今日は久しぶりに大谷とデート♪
数日前からワクワクで、髪型とか洋服とかすごい悩んでめっちゃ楽しみにしててん
それやのに、いざ会うてみたらなんか今日は話が噛み合わへん
それどころかさっきから大谷、あたしの話ちーっとも聞いてないねん
『でな みゆきちゃんがな…。』
『そんでこないだ中原先生がな…』
『ふーん』
...めっちゃ気のない返事
なんやねん 人がせっかく話し盛り上げようとがんばってんのに…
なんかめちゃめちゃ腹が立ってきて、思いっきりフナ顔になってしもた
…気まずい空気と時間だけが流れる
…あたしが今日のデート、どんだけ楽しみにしてたと思うん?
顔見て話せるのとかさ、高校の時なら当たり前やったかもしれんけど、今はめっちゃ貴重な時間やのに…
でも、そんなん思てるのあたしだけなん?
大谷、ひょっとしてあたしと逢うてても楽しくないん?
…あたしには大谷しかおらんのに、
大谷は…違うん?
…あかん…。
腹が立つのを通り越して、悲しくなってきた
・・・カラン・・・
ドリンクの氷の音がまるで合図になったみたいに
『そろそろ出よか?』なんて言うから
...もう、最初の楽しい気分なんかどこにもない
でも…次いつ逢えるかもわからんのに、こんなんで帰るのいやや...そう思てたら
『…雨やん…』
店から出たあたし達を狙ったように雨が降ってきた
まだ不機嫌そうな顔した大谷に
あたしもちびっと拗ねたまま持ってた折り畳み傘を差し出した
『傘入らんな濡れんで…』
そう言うただけなんに、
急に大谷が笑顔になるから
あたしもつられて照れ笑いしてしもた
も~あかん!大谷、ずるいわ
そんなあたしの大好きな顔されたらあたしもさっきまでの不機嫌、どうでもよくなる
『… こいず…リサっあんなっ』
名前…呼ばれて
抱き寄せられたりしたから、身体中赤なっていくのがわかる
『仲直り…しよっ(笑)』
なんて…
…なんやねん
ほんまにキュン殺し犯で逮捕したろか…
そのままあたしより低い肩にもたれ掛かった
せっかくの相合い傘
もうちびっとくっついててもええよな…
END