ローソン、肥満社員削減へ(デイリースポーツの記事より)
学生時代、I君という同級生がいました。
比較的お堅い学部でしたが、芸術系の方が似合いそうな、とてもフリーダムな性格をしてました。
格好はスレンダーで70年代ロックスター風というか、やたらとフェミニンでファーのついた服ばかりを着ていました。
そんな見た目に反して人当たりもよく社交的で、いつもニコニコしてました。
彼は広島出身で進学を機に上京をしてきたのですが、来たての頃は故郷が恋しくてたまらなかったようです。
生活費を削って、かつての仲間たちとの電話代につぎ込んでいました。
それで、月々の電話代が10万を越えることもあり「金がぶちやばいんじゃけえ」みたいなことを言ってました。
普通ならそこで少しは反省して控えるようになるはずですが、その点I君は人と違っていました。
毎夜の電話のために、よりいっそうバイトに励み更に生活を切り詰めていくことにしました。
しかし、それもとうとう限界が来ます。
ある日、自宅で倒れて身動きがとれなくなってしまい、朦朧とする意識の中救急車を呼んで病院に運ばれてしまいました。
幸いベッドで一夜を過ごして意識も回復しました。
で、念のため各種の検査をした後、医者の診察を受けることになりました。
そこで、I君は医者の口から衝撃的な発言を聞きました。
「君が倒れた病名は、今年日本で数名しか報告されていないものだ」
それを聞いたI君は再び意識が遠のいたと言います。
だって、若い身空でそんなレアな難病にかかったという自覚がまるでありませんでした。
そこで恐る恐る病名を尋ねると医者はこう答えたそうです。
「君、栄養失調だよ」
元気になってからはバランスよく栄養を摂ることを心がけ、さすがに電話も前より控えたそうです。
試しに膝の下辺りを叩かせてもらいましたが、ちゃんと反応してました。
そんなI君が、クラスで一番に可愛い清楚系女子と付き合っていると知ったのは大分後のことです。
妙に一途なところがあって嫌味のない変わり者の彼が女の子にモテるのは、男の僕でもよく分かりました。