投資家の目線

投資家の目線1001(自民党の裏ガネ問題)

 石破首相が率いていた旧石破派でも「裏ガネ」が見つかった(石破氏は事務的ミスと釈明)。「しんぶん赤旗日曜版」(2024/10/6)には、それと並んで麻生派の裏ガネ問題も報じられている。今回の衆議院選では、旧安倍派の議員を中心に自民党非公認とされた候補者もいる。故安倍晋三氏の祖父岸信介氏はグラマン事件やソウル地下鉄車両導入に関わるリベート問題が取りざたされていた(投資家の目線797(次期戦闘機が行政事業レビュー対象に))。父の晋太郎氏は「拓銀をつぶした男」中岡信栄氏と親しかった(投資家の目線845(日大理事らの背任容疑事件と安倍晋三元首相))。裏ガネ問題は、安倍派に古くから続く問題のようだ。

 

追記:2024/10/20

岸信介氏周辺へのリベートがなければ、グラマン社やソウル地下鉄車両受注業者に対する政府支出は抑えられただろうに..。

刺殺された石井紘基議員は、特別会計、財政投融資、補助金を「利権財政の御三家」と呼び、特殊法人や公益法人を支え、巨大な権力ビジネスを展開していると批判していた(投資家の目線493(石井紘基著「日本が自滅する日」))。政府支出が巨額の裏ガネを生み出す資金源になっていたということではないだろうか?

 

 「泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴」(森功著 文春文庫)には中古重機の販売を利用した水谷建設の裏ガネ作りの手法が書かれている。メンテナンスが行き届いた水谷建設の中古重機は評判がよく、高く売れたという。その重機が実際に売れた値段より低い減価償却後の簿価で売れたように会計処理し、簿価金額が水谷建設の口座に振り込まれる。差額は販売先の重機ブローカーがプールして裏ガネが必要なときに水谷側にキックバックされるという(p136~138)。価格が低めに誤魔化されれば、そのぶん国などの税収入も減るだろう。また、水谷氏は国交が回復すれば1兆円から3兆円に上る朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の開発利権獲得のため、中古重機やSUVをDRPKにプレゼントしていた(p165~p178)。水谷氏の還暦祝いには、差出人「衆議院議員安倍晋三」と書かれた大きな蘭の花が送られている(p188)。

 

 冷戦が終わる1991年11月末、統一教会の故文鮮明氏はDPRKの故金日成主席と「兄弟の契りを交わした」という。1994年に金日成氏が死去した時には文氏が側近を弔問のために平壌に派遣し、2012年に文氏が亡くなった時には金正恩総書記は遺族に弔電を送ったという(「北朝鮮、統一教会創設者遺族に弔電 90年代から関係」 2022/8/15 日本経済新聞電子版)。故野中広務氏はDPRKへの渡航ルートとして朝鮮総連のほかに統一教会を挙げていた(「聞き書 野中広務回顧録」 御厨貴、牧原出編 岩波書店p361)。旧統一教会は、DPRKと親しい。裏ガネ人脈は、旧統一教会との人脈にも関係しているのではないだろうか?

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