酒は飲んでも飲まれるな②

これってデジャブか…
高校の時　覚えてる　覚えてへんでえらい揉めたことがある。

あの時は熱出たオレが無意識に小泉とキスして
ソレを覚えてへんかって…

まさか今回も…

『あたし初めてやったのに』

『あたしはイヤやってゆうたのに…ムリヤリ。けど嬉しかった…』

初めて　ムリヤリ　嬉しかった。

これってもしかしてオレ無意識に小泉と…

投げかけられた言葉はぐるぐるとまわり始める

そして記憶は
昨日のサークルの飲み会へと戻り始めた。








『えー　大谷ってまだシテへんのか?』

酔っぱらった坂本先輩が大声でそんな事を言い始めたのがきっかけで
周りの奴らが騒ぎ出しいろんな事を聞かれた…

気がする。


『嘘ぉーカノジョおんのにチェリーか?』
『奥手なんか?それともきょーみないんかっ』

『まさかのBLコース』


『ちゃうわ　なにゆーてんねん。きょーみはある』

『えー付き合って1年以上たってんのに』
『もしかして彼女ちゃん他の奴と経験しとるとか』

『アホ　あいつはそーんなふしだらな奴とちゃーう』

みたいな話の流れから　彬のドアホが

『今から夜這いにいってこーい　おおたにっ』
『はぁー』

『男やろ　ついてるんやろ　いけーーーー電話していけー』
『彬おまえでんわせーだれか大谷のケータイ』

『えっ』

『大谷のケータイとったどー』


そんな記憶の断片にオレは頭を抱えた。
もしかしたら酔っぱらったオレの夢の記憶かもと思った

いや思おうとしてたんが

ケータイに届いてたメールを見て確信に変わった。


<昨日夜這いどうやった。彼女どうやった
　会費踏み倒したん許したるから報告待つ　坂本>

サーっと全身の血が引いていくのがおかしいほどわかった。


オレ　小泉ん部屋に押しかけて…そんで


『あたし初めてやったのに』

オレも初めてやっちゅうねん。

『あたしはイヤやってゆうたのに…ムリヤリ。けど嬉しかった…』

嫌がったのにムリヤリ…

『あかん　何しとんねん　オレっ　』


小泉の初めてが　酔っぱらった彼氏というのが気の毒で
オレは自分の頭を思い切りたたいた

オレ　最悪な鬼畜DV男やんけ…
もう合わす顔ないやんけー

だれかーーーーーーー
時間を戻して　くれーーーーーーーーー