にそれだけで喧嘩した訳やないし…
謝るっちゅーうんちゃう気がする。
けど…。
悶々とした微妙な空気で1時間。
そろそろ帰ろうとして店から出た瞬間
頭にポツリ…と何かが落ちてきた。
『…雨やん…』
いつもは忘れもん大魔王な小泉は鞄から折り畳み傘を出した。
そしてオレの隣に立ってポツリ…
『大谷 傘入らんな濡れんで…』
拗ねとるんと寂しいんとが混ざった顔して
頬がちびっと赤くして
傘を差しだしてくる小泉
あ゛ーあかんな
こんな顔 見てもーたらもうオレは全面降伏
『… こいず…リサっあんなっ』
名前呼びして細い腕をつかんで抱き寄せた
身長の件がなくてもむっさハズくて全身きっと真っ赤なオレ
まぁええわ…。
雨降って なんとやらという事で
今日は雨に感謝感激…
いっぱい言いたい事あるけど…
『仲直り…しよっ(笑)』
あと…
小泉の話 もっと教えてくれへんか?
end
いつもこれくらい素直になったらいいのにねっ♪