高校一年の夏休み
ほんまなら『海やー』『山やー』『ラブやー』で
毎日青春を謳歌やーーーーーー
のはずやのに
何の因果か警察(マッポ)の手先(古っ)
赤点をとったわけやないのに あたしは夏季講習強制参加。
(終業式で立ったまま寝てただけやんか…)
それもこれもどれもあれもそもそも
あのアホどチビ大谷のせいやねん。
人の親切仇で返すってこの事やと思う。
ほんま大谷と一緒に補習やなんて 最低最悪。
誰かどつくもん持ってキテー
と…
思ってたのは昨日までのお話やねん♪
♪あの日あの時あの場所(教室やって…)で …
ひとめ出会ったその日から…
5組の男前の 鈴木君にハート打ち抜かれて一目ぼれ
(大谷と違って)背が高くて 物静かで 男前で…クール。
♪あたしの心はストップモーション
一瞬でバラ色になってん…。
えっと…
あと まぁ…
あの天敵大谷の粋な計らいで今度鈴木君と一緒にプール行けることになった
(大谷の 下心…が あってんけどさぁ)
『チュッ 夏パーティー』っちゅうぐらいに浮かれまくってる
絶対鈴木君のハートがっちり掴むんや
ん?
それにしても…
さっきから なんか後ろの席からの視線を感じる。
真後ろの席は鈴木君。
この熱い熱視線は いったい何?
最近休み時間とか
ちびっとしたことで目ぇ合うように思うんは、あたしの気のせい?
もしかして、もしかする?
プール行ったとき告白!!されたらどうしょう♪
もちろんオッケーや んふふふ♪
って 思っていると そう 鈴木君が 声…かけてきてん。
『小泉さん…あ、あの、ちょっとええ?』
このタイミングは…
『あっ はい ええです…ええですよーーーーーー。』
鈴木君が あたしをじーーーーっと見つめてる。
あかん あかんよーーーーー
こんな皆がおる教室で何しようとしてるん?
大谷もあたしらに注目 してるやんっ。
ドキドキドキドキ・・・・
鈴木君の口が開いた
『小泉さん…あの…前から気になってたんやけど……』
前から…何が気に…なってんの…
『えっ?気になる?』
『ん…』
『なんなん?』
鈴木君 きっぱり ゆうて はっきりゆうて…。
小泉さんの事が…気になるって ゆうてよーーーーーー(笑)
で…
鈴木君 真顔で 言いましたよ
ハイっ…
『小泉さんの後ろ髪…の中で…1本だけ目立っている 若白髪みたいなん…抜いてもええ?』
はい?
耳ダンボの大谷が めっさ笑ってるんが見えた。
end